どれだけ稼いで、何を手に入れたいのか。どんな貢献をしたいのか？

10年後に成功している自分を想像してみると
どんな姿をイメージ出来るでしょうか？

どんな仕事を誰とどこでしているのか、
どんな家に住んでどう暮らしているのか、
休日は何をやって楽しんでいるのか、
友人はあなたをどんな人だと言っているのか、
そして、自分はどんな感情を抱いているのか。

10年後にタイムスリップした気分で、
未来の自分をリアルに想像してみましょう。
そして見えてきた姿をノートにでも
書き出してみると自分のビジョンが見えてくる
かも知れません。
それにワクワクして楽しいです。

どれだけ稼いでいるのか

さて、いきなり生々しいですけれども、
10年後に成功した自分は、
お金についてはどれだけ稼いでいるでしょうか？
年収1000万円や2000万円？
もっと稼いで5000万円？1億円？
あるいは大きな資産を築いて労働者から
資産家に立場が変わっているかも知れませんね。

この際、常識的な制約は括弧に入れておいて
理想的な収入の水準を遠慮なく述べて下さい。
どうせ誰も聞いていません。

で、それがあれば自分にとって何が変わるでしょうか？

仕事も人生もお金が全てではありませんが、
お金があれば助かることも多いですし、
少なくとも便利にはなりますよね。
何か、あいだみつおの言葉でそんな詩が
あったような気がします。

何を手に入れているのか

10年後に成功したあなたが獲得しているものは
何でしょうか？

お金は既に考えましたから、
それ以外の有形無形のもので考えてみましょう。

ある営業マネージャーのAさんにお聞きした時に
仰っていたものは下記でした。
少々ユニークですけど（笑）

～営業マネージャーAさんが手に入れたいもの～

・自分のことを理解してくれている仕事仲間。
・「あいつは凄い」と尊敬されている実感。
・庭に錦鯉が泳ぐ池のある一軒家。
・ジャグジー付きの別荘。
・温水ウオッシュレット付きのトイレ。
・足が延ばせる浴槽のお風呂。

ウオッシュレット付きのトイレなんて、
今すぐにでも実現出来そうなことでしたが、
ご本人にとっては成功者が持つ象徴的な
贅沢品とのことでしたｗ

どんな貢献をしたいのか

10年後に成功したら手に入れたいものとして
お金と有形無形のモノや事柄を挙げましたが、
人ってそれだけでは満足出来ないのです。

私が大学生の頃に憧れていた元金メダリストの
マッチョなおじさんが言っていました。

「金メダルとっても心は満たされなかった。
手に入れたいと必死に頑張ってきたけど、
いざ手に入れらそんなもんかと。
俺は何の為に生を受けたのか。
何のために生きるのか」
と悩んだとのこと。

で、人の為に生きようと思ったそうです。

その後、元不良の社会復帰や
正業で生きていけるようにする為の
支援に取り組む様になりました。

そして、そう生きるようになってから、
幸せを実感できる様になったとのこと。

要するに、手に入れたい、達成したいという
気持ちを満たしても心は満たされず、
他者に貢献し始めると幸福感が得られたとのことです。

大切なのはギブ＆テイクのバランス

つい先日20年来の付き合いの
アメリカ人の親友が言っていました。
「大事なのはね、ギブとテイクのバランスだよ」と。

テイクだけだと自分の心を満たすことが出来ないし、
テイクばかり望む人とは友達にはなりたくないです。

ギブ、誰かの役に立っていると幸せです。
私がキャリアコンサルタントとして求職者に
転職理由を聞くと「日本経済に貢献したい」
という様な発言や気持ちを頻繁にお聞きします。
貢献の実感は人にとって自然な感情で、
心にとって大事なのでしょう。

ただし、ギブばかりだと自分が辛くなって
不健康です。
「隣人を愛せ」という西洋の格言には
その前に「あなたが自分を愛すように」
という前置きがあります。

まず自分を大事にして、
そして、同じように他人にも思いやりを持つ
ということですね。
つまり、ギブ＆テイクのバランスが大事です。

自分にとっての成功とは何か？

自分のビジョンを描き、
パーパスを設定する時には、
得たいもの（Take）だけではなく、
貢献したいこと（Give）も考えることが
最終的には自分が腹落ちする成功を
得られるのだと思います。

さて、上述の営業マネージャーＡさんは、
温水ウオッシュレット付きのトイレを
手に入れることが出来たのでしょうか（笑）？

…手に入れたそうです！

で、幸せを感じる時は、
それを使用する時ではなくて、
週末にそれを掃除する時なのだそうです。
これも小さなギブ＆テイクでしょうかねｗ

（2022年10月3日）
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士