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転職で自分に合う職場環境や社風はどうやって見つけるのか?~カルチャー・フィットを見極める方法~

転職で仕事を選ぶ時のポイントは、
仕事内容や報酬とともにカルチャー・フィットも
大切ですよね。

その会社の社風や職場の雰囲気、環境に
自分が合うのかどうか。
気になるところです。

皆さんは転職活動をするとしたら、
自分と応募先とのカルチャー・フィットを
どのように見極めるでしょうか?

直感でカルチャー・フィットを見極める?

応募先とのカルチャー・フィットを
どう見極めるのか。
多くの人々は、なんとなく直感で
合いそう、合わなさそう、
と判断しているのではないでしょうか?

その直感が当たることも多いかも知れませんが、
表面的な職場の雰囲気は合ってそうでも、
一段掘ったところで合うのかどうかは分かりません。
例えば、
仕事の作業を伴う考え方や組織の"しきたり"
など踏み込んだところまでフィットしているか
どうかは直感だけでは分からない部分も多いです。

タイプ分けの分類を活用

そこで科学的に検討する為の方法を
1つ紹介します。

有名なホランドの6つのパーソナリティ・タイプ
の分類を活用します。

6つのパーソナリティ・タイプとは、
現実的・研究的・芸術的・社会的・企業的・慣習的
という6タイプです。
それぞれのタイプを簡単に説明すると下記の通りです。

***
現実的タイプ:
明確で秩序立っていて体系化されたことを好む。
実利志向で具体的で形あることに価値をおく。
(自分の利益に繋がらないこと、教育やケア、
規則からのズレを大目にみることは好まない)
自分の価値観や信念を貫く。
(価値観の異なる人を避ける)

研究的タイプ:
現象を科学的に研究する活動を好む。
(説得や社会的な活動、反復的な活動は好まない)
自己決定できること、知的で論理的といった
特性に価値を置く。
(それ以外の目標や価値はあまり重要と考えない)

芸術的タイプ:
あいまいで自由で体系化されていない活動を好む。
(具体的、体系化、秩序だった活動は好まない)
自己表現やクリエイティブであることが大切。
(決まったやり方でミスなく作業することはストレス)

社会的タイプ:
他者に影響を与える情報伝達や
トレーニング、教育、ケアなどを好む。
(具体的、体系化、秩序だった活動は好まない)
他者の為に役立ちたい。
(理詰め、刺激的なことは好まない)

企業的タイプ:
組織目標の達成、利益を目的とした交渉を伴う
活動を好む。
(体系化された活動は好まない)
自由、他者をコントロールすることを好む
(他者から管理されることは好まない)

慣習的タイプ:
自分が望む業務に専念できる仕事が好きで、
ルールに従って秩序的に進める活動を好む。
(とっさの判断や臨機応変に対応することが
求められる活動は好まない)
自分と同様の価値観や興味を持つ人と上手く
交流することが出来る。
(価値観や興味が異なる人は避ける)
***

6つのパーソナリティ・タイプは以上です。

まず自分のタイプがどのタイプなのか?
考えましょう。

VPIなどの診断を実施するのがベストですが、
簡易的なものは私が作った無料アセスメントがあります。

タイプ分け診断
(ただし、分かりやすくする為に、
「現実的」「研究的」…という語句は使わず
近い意味の言葉で表現しています)

職場の環境はどのタイプか?

次に、入社を検討している会社、職場の
カルチャーはどのタイプなのかを検討します。

仕事内容はどの特性が求められるのか、
そこで働く人々の特性はどのタイプが多いか。
面接などを通じて見極めていきましょう。

業種や職種によって大まかな傾向があるので
この会社のこの部署は「社会的タイプ」の環境
ではないだろうか?…と仮説を持って観察します。

例えば、介護施設で入居者の方々のケアをする
仕事の場合は、社会的タイプだと推測出来ますね。
そうすると、そこで働く人々に多い特性は
次のようなもののはずです。

***
信頼できる、思いやりがある、共感的である、
協力的、機転がきく、忍耐強い、温厚、親切
***

同様に、営業チームであれば「企業的タイプ」の
環境だと考えられます。
そうすると、下記のイメージでしょう。

***
積極的、行動的、情熱的、強気、
主張が強い、自己顕示欲が強い、自信がある
***

このような視点で職場環境を分析して、
その会社のカルチャー、職場のカルチャーが
どのタイプなのか、推測していきます。

この時、上記の6タイプの類似性を現した
ホランドの6角形モデルが役立ちます。

「ホランドの職業選択理論」P.56より引用

職場環境のタイプが自分のパーソナリティ・タイプと
一致していたらカルチャー・フィットする可能性が高いです。

そして、一致していなくても上記の6角形を参照して、
隣のタイプであれば似ているので違和感は少ないです。

一方で、6角形の対極にあるタイプの場合は、
自分とは合わないと考えられます。

例:
現実的タイプ⇔社会的タイプ
研究的タイプ⇔企業的タイプ
芸術的タイプ⇔慣習的タイプ

自分の特性とフィットする環境を選ぶ

転職先の会社や部署とのカルチャー・フィットを
見極める為の方法として、
単に面接であった人々や会社に訪問した時に見た
職場のなんとなくの印象だけで合う合わない
ということを判断するのでは、
その時その場での表面的な印象だけで決める
ことになってしまいます。
見えていないこともとても多いはずです。

ですから、今回のコラムでご紹介したような
タイプ別の特性を踏まえた視点で観察して、
見極めていくことがお勧めです。

そうすれば表面をなぞるだけの観察でなく、
もう一段深く相手を知ることが出来て、
入社後のミスマッチも減ると思います。

(2023年2月13日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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