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東京のタクシーに乗ると目的地までのルート迂回でボッタクられそうになる理由とは・・・?

東京で仕事をしていた頃の話ですんで、もうかれこれ12~13年以上前のことになるんですが、飲む機会の多かった私は住まいとは別に仕事先の東京都内にも月極め駐車場を借りていたんですよ。

というのも、住まいから東京都内へ車で出かけたものの、急遽接待などで飲み会が入ってしまうことが多かったんですね。

それに都内でも複数箇所に店舗が散っていたために、店舗間の移動をするのに電車やタクシーと自家用車を併用して、移動のスケジュールを組んでいたもんだから複数箇所の駐車場は欠かせなかったんですよね。

なので1号店のあった池袋や、事務所を置いていた恵比寿に駐車場を借りていたわけなんですが、新宿は靖国通りの地下に大きな24時間営業の公営駐車場があったんで、定期券での利用でした。

その頃の行動パターンでいうと、前述のどこかに車を駐車してから店舗を巡回するわけですが、駐車場の場所まで戻る間に飲み会のお誘いが来るわけですよ、毎日のように。(´д`;)

それで、時間を見計らって相手先と合流して飲食するわけですが、飲んだ後の運転はもちろん禁止ということで、住まいのある千葉までもタクシーを使うわけですね。

また都内での移動でもタクシーを使うので、いわばタクシー通(つう)と言っても良いくらいに、月間で10万円前後のタクシー代を交通費として経費で計上していましたから、けっこうなお得意客だったわけですよ。

そんなタクシー通の私をつかまえて、ボッタくろうとする悪質な運転手がいるんですから、困ったもんです。

いやね、ボッタくるといっても歌舞伎町のボッタクリバーのような手口ではなくて、合法的なヤツなんだけど、目的地までの最短ルートか、交通事情での最適ルートを通行するというのじゃなく、迂回するヤツ。

それもタチの悪いやつだと、乗車して目的地を告げると「どうやって行きます?」なんて聞いてくるんですよ、運転ルートを。

こっちは「ああ、来たな!」と思い、逆に「運転手さんの予定しているルートはどっから行くつもりなんですか?」と聞き返すんですよ。

すると適当に「何々通りを抜けて、どこそこから混んでなかったら、△△に抜けましょうかね?」なんて独り言のようにつぶやくわけですよ。

そこでうっかりと「お願いします!」なんて言おうもんなら、とんでもなく迂回路を走らされて高額なタクシー料金を、泣く泣く支払わされる羽目になっちゃうんですよね。

私の場合はいつも、と言って良いくらい乗ったとたんに、こんなパターンになっちゃうんですが、その手には乗りません、タクシーには乗っても。^^

「運転手さん何々通りを抜けるって、方角違いますよ、■■から○○通りを右折して行ったほうが早いと思いますよ」なんて切り返すわけですね。

すると、こちらがルートをごまかせない乗客だと判断したとたんに、無愛想になって「じゃぁそれで行きますんで、指示してください」なんてぶっきらぼうに返事するんですよ、ほぼこのパターンでしたね。

こちとらカーナビじゃないっていうのよ、なんで乗客の私が「次の信号を右折です!」「しばらく直進です!」「もうすぐ目的地周辺です!」なんてことをいちいちナビゲーションしなきゃいけないのよ!

気分も悪くなりますよね?
そんなときは「あ、運転手さん!そこで停めて・・・用事を思い出した」と言って降りるんですよ、基本料金のうちに。

怪訝そうな顔をしている悪質ドライバーを横目に、すぐ手を挙げて別のタクシーに乗り換えるんですよね。(^_^)b

これって、めちゃくちゃ悪質ドライバーへの教育になるんですね。
不愉快な思いをして目的地まで運んでもらうなんて、お互いにメリットはありませんもんね。

なので即、ゲームオーバー!
タクシーチェンジで、気分良く目的地に向かうのです。

だいたいこのパターンで乗車した2台目の運転手さんは聞いてきます。
「さっきの車から降車したばかりじゃなかったんですか、お客さん?」

やっぱり気になるんですよ、タクシードライバーだと乗り換えた理由が知りたいのでしょうね?
「はい!あんまり気分が悪かったんで、降りたんですよ、悪質で・・・」

って答えると、全員がその経緯を聞きたがりますんで、後学のために教えてあげるんですよ、迂回路ボッタクリの魂胆を・・・。

そして必ず教えた後にこう付け加えるんです。
「いやぁ、助かりました、今度は感じの良い運転手さんで良かったです!

