若手芸人3人でルームシェアしてるので日記にしてみた 〜4月編〜

ちょこっと失礼します。
いや、俺のYouTubeにタップルのCM流れてるのバレた~~!!
どうも。東京NSC27期、芸歴1年目の「ごしゅん」です。
僕はいま、NSCの同期と3人で暮らしています。
シェアハウスが始まって1カ月が経ちました。
3月25日から「ジャングル」と2人で住み始め、
4月1日から「とーむ」が加わって3人。
様々なことがあり、なんだか早かったし、長くも感じた1カ月でした。
そんな僕たち芸人家族の日常がどんなものだったか、
振り返りつつ、ここに日記形式で記したいと思います。

4月某日 市川ハウスにて

主な登場人物

ジャングル
全身ヒョウ柄の服を着ていて、傘や財布など小物もすべてヒョウ柄の巨人ファン。一応ダイエットしているらしいが、118kgに減っては120kgに戻るのを繰り返している。関西弁で喋る。

とーむ
料理が超得意で、包丁を14本持っている。小さい頃にボクシング、空手、ラグビーをやっていて運動神経がいい。一応ダイエットしているらしいが、常に部屋にはお菓子があり、マックによく行く。

たっちゃん
とーむのお父さん。社長をやめて奄美大島で漁師をやっている。虫取りが好きだったり、少年がそのまま大人になったような印象で、海・森・山が大好き。


日記

3月25日
同期の中村が手伝ってくれて、みんなで引っ越し。ジャングルが部屋の片づけを終わらせておらず、食料が入ったままの重たい冷蔵庫など、協力してトラックに積み込んだ。日を跨ぐ前にぎりぎり荷下ろしが終わった。腹ペコで何か食べようとジャングルの冷蔵庫を開けたら、1口だけ飲んである気の抜けた炭酸水が十数本出てきた。「そうだ、この前炭酸水の飲み比べをしたんだよ」と言うジャングルを横目に僕と中村は呆れていた。運転で疲れているはずのとーむは、何故だか爆笑していた。

3月26日
ジャングルと生活必需品の買い出しへ。風呂洗いにスポンジタイプを使うか、モップタイプで洗うかで意見が割れた。すんなりスポンジタイプを譲ってくれたが、しょうもない借りをつくってしまい、ちょっと悔しかった。

3月27日
まだ炊飯器がないから、夕飯は焼きそばにしようと買い出しに行く。ジャングルが満面の笑みで「これええやん!」と特売のエリンギを持ってきた。上海風焼きそばにしたいならこっちも心の準備があるから最初から言って欲しいと思った。夕食後、市街を散策していたら、ピンク髪で短足小太りのキャッチにガールズバーどうですかと執拗に勧誘された。おそらくヒョウ柄が金持ってると勘違いされた。とーむがコンビを解散した。

3月28日
起き抜けに「朝から洗濯して偉いな、ジャングル」と思ったら、いびきだった。ジャングルのいびきは脱水に似ている。バイトから帰宅するとジャングルが同期と電話していた。シャワー浴びてくると言ったら、風呂焚いたから1番風呂いいよと言われた。喜んで入ると、すでにぬるま湯だった。焚いたけど長電話しすぎて、すでにぬるま湯だった。1番風呂の概念を覆す、ぬるま湯だった。仕方なく肩まで浸かった。

3月29日
ジャングルが解散した。朝からなんだか空気がピリついていた。前の日にもらった賄いの肉によく滲みたレモンが酸っぱかった。外は凍てつく寒さだった。30秒ショートネタライブでコントをするのに、ドンキの口紅コーナーでテスターを人差し指に付け、唇に塗りたくった。人生初の紅引きはヘルペスみたいになった。

3月30日
朝、板橋の家の退去立ち合いをした。過剰な請求を防ぐために一生懸命覚えた「経年劣化」というワードを使うことなく、すぐに立ち合いが終わった。時間があったので、バイト先の九段下まで歩くことにした。途中、前の日にもらった賄いを温めたくて電子レンジが欲しくなった。図書館に寄ったら給湯室を借りることができて、湯煎して神社で食べた。こういうのが最高においしかったりする。バイト後、九段下に止めていた自転車を回収し、市川の家まで自転車で帰った。高校で運動部を引退してから経年劣化していた僕の体は悲鳴を上げた。

