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卒業の季節になると卒業式の日に同級生と祝杯をあげて別れた日のことを思い出す。

タイトルを見てギョッとした人もいるかも知れないけど、私のこの思い出は遙か昔の昭和40年代の頃の話なので、とっくに時効が成立している懐かしい思い出話になるので、どうか目くじらを立てないでお付き合いをよろしく。

もうほとんどの学校が卒業式を終えているんだろうけど、この季節になると頭をよぎるのが、当時通っていた県立高校の卒業式の日のエピソードです。

卒業式は午前中に終わったと思うけど、名残惜しそうに卒業生同士で語らっているグループが、校内のあちらこちらに固まっている中で、誰が言うともなく卒業生有志の集合場所を、街中のスナック喫茶にしたという伝言が。

私も同級生に執拗に誘われたもんだから、女子同級生の親戚が経営しているというその集合場所のスナック喫茶に、顔出しだけすることにして後から合流したんですよ。

顔出しした時にはもう10人を超える程度の人数が集まっていて、これからも集まってくるという話でした。

もちろん高校生なので、そんなにお金を持ち歩いてもいないので、注文はせずにただ座っていたんですよ。

しばらくは卒業した開放感で昂揚している気分を発散して、ワイワイガヤガヤやっていたんですが、三々五々集まった人数でそんなに広くない店内が満員になったのを見計らうように、幹事役が相談をかけてきました。

「あんよぉ(あのさ)・・・卒業じゃっで、こいから飲んじゃいかんけな(ダメかな)?」

なぜ、私に相談が持ち込まれたのかというと、生徒会の初代風紀委員長という立場だったから、何か文句を付けられると考えた結果らしいのですね。

「よかがね、もう退学も停学も、ありゃぁせんがねッ!飲んでよかよ!」

この私の一声にみんなが一斉に声を上げて注文したのが、コークハイ!

コークハイっていうのは、ウイスキーのコーラ割りのことで、お酒を甘いコカコーラで割ってあるので、お酒を飲み慣れない者には飲みやすくて、お酒の分量も調節しやすいアルコールドリンクだったんですよ。

それに作るのもとても簡単で、ウイスキーをグラスに適量注いでコーラをつぎ足すだけという簡単さだったんですよね。

自分たちでサントリーの角瓶を受け取って、テーブルで作っては回し作っては回しで、アッという間に乾杯のスタンバイ完了です。

乾杯に準備が整ったところで、幹事が一言ボソッとつぶやきました。

「あとで見つかったときの主犯は、いっばんさきに飲んだヤツよね・・・」

その言葉にみんなは顔を見合わすばかりで、誰も音頭をとろうとしないのですよ。

そして申し合わせたように私の顔に視線を送ってくるわけです、みんながみんなして。(´д`;)

みんなの顔には、もし主犯になるならお前しかいないだろ、そんなことが書いてありましたが、なぜそういう目で見ていたのかというのは、こちらの記事を読むとなんとなくお分かりいただけるのでは。


そいういうことなので、仕方なく引き受けることにしました。(^_^;)

「卒業したぞぉ~~ッ!大人になったぞぉ~~ッ!みんな元気で、気張ろう~~ッ!」で、乾杯!

社会のルールでは未成年の飲酒というのはもちろん法令違反ですが、この日の私たちの行動を突き動かしていたのは、解放感だったんだと思います。

社会のルール、法令違反をするという思いよりも、校則から解放されたことが嬉しくて、自由になった気分を味わいたくて、ほとんどのヤツは飲めもしないし旨いとも思わないアルコールドリンクで、祝杯をあげたんですよね。

ただ大人になったぞ、という気分を味わいたかったんでしょうね。
大人になるにはもう2年ほど年数が残っちゃいるけど、高校を卒業したら就職するし社会人の仲間入りなので、気分はオトナのわけですよ。

この日に参加していたのは男子だけじゃ無くて、女子も半数まではいかないけど7~8人いたような記憶が残っています。

アルコール薄めのコークハイを何杯か飲んで、みんなに別れを告げて火照る顔で駅前のラーメン屋に立ち寄ったんですよ。

いつものカウンターに座って、おでんのキンチャクとラーメンを注文するとお店のオバチャンと出前のオニイチャンが、卒業おめでとうと声をかけてくれました。

「顔が赤いが・・・また二日酔いじゃっとじゃなかね?」するどいツッコミにさっきまで卒業生でお別れコンパをしてきたと告げると「じゃったとね、そいじゃ~許さないかんなぁ・・・」と微笑んでくれました。

「そいでもよう、退学を喰らわんで、なんとか卒業にこぎつけたね^^」そう言って卒業できたことを改めて祝ってくれたんですよ。

そのうえ「どげんね、失業祝いに一杯ビールをおごろうかね?」という温かいご馳走の話まで・・・いえ、ありがたいけど、もちろん断りましたけどね。

オバチャンがそう労ってくれたのには、実は二日酔いやお酒絡みで色々なことがあってですね、このお店のオバチャンたちにも、大変お世話になったんですよね。

ま、そのへんの話はまた折を見て記事にしようと思います。

親友と2人で、糸こんと餅入りのキンチャクを食べながら、ラーメンのできあがりを待ち、カウンター前の天板に置かれたラーメンを受け取って、ふうふうしながら完食したラーメンの味は、格別の味でした。(^_^)b


私たち昭和世代ならではの空気感だと思いますが、まわりの大人たちも大らかな気持ちで子どもたちに接してくれていた、貧しくてものどかな時代の話でした。


ってことで、今回は
卒業の季節になると卒業式の日に同級生と祝杯をあげて別れた日のことを思い出す。」という思い出話でした。


では!

卒業に  顔誇らしげ  のほほんと





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