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いい女、いい男、付箋だらけの小説

Very LiLy

まだ半分も読んでいない。
まだ第2章のレベル。

だというのに、私が今手にしている本には
付箋がもう数えきれない。

なにがどうなぜ響いたのか、
私にもわからない。

そのときの、いわゆるフィーリングで
付箋を貼っている。

でも間違いなくその付箋を貼られた言葉たちは
私が今求めている言葉で
納得したい言葉で
拒絶してきた言葉たちだ。

私のなかでくすぶって、
ほんとうは口にしたところで
誰にもなにも責められるわけではないのに
閉ざしてきた言葉たちでもある。

なにかあったとき、言葉に助けられること
なにかあったとき、本に助けられること
なにかあったとき、それらに助けてと叫ぶこと

それが凝縮された、そんな本。

社会人になってから、
本に付箋を貼ることが増えた。
学生の時はしなかった。
もっといえばできなかった。
恥ずかしいと感じていたから。

本を読むこと
感想を言うこと
共有しあうこと
本が好きだと公言すること

恥ずかしくない
楽しい
おもしろい

伝えるだけの貫くだけの勇気や意思が
私にはなかった。

学生の時は本を鞄にいれているのを隠していた
読んでいるのを見つからないように

そんなことないのがいまならわかるのだけど。

読みながら、付箋をはりながら、
ああ、私は本が好きだ

実感する夜の話。

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