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農家さんを助けるために移動販売を始めることにした

はじめまして、こんにちは。
これから沖縄で移動販売にて、地域の方に新鮮な野菜を提供していこうと考えている者です。



現在はサラリーマンとして勤務しているのですいませんが匿名で書かせていただきます。



僕はこれまで普通の会社員としてごく普通の生活をしてきた、生まれも育ちも沖縄で過ごしてきた現在29歳です。




これまで特にコレといった夢もなく、恥ずかしながら生活のためだけに働いてきました。




しかし、26歳の時に転職をすることで後に僕の夢へと変わる人生の転機が訪れました。



転職をした先は、JAおきなわという会社。(現職)



会社というか、組合ですね。





JAおきなわは組合なので、株式会社のような法人とは違い、農家さんをお客様とするのではなく、あくまでも組合員とJA職員との"協働"というような位置付けです。




なので、利潤の追求ではなく、組合員の生産と生活を向上させる目的の組織で、JA職員と一緒に仕事を形成していくようなイメージの業態になります。



そこで、僕がJAで携わっている主な仕事は、農家さんが生産した野菜を出荷するためのサポートをしたり、市況と照らし合せながら今日や明日だけでなく、今週に値段がつきそうな一番いい出荷先を雑談を交えながら提案をするような仕事に従事しています。
*市況:【 県内野菜や全国野菜の、「高値、中値、安値」を表したもの 】




なので、僕たち消費者がスーパーで手に取る野菜を最前線で見ている仕事ということになります。


野菜にはそれぞれの規格がある

市場の様子

ここまで少しだけJAについてだったり、僕のことについて語らせてもらいましたが、ここからこの記事の本題を書いていこうと思います。



見出しのとおり、わかる人にはわかると思いますが、僕たちがスーパーで手に取る野菜にはそれぞれ"規格"というものが存在します。



"規格"というのは、形が適格だったり、色合いも良かったり、俗にいう良い野菜にはA品、普通のものはB品、あまり良くないものはC品という感じでランクが付けられます。



それより下のもの(奇形や根腐れの野菜)は、出荷はおろか、現場(畑)で即廃棄しているのも多くあります。




奇形の人参やトマトだって何の問題もなく食べられるし、根腐れをしている葉野菜も根っこの部分をカットすれば普通の野菜です。





言ってしまえば、葉野菜を自宅で調理するときは根っこの部分は削ぎ落とすはずです。(使う家庭もありますが)





そうやってそれぞれにランク(値段)がつけられるのですが、農家さんは自然を相手にした闘いなので、全ての野菜がA品として出荷できるということはまずあり得ません。




全ての農家さんがA品の綺麗な野菜を作りたいと思って仕事をしているので、わざわざB品やC品を生産したいと思っている農家さんはきっといないはずです。




たとえば、見た目は綺麗でも全体的に大きくなりすぎたホウレンソウがあるとしたら、それはA品として出荷することはできず、B品、もしくはC品として出荷せざるを得ない状況だということです。




そして、野菜を生産する農家さんがいるということは、その先にはそれを"買う人たち"がいます。




当然ながら、買う人たちにとってもA品の野菜と同じ金額を払ってB品の野菜やC品の野菜を買わないというのも理解できます。




僕たちもスーパーへ行って同じ値段を支払うなら、陳列されている商品の中から、できるだけ見定めて良い野菜を買いたいですよね。




それと同じ感覚です。




なので、競り市場であまりいい値段が付かない野菜があってもそれはそれで当たり前の話だと思います。




みんな仕事でやっているので、出荷物によってその格差が出るというのも仕方がないからです。



販売ルートを1本化できるとしたら…

ここまで野菜の"規格"の話をしましたが、僕がやりたいことは生産者から消費者までの販売ルートを1本化できたら面白いことになるんじゃないかと考えています。



ちなみに、現在の主な販売ルートはこんな感じです。

【生産者 → JA → 運送会社 → 卸売 → 仲卸 → 小売店 → 消費者】

加工業者等を仲介したり、運搬を増やしてしまうとさらに手数料が増えることもありますが一般的には最低5つの事業者を仲介して消費者のもとに届いています。



生産者が野菜を出荷してから、おおよそ5つほどの事業者から手数料が取られた後が農家さんの売り上げになります。細かくいうと、安値で買い取られてスーパーで高く売られています。