3月31日
卒業ライブ当日。前日の疲れを加味し、検温アンケートを送る7:30ギリギリまで寝ようと思った7:20に目覚ましをセットする。朝、ジャングルのアラームが先に大音量で鳴る。まだ眠いので自分のが鳴るまで布団にいることを決意した。しかし5分程経っても止まらない。仕方なくジャングルの部屋に入ってアラームを止めると、5:04の表示。「え?5時?なんで5時?まあもう1回寝るか」と布団に入ったら5:10にまた鳴った。飛び起きて止めに行き、「なんのアラームなん?」と聞いたら、寝ぼけたジャングルが「携帯」と答えた。それは知ってるんだよ!なぜなら俺が止めたから。俺はギリギリまで寝たかったんだ。こういう時に「行き場のない怒り」という言葉を使うのだと思った。後々聞いたら、起きれるか心配だったから2時間前から10分おきにセットしてたらしい。先に言ってくれ、同じ時間に起きるなら起こすから。

4月1日
夜勤を終えたその足で浅草橋に向かい、とーむと合流。ジモティーでベッドを手に入れ、トラックで運んでもらった。この日からとーむも一緒に暮らす。帰宅して早々、とーむが「リビングから変な臭いがする」と言い出した。原因を探すと、まだ電源を繋いでいなかったジャングルの冷凍庫が異臭の発生源だと分かった。おそるおそる開けると、解凍された生肉が出てきた。扉を少し開けただけで部屋中に激臭が充満したため、急いでベランダに出し、シャットアウトした。「そうだ、この前カンガルーかなんかの睾丸買ったんだよ」と彼は言った。ジャングルの冷蔵庫は嵐を呼ぶ。

4月2日
同期の杉山が遊びに来た。4人で河原に行きキャッチボールをした。その後、4人ともあまり動きたくなかったのか、バントの練習をした。中学生のような僕ら。

4月3日
とーむとリサイクルショップへ行った。市川で誰か中日ファンを辞めたのか、スポーツコーナーに中日グッズがたくさん置いてあった。中日ファンの意地で少し引き取った。バイト帰りに100円ローソンでカレー煎餅を買った。こっそり風呂で食べた。

4月4日
リビングでジャングルが豊島区役所に電話していた。どうやら本人確認をしていたらしく、「B型です」「みずがめ座です」と答えていた。一瞬、豊島区役所が占いを始めたかと思った。朝飯は、とーむが切ったキャベツを皆でつつく。準備ができるとジャングルがやって来て、ものすごい勢いで馬のように貪り食った。あまりの勢いに僕は箸を止めてキャベツを譲った。この世界では箸を止めたら負けるのだと知った。夜は唐揚げを作った。僕は箸を止めなかった。結局少し余ったからゆっくり食べればよかった。けど、最高に旨かった。

4月5日
バイト後、ジモティーで譲っていただくシャンプーラックを隣駅までいただきに行った。もちろん全員で使うやつだが、無断で1番上の段を自分のシャンプー類で占拠した。そんな悪さをつゆ知らず、ご褒美にとーむが眉毛を整えてくれた。彼は、まだ5日目なのに、「オナニーの回数が減った!」と喜んでいた。

4月6日
バイト中、キッチンからホールへの扉を開けると風圧が凄かった。タラコスパゲティのトッピングの海苔が半分以上吹き飛ぶほどだった。そんな中、キッズメニューを運んだら、風圧でハンバーガーに刺さったアメリカ国旗がバタバタッと靡いた。月面着陸みたいだなと思った。夜は別のバイト先の焼肉屋で、「ご注文はお決まりですか?」と聞いたらすごく迷って、右手が古畑任三郎みたいになりながら「テグタンスープ」と1品目に攻めたサイドメニューを頼んだ客がいた。この2本立てでみんなに話そうと帰宅したら、Wi-Fiどうするかという真面目な話をすることになった。結局、このエピソードトークはお蔵入りになった。

4月7日
朝から晩までバイト。白菜キムチを白菜キャベツって言っちゃうくらい疲れた。シェアハウスを始めて1週間以上たつが、初めて同居人とほぼ喋らない1日を過ごした。

4月8日
起床すると、ちょうど夜勤から帰ってきたジャングルが息を切らしながらコンビニのオムライスおにぎりを箸で食べていた。なんか面白かった。身支度を整え、自転車を飛ばして、ジモティーでホットカーペットをいただきに行った。帰宅して、給料が振り込まれていることに気づいた。貯金残高46円から、見事V字回復を果たした。その後、交通費を浮かすべくバイト先まで10キロ自転車を漕ぎ、帰ってきてからとーむと自分たちのサインを考えた。できあがりをTwitterにあげようとしていたから全力で止めた。初々しい若手芸人っぽいことをたくさんした。

4月9日
午前中、買い出しに行きながら競馬をした。全敗した。買い物カゴから夕飯用の肉をそっと戻した。買い出し担当が僕だと、ギャンブルの結果が食費を左右するとわかった。

