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”べき”の境界線の擦り合わせをしよう!

前回のコラムでは「怒りは第二次感情」で、直接怒りを感じるわけではなく、悲しい・さみしい・苦しいといった「第一次感情の許容量が超えた時に怒りとなって表れる」ことを書きました。
今回は、カリカリママだった制作チームの一員がアンガーマネジメント講座を受けて、何に気づき、子どもや夫への関わりをどう変えていったのかをお伝えします。


子どもを授かり、めでたくママとパパになった2人。なのに、言い争いが増えたり、イライラが増したり…。
2人だけで生活している時よりも、コミュニケーションが上手くいかないことが多くなりました。

よくある言い争いの例は
「男は仕事をしてお金を稼ぎ、女は家で家庭を守るべきだ」
「ママは夜は家で子どものそばにいるべきだから、残業はしないでほしい」
「子育ての主体はママであるべきだから、パパは口を出さない」
etc…

子どもが産まれて、一人の大切な我が子を育てるタイミングになると、パパはこうある”べき”、ママはこうある”べき”という思いが、お互いに一層強くなります。
私も、この”べき”の違いでイラッとしたり、させられたり、怒ったり、怒られたり…。

お互い違った環境、家庭、教育のなかで育った人間なので、こうある”べき”は人によって当然違います。なのに、そのことをすっかり忘れて、自分の”べき”を相手に押し付けがちに…。
アンガーマネジメントを学んで、そのことに気づかされました。

言い争いの原因は、こうある”べき”の違い。
だからこそ、”べき”の擦り合わせをお互いにしていくことで、言い争いをかなり減らすことができるのです。


また、「怒り」は第二次感情なので、悲しい・さみしい・苦しいといった怒りの元になるネガティブな第一次感情が必ず根底にあります。
私が夫や子どもに怒ってしまう時は、突発的に怒りが爆発することが、ほとんどでした。
その時の状況を思い返すと、2つか3つのネガティブな第一次感情が重なっていました。

例えば…
遅く帰ってきたのに、散らかった部屋とキッチンがあり、片付け、夕食作りが待っている。
同時に会社からの電話やメールの対応を迫られる。そんな中、子どもたちのケンカがはじまって…。

ドッカーーン!爆発!
「静かにしなさい!いい加減にしなさい!」
ヒステリーママの登場です苦笑。

でも、アンガーマネジメント講座を受けてからはふと「今、私はなぜイラっとしたんだろう?このイライラの元になっている第一次感情は何?」と立ち止まって、客観的に考えることが出来るようになりました。
そして第一次感情に気づいたら「私はこうしてほしい」と、自分を主語にした”Iメッセージ”で伝えることが大切、ということも教えてもらいました。

「ママは電話している時にうるさくされたら、困るな。静かにしていてくれたら嬉しいな」という感じです。


自分の感情と向きあうことで、ドッカーーンと怒りが爆発する回数は減ってきました。もちろんまだ修行中ですが…。

最後に、夫との”べき”の境界線をすり合わせるために私がとった行動をお伝えします。それは、日頃から思っていることを話し合う時間を夫に作ってもらうだけでなく、その時に図やグラフにして自分の思いを伝えることでした。言葉よりも視覚で訴えた方が、理解してもらえると思ったからです。

・夫婦の1日、1ヶ月の時間の使い方
・飲み会の時間の算出
・育児について

育休から復職したばかりだった私は、以前のように制限なく働くことができませんでした。また、職場でも「お子さんが小さいから」と気を使われ、昔のように自由に時間を使えない状況に徐々に疎外感を抱くようになっていました。一方、夫は独身時代から変わらぬ時間の使い方…。私にはそれがとても羨ましく感じていました。そこで、熱い思いを愛のある”Iメッセージ”で伝えたのです。

「復帰してから私は、昔のように仕事がこなせなくて、焦っている。どうしても職場にいる時間も短いし、以前のように外出もできなくなって、私は悲しい。
でも、あなたは昔のように自由には働けていて。その姿を本当は羨ましく思っていた。
だから、その気持ちがイライラとなって、あなたにガミガミといっていたことに気がついた。」

そこから作成した図や資料を使って、飲み会に行ける回数や帰宅時間を夫と私で比較して表現し、話し合いました。
夫も私に負担をかけていたことに気づいてくれました。

の感想は「上司面談よりも大変」笑。
でも、自分との時間に対する価値観の違いが見えてきたといってくれました。
まだまだ、我が家では、こうあるべきの境界線はたくさんあります。私も夫に「あるべき男像」を押し付けたり「パパなんだから」と言ってしまうので、自らを省みることもあります。

仕事プラス家事育児があり、お互いに思いやる時間が減っている状況なので、余裕がなくなり怒りが突発的に起こる場合もあります。
ただ、アンガーマネジメントとは、決して怒らないことではないのです。
怒った後に後悔したり罪悪感をもつような怒りをコントロールすることであり、
気持ちを相手に伝わるようにしていくこと
なんです。

一緒にいる家族の時間をハッピーに過ごすために、「”べき”の境界線の擦り合わせ」と「自分が主語の”Iメッセージ”で伝えること」を1度でも取り入れてもらえたら嬉しいです。

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