たとえば、80円で農家さんから買い取られたホウレンソウがあるとすれば、消費者がスーパーで購入する時には倍以上の198円で売られているというわけです。



僕たちがスーパーで野菜を手に取るまでの間に、単純計算で118円の手数料が取られているということになります。



1つあたりの野菜でこれだけの差があるので、何百何千という出荷になれば、とてつもない金額になるわけです。


とはいえ、これが悪いというのではなく、前述したように、それは仕事なのでその仕事に携わる全ての人間が利益を求めるのは当然のことです。



ボランティアでやるなんてあり得ないですし、大手スーパーなどはそれなりの集客力もあるので、その対価としての金額で販売することが妥当な金額とも言えるわけです。



僕が問題提起しているのは、生産者が出荷した野菜を消費者に届けるまでの間に、これだけ多くの業者さんがいるこの状況を当たり前だと思わないこと。



農家さんも経営として野菜を作って売っていかないといけないので、80円のような低単価が続いていては当然面白いはずもありません。



もちろん、大手スーパーで直売所を設けてもらって直接契約をしている農家さんも多々いますが、全員ができる訳でもありません。



夫婦二人、もしくは一人で精一杯頑張っている小規模農家さんなどは、物価高騰が続くなか、生産物の金額だけ変化がないと廃業に追い込まれてしまいます。


だから僕は移動販売で農家さんへの還元率を増やしたい

フリー素材より引用

野菜の単価が低い(農家さんの売り上げに繋がらない)からそれを1本化して、単価の引き上げを計りたい…


また、スーパーでは規格外の野菜は取り扱ってもらえないため、その野菜を廃棄するのではなく、僕が売り方一つでどうにか販売に繋げていきたい。



あまりにも単純な考えなのは自分でもよくわかりますが、肥料やダンボール等の資材の高騰が続くなか、野菜の単価は上がらず、日々農家さんが苦しむ状況を最前線で見ている分、何か手助けをしてあげたいという思いが日々強くなってきている自分がいます。



ただし、まずは車両を使っての移動販売なので当然その規模も小さく、農家さんへの貢献度が少ないことも理解しています。



だからといって、いきなり店舗を展開して営業を始めるのもリスクが伴うので、まずは小規模で始められる移動販売で結果を残して、少しでも多くの農家さんを救いたいと思っています。



あと、この業界に僕が参入したからといって必ず僕をとおして販売する方法がいいなんて微塵も思ってもいません。



JAおきなわが展開する農産物直売所に出荷したり、競り市場に出荷したり、無人販売をしてみたり、僕のように移動販売する者を使って売り上げに繋げたり、その時々で出荷先を変えながら生産物の売り上げに繋げられたらより良い経営がができると思います。



スーパーのような大手企業だからできること、移動販売のような小規模経営だからこそできることってきっとあると思います。



農家さんも自身で生産した野菜が成果(売り上げ)に直結するからこそ、仕事のモチベーションにつながりますし、より良い生産につながると僕は考えています。



そして、我が国の課題でもある農業者離れや新規就農者不足を食い止めるためには、「農業は儲かる」、「やりがいがある」と現職の方が胸を張って言うことができればそれはきっと現代の若者の耳にも届きますし、やりたい人が溢れかえるぐらいの新規就農希望者数を増やすことで、後に食料自給率のアップにも繋がるはずです。



この記事を読んで頂いた方で、アドバイスもしくは厳しいお言葉もいただけるのであれば是非参考にさせていただきたいと思いますので、コメントを頂けますと嬉しいです。




最後まで読んで頂きありがとうございました。


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