4月10日
「市川に引っ越してからマッチングアプリの調子がいい」と言い出し、ジャングルとインストールして始めた。早速マッチして、とりあえず経験豊富なとーむに1通目に送る文章を考えてもらったら、勝手に赤ちゃん言葉で大喜利のお題を送られた。もう1人明らかに業者の人とマッチし、LINEを交換して少し話したが、飽きたのでジャングルにスマホを渡した。すると、誤文をいじって、「サービス内容にフェラチオ、フェラチオと2回書いてありますが、フェラチオは2回してもらえるんですか?」と送られ、僕のスマホの予測変換にフェラチオが刻まれた。誰かにスマホを見られたら、正式名称で検索するタイプだと思われるかもしれないと思った。

4月11日
ライブ終わりに同期と麻雀を打っていたら、1通のLINEが届いた。開いたら写真で、満面の笑みのジャングル、とーむ、たっちゃん(とーむ父)、そして、大きな段ボール2つにぎっしり詰まったカップ麺が写った写っていた。ざっと数えて100個はありそうだ。その瞬間、ありがたさと、不健康な生活が続く予感と、副賞でどん兵衛1年分を貰う気分の3つが頭をよぎった。雀荘で我慢して、帰宅してからカップ麺を食った。

4月12日
先輩芸人たちと草野球があって、3人で参加した。前日に乗る電車を決めていたので、1番に起き、自分の朝食を用意してシャワーを浴びた。浴び終えると、知らぬ間に2本早い電車に乗ることが決まったらしく、置いて行かれた。遅れて1人つり革に掴まるが、切ない。試合はピッチャーをやったが、プレッシャーからイップスになり、乱調した。帰ったら慰めてもらえるかなと思ったが、むしろ軽く責められたので、拗ねてやった。この日、ついに2口コンロを手に入れた。

4月13日
日焼けで体が痛かった。筋肉痛より日焼けが痛いのは予想外だった。とーむが自分の日焼けをTikTokにあげていた。全然バスらなかった。

4月14日
深夜にみんなで筋トレをした。プロテインを飲み干し、上裸のとーむが、窓に映る自分の姿を見て、「サイドチェスト」と言いながらポージングを取っていた。その後ろで、ジャングルは「胸筋ピクピク」と言いながら仁王立ちで胸筋を動かしていた。僕がボディビルの審査員だったら、ジャングルの札を上げていただろう。近所の人に通報される前に、カーテンを買わねばならないと強く思った。

4月15日
Uberのリュックを背負って、隣駅の業務スーパーまで鍋の具材を買い出しに行った。ちゃんこ鍋の素を買ってきたが、濃い味が好きなとーむとジャングルが好き勝手調味料を足し、もはや何鍋かわからなくなった。食後、夜通しポーカーをして遊んだ。「明後日の洗い物、譲渡だ」と言いながら可愛すぎる罰ゲームを擦り付け合っていたら、朝5時になった。同居人のギャンブルシャブ漬け戦略に成功した。

4月16日
とーむとジャングルはよく屁をこく。2人が連続してこくと、「ごしゅんの聞いたことないよね」「あいつおならしたことないねん」「そうなの?!」「てか、おならって言葉を知らなかったはず」と僕を不思議ちゃんアイドルに仕立ててイジるくだりが始まる。多数決の原理でなぜかこかない僕がイジられる。今日、2人より先に寝室に向かったら、リビングから屁が2発聞こえ、次いで「あいつおならって言葉知らないねん」と聞こえた。僕がいない場でもこのくだりが行われているのかと恐ろしくなった。ベッドから一発ツッコミを入れて寝た。

4月17日
奄美大島から帰還したたっちゃん(とーむ父)が、お土産に伊勢海老や生きたままのアオリイカを持ってきてくれた。シェアハウスを始めてから、たっちゃんにはお世話になりっぱなしである。夜は寿司パーティーを開いた。食後、一昨日のポーカーで明後日の洗い物を譲渡されていたとーむは膨大な洗い物を前に悔しがっていた。

4月18日
暇だったので、昼飯を作るのにとーむの中華鍋を借りた。初めての中華鍋で何を作ろうか思案したが、そういえば中華料理のレシピをほとんど知らないので親子丼を作った。罪なきニワトリ親子が熱々の中華鍋の上で踊っていた。

4月19日
目が覚めると、ジャングルがリビングでNSC27期のライブ動画を見ていた。自分のコンビの漫才が聴こえてきたので、ドアの隙間からこっそりリアクションを伺っていたら、無表情のまま2分間が過ぎた。そっと布団に戻って二度寝をした。

