多様性への接続回路~日本酒 燗酒の世界
日本酒の味わいは繊細なもので、同じ日本酒でも酒器の素材や形状、酒器に注いだ後の空気に触れる時間、合わせる食事の内容などで変化する。特に燗付け(日本酒を温めること)による味わいの変化は顕著で、お酒の味が物理的に変化するというよりは、むしろ飲む人の感じ方が大きく変わる。
鍋にお湯を沸かし、ちろりに注いだ日本酒を湯煎で温める。日本酒から立ち上る香りの変化に神経を集中させる。温度を上げながら段階的に行う利き酒での味わいの変化に感覚を研ぎ澄ます。
温めることで前面に出てくる酸味は強