はい、それから後はものすごく感じの良い運転手さんに感謝しながら目的地に到着できるんですよね、お互いに気分良く料金の精算までできるので、ついお釣りはいいですよ、なんて振る舞っちゃうわけですよ。

ここってけっこう重要なポイントでして、2度目に乗車した運転手さんと1度目の運転手さんには、意識の点で大きな差は無いのかも知れないということですね。

最初のインプットで、ほんの少しの差が出てくるんだと思っています。
同じ目に遭いたくない、と言う気持ちや、気分良く正直に運転していればお釣りまでチップでもらえてしまう、という成功体験を味わえるわけですね。

この2度目の運転手さんは、やっぱり正直が一番、乗客が気分良く目的地まで同乗できるようにすることが、タクシードライバーの本分なんだと、再認識すると思うのですよ。

こういう実体験を積むと、やっぱり正直が一番だと実感してもらえるわけですね。

一方の1度目の運転手さんの場合は、乗り換えられた状況を反省することができるか、それとも罵り悪たれをついて次のカモ客を狙う、という行動をとるのかで道が大きく分かれるんですよ。

その分岐点でどちらの道を選択するかで、その後のタクシードライバーとしての人生や、人としての品性までを決定づけてしまうことになるわけです。

ちなみに東京のタクシードライバーからすると、恐い存在なのが東京タクシーセンターという公益財団法人なんですよ。

2002年に現在の名称に変わる前は近代化センターという名称で、近セン(きんせん)と呼ばれて、タクシーのトラブルはここに持ち込めばたいてい解決してくれるというタクシー業者に目を光らせている組織だったんですね。

免許の取り上げやめんどうなことを嫌う業者にとっては、目の上のたんこぶの組織がキンセン、現在は東セン(東京タクシーセンター)ということになるので、覚えておいて損はないと思います。

私が乗車後にやっていたのは、不穏な雰囲気のドライバーだと感じたときは「最近の近代化センター(当時)は、どんな風ですか?うるさいですか?」なんて近センの存在を知っていることを、さりげなく伝えていましたね。

その会話をきっかけにしてドライバーの態度や愛想が変わるので、今でもこのやり方は通用するかも知れません。

あと、悪質なドライバーに遭遇したときは、必ずレシートをもらうようにしてくださいね、その上で運転手名を覚えておくか控えておいて、東センに通報すればいいと思います。

最近は「まったく道がわかりませんので、教えてください」というあっぱれな上京組乗務員が増えているようです。

この方々は悪質なんじゃなくて、東京の地理に疎い、疎すぎるというお粗末なだけの運転手さんですんで、悪気はありません。

カーナビ主体のルート走行になるので、温かい目で見守ってあげましょうね。(^_^)b

ところで、私だけがなぜ、いつもこんなにボッタくられそうな状況に陥るのかと、ずいぶん経つまで理解できなかったのよね。

それが、あるとき腑に落ちたんです。
東京駅の八重洲口からタクシーに乗ろうとしたときに、例の通りのやりとりがあったわけですが、その時の運転手さんが私に対してこう謝ってくれたんですよ。

「すいません、てっきり地方から出てこられたばかりで、地理に詳しくないと思ったもんで、メーターの上がる道を・・・すいませんです!」

こう謝られたんですよ、東京にその時点で通算25年もウロチョロしていたはずなのに、上京したばかりのローカルオヤジに間違われようとは!

こぉりゃぁ・・・いかん!

言葉を、訛りを、イントネーションを、何とかせねば!
何とかせねば、は方言か、標準語なのか、とにかく、何とかしなければ!
そう決断したものの・・・まだ、相も変わらずその当時のままですよ・・・(´д`;)

私の言葉が独特なのは、いつも夫婦一緒にいるからなんでしょう。
同じ鹿児島出身で、いつも一緒に暮らしているわけなので、職場で標準語のつもりで話していても、自宅に帰ればリセットされちゃうんですよ。

しばらくは家庭内でも標準語を喋ろうと夫婦で相談して、先に方言喋ったほうが負けなんてゲーム感覚でやってたんですよね。

それで意識して標準語を喋るんだけど、長続きせずについつい吹き出してしまって、標準語が上達しないのですよ。(´д`;)

そのうちにキッパリあきらめました、はい、これが個性というヤツです。
アイデンティティーってヤツなんです、私の場合は。(/_;)

私が小学生の頃は方言がダメだと言うことで、学級での終業前の反省会で「何々君は方言を喋っていました!」って吊し上げをくっていましたよ。

教育という点では、都会に出て働くときに言葉で阻害されたり、内向的になることを防ぐ意味で標準語教育を課したのだと思うけど、今そのことを振り返ってもおかしな教育方針だったと思うよね。

今は何とかして方言を残そうという運動まで起こっているくらい、方言が民俗学や言語学の面からも見直されているようです。

ほら、良かったじゃないですか、このままの言葉で貫いて・・・。

・・・・・・っていうか標準語を覚え損なっただけなのよね。(^^ゞ

みなさんも同じように田舎から出てきていたり、ルーツがローカルというのなら、積極的に方言や訛りやイントネーションを周囲にまき散らして、周りの人たちにもローカルと親しんでもらおうじゃありませんか。ヘ(^o^)/

ってことで 今回は
東京のタクシーに乗ると目的地までのルート迂回でボッタクられそうになる理由とは・・・?」というアイデンティティーに関わる話でした。

でもね、最近は悪質ドライバーよりもっと悪質な乗客のほうが問題になってるみたいよね?

いきなり降車時に強盗に豹変しちゃうから、マジで運転手稼業も危なくなってきたようだ。

ハンドルに命をかけている職業ではあるけど、料金袋にも命をかけるハメになろうとは・・・。

もし、この記事を読んでくださってるタクシードライバーの方がおられたら
こちらのマガジンをおすすめしておきます。
命あっての物種ですからね。(^_^)b


では!

ボッタくられても のほほんと。

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