4月20日
とーむと銭湯に行った。帰り際に、入り口でおじいちゃんがうんこを漏らしていた。隅っこに避けると、おじいちゃんは自らの過ちを桶で隅の方に流し始めた。何往復もしてお湯を汲んで、流していた。うんこがどんどん近づいてきた。さっぱり気分はどこかへ消え去った。うんこが足下まで近づいてきた。波打ち際で靴が濡れないギリギリに立ってるみたいにうんこを回避した。青春じゃなく、壮年を感じた。

4月21日
バイト帰り、100円ローソンに寄ったらとーむとジャングルに遭遇した。2人で長ネギ1本だけを買いに来ていた。帰宅して、伊勢海老の味噌汁を飲んだ。正直、刺身より断然美味い思った。

4月22日
バイト先にとーむを連れて行った。身分証をコピーするのに隣のコンビニへ行った。とーむがおもむろに自分の顔をスキャンし始め、なにが不満なのか、撮り直しまでしていた。本当にやめて欲しいと思った。酔っ払って帰宅すると、同期の窪田がいた。そこでの感想は特にない。

4月23日
大学の恩師がシェアハウスしている家でパーティーがあり、招待していただいた。長机に座る形で、前の席に座っていた超絶美人のメキシコ人が「好きなタイプは面白い人」と言った。ドキッとした。隣に座っていたインド人が冗談交じりに相方にしてくれと志願してきた。うまくツッコめなかった。パーティーがお開きになり、ブラジル人4人と夜更けまでUNOやボードゲームをして遊んだ。「UNOって言ってない」は世界共通だった。

4月24日
ウォーターサーバーの店舗販売のバイトに行った。ティッシュやラップを景品に呼び込みを行ったが成果はなく、痺れを切らした社員さんが「クルクルクレラップ」と歌い始めた。「クレラップの宣伝いいですわ」とツッコミを入れたら、入口からおかっぱの女の子が走ってきて、その場のクレラップの宣伝度が増した。

4月25日
2時間ほど半身浴した。前半は読書して、後半は歌っていた。最後にコブクロのYellを歌い切ると、とーむがリビングから拍手しているのが聴こえた。気持ち良くなって「ありがとう!」と叫んだら笑い声が聞こえた。

4月26日
同期が3人遊びに来て麻雀をした。家が賑やかになった。皆帰るとなんだか寂しくて、電気代が高すぎるという些細な話題から家事や私生活のことで喧嘩になった。今まで気にもしなかったが、「俺はラグビーボールを部屋にしまってるのに、ジャングルがバットを玄関に置くのはなんでなんだ」というとーむの主張に納得してしまった。他にもいろいろ言い合ったが、プロレスが好きな巨漢ジャングルとボクシングで全国大会に行ったとーむと、メガネの僕が喧嘩するのは階級とハンデがあまりにも違う思った。

4月27日
ジャングルがジモティーで貰ってきたマッサージ機がベトベトだったので、キッチンハイターを買ってきて掃除した。小一時間拭き続け、スベスベになった。何も作っていないのに、DIYをした気分になった。ついでに自転車の錆を取っていたら、とーむが油を差してくれると言った。頼むと、チェーンにサラダ油を差された。ごま油じゃなくてよかった。

4月28日
近くのラーメン屋がオープン記念で安いから一緒に行こうと誘ったら、2人ともバイトがあると断られた。バイトなんてなくなればいいのにと思った。結局、1人で行って、並んで食べた。2回目はいいやと思う味だった。

4月29日
1ヶ月半ぶりに家族のLINEグループが更新された。送られてきたのは、約17年乗った日産セレナとのお別れを偲ぶ写真とコメントだった。2時間後、「こんにちは、ロッキー😊」と添えて、新車を買った喜びの写真が届いた。あまりの切り替えの速さに笑ってしまったが、メリー号を失ったときのウソップの気持ちが少しわかった。

4月30日
とーむがバイト先から7kg相当の玉ねぎの端材を持ち帰ってきた。最近は野菜が高騰してるのでありがたいが、いくらなんでも多すぎると思った。ジャングルが「あんま辛くないな」と言いながら、生のままポテチみたいに食い始めた。アホの食い方だと思った。もちろん食い切れるはずがなく、「玉ねぎ切り過ぎちゃったんですけど、よかったらどうぞ」とお隣さんにお裾分けしようか本気で悩んでいる。



濃い1カ月だった~~!!
最近好きな言葉があって、
「WORK HARD, PLAY HARD」ってやつなんですけど、
まあ当たり前で、
しっかりするとこしっかりして、
あとは忙しく遊べよってことなんです。
寝る間も惜しいくらい楽しいこの生活が
将来の芸の糧になると信じて、今月も楽しく生きます。
それでは、日記の続きをお楽しみに。

5月某日 ごしゅん


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