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<21>自分の強みを見つける方法:スキルやリソースの棚卸

誰しも他の人にはない強みを持っています。誰でも100人の中で1番になれる強みを持っていると先週のコラムで書きました。100人どころか、1000人や1万人の中で1番になれる強みがあるはずです。

自分の強みを理解することは、仕事で卓越した成果をあげることに繋がります。そして、何よりも自分が働きがいを持てる仕事を見つける為に自らの強みを理解することが必要です。


強みを構成する4要素

ただ、漠然と強みと聞いてもイメージをしづらいかも知れませんね。強みとは何か、もう少しブレークダウンして強みを構成する主な要素に分けて考えるとわかりやすいです。

強みを構成する主な要素とは、キャリアデザインの観点では主にスキル、人間性、保有する資源などでしょう。よって、それらを基に強みのカテゴリーとしては、①ハードスキル②ソフトスキル③性格や身体面の特長、④保有する資源の4領域に分けて分析すると良いと思います。それぞれ簡単に説明します。

ハードスキル

まず、①ハードスキルとは、主に理論や手法などの体系化されたスキルや知識で実務を遂行する為に必要な技能です。例えば、財務会計、法律、人事・労務、マーケティング、IT、統計解析、リサーチ、自然科学や社会科学の専門知識、英語をはじめとした外国語能力、ビジネスソフトウェアを使いこなすスキルなどです。

ソフトスキル

次に、②ソフトスキルは、ヒューマンスキルとも言い換えられます。人それぞれが持っている特性を鍛えて引き上げた能力です。例えば、コミュニケーション能力、リーダーシップ、論理的思考力、プレゼンテーション能力、チームワーク能力、適応能力、などです。仕事は人と関わり人と協力することが必要ですから、同じハードスキルを持っている人でも、これらの能力が高い方が仕事の成果を上げやすいでしょうし、更には周囲の人々も一緒に働きやすいです。

性格面や身体面の特長

そして、③性格面や身体面の特長は、ソフトスキルと一部で重複する領域かも知れませんが、スキルと言うほどではないけれど自分の特長で強みとも言えるかなぁ…と判断がつきにくいものはここに入れておくと良いでしょう。例えば、明るくオープンな性格、我慢強さ、やさしさ、面白い、体力、華がある、誠実な印象などなど性格や身体の強みです。
その人ならではの個性とか人間的な魅力、雰囲気などは、仕事に直接的に使えるものではないものの、結果として仕事にプラスの影響を与えることもあります。

保有する資源

最後に、保有する資源とは、クライアントとのネットワーク、信頼出来る人々との人脈、地縁、保有する金融資産、学歴、ファーストキャリアの会社名(社会人1社目のブランドイメージ)などです。

スキルを習熟度でレベル分けする

そして、ハードスキルとソフトスキルについては、自分の習熟度でレベル分けして整理しておくことがお勧めです。

既に自分の強みのレベルに到達しているスキルを棚卸しておくだけでなく、これから強みのレベルに伸ばしたいスキルもリストアップしておくのです。

強みとまでは言えないけれど、興味があるスキルