見出し画像

親の介護と自分のキャリア

40代後半から50代になると親の介護問題が
次第に大きくなってきます。

ライフ・キャリア全体を俯瞰すると、例えば、
20代で就職~専門性や自身のキャリアを確立。

30代で仕事では管理職に、
プライベートでは家庭を持つようになって、
40代は仕事がとても充実or転機が生じ、
でも、家庭では子育てが真っ盛りで、
公私ともども非常に多忙になっていきます。

そして、子育てが大変な時期、あるいは、
やっと落ち着いたと思いきや、
そこで生じてくる親の介護問題。。。
いや、ほんと大人の人生って大変です。

40代、50代で生じる親の介護問題

40代って、とても忙しい時期ですよね。
仕事では責任を負っていて非常に忙しく、
中にはつらい思いを抱えながら踏ん張っていて、
お子さんがいる方は子育ての問題も大変で、
あっという間に年月が過ぎていく感じです。

そんな時に、突如生じる親の介護問題。

自分に余裕がない中で加わってくる大問題に、
しっかりと考える時間も余裕も無いのですが、
これは自分のキャリアに大きな影響を与える問題です。

私も過去にこの問題を抱えたキャリア相談や、
社員の方々、友人の事例を沢山見ています。
何よりも自分も40代でこの問題の入り口にいます。

その為に、色々なアドバイスをお聞きして、
いくつものキャリア事例を見ていますので、
少しシェアしたいと思います。

やってはいけない3つのこと

親の介護問題と自分のキャリアを考える時に、
やってはいけない3大NGがあります。

その1:老後問題を親や兄弟と話し合わない

自分達の仕事や家庭のことなどで忙しく、
親の老後問題なんて考えが及ばないかもしれません。

しかし、突如親が一人になったり、
怪我を機に急に老いてしまったりして、
突如、老後の生活や介護が生じることがあります。
それで苦労している人は多いです。

そんな友人が言っていたアドバイスは、
「両親が元気なうちに老後について話し合え」
とのことです。

親が片方だけになってしまうと、
老後のことを考える気力も失せてしまいがち。
でも、二人が元気にそろっていると、
老後に入る施設をどんなところがいいか
夫婦で考えたり探したりすることが出来ます。

また、親が老いてしっかり考えられなくなると
相続のこともいい加減になったりして
残された者たちの間でもめることもあります。

両親や兄弟など関係者でしっかりと話し合っておく
ことが必要です。

その2:親を地元から引き取る

東京圏内に住んでいる人々が、
地元にしか住んだことのない親を引き取る
ということはあかんそうです。
慣れない環境で親は寿命を縮めてしまいます。
更には、自分達が最後まで面倒を見る余裕が
無いとしたら、両者ともに不幸になります。

私の母が先輩女性から頂いたアドバイスは、
「息子(特に次男)は心優しいから、
うちにおいでって言うんやけど、あかんで。
肩身の狭い思いするか、大抵の場合は、
大変になったら投げ出されてしもてるでぇ。」
とのこと。

確かに、子供は親への責任や愛情を持っているので、
安請負をしてしまいがちです。
親が元気なうちの世話のことだけを考えてしまって、
介護が必要になった時や、
認知症が始まった時に、
どれだけのサポートが必要になるのか、
ということをリアルに想像せずに、
引き取ることを軽く考えてしまうという
落とし穴がありますね。

世話をすることになる子供の立場では、
自分はどこまでの世話なら出来るのか、
自分達のキャパを把握して(夫婦で話し合い)、
それを踏まえた親の老後生活スタイルを
話し合っておくべきでしょう。
自戒の念を込めてw

その3:介護の為に仕事を辞める

急に生じた親の介護問題で、
介護離職をする人やそれを考える人がいますが、
これはお勧め出来ません。

介護は長期戦ですので収入が途絶えて
貯金を切り崩し続けていては経済的に持たなく
なることは重々承知だと思います。

加えて、キャリアの観点から述べておくと、
40代や50代などで正社員の仕事を辞めて、
落ち着いたら就職しようと思っても、
満足できる給料の正社員の就職は難しいです。

甘く見ない方が良いです。

将来的には、自分の老後もある訳ですから、
自身の経済問題は重要です。

生活全体を俯瞰してキャリアを考える

ミッド・キャリアに入ると
自身のキャリアを考える為には、
自分のやりがいや能力だけでなくて、
家庭や家族のことなど考慮すべきことが増えますね。

自分達がやるべきこと全体を考えると、
給料を稼ぐ仕事だけでなく、
育児や家事、親の世話などに責任を負う
ことになります。

加えて地域でのボランティア的な役割なども
担っている人たちもいるでしょう。

仕事、家庭、親、地域、趣味など自分が担っている
それぞれの役割で何かを引き受ける時には、
引き受けた場合の仕事をはじめとした
他の役割への影響を考えましょう。

その上で、どこまでならやれるのか、
現実的に考えて判断することをお勧めします。

(2021年8月23日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
プロフィール
参考ツール(無料):タイプ分け診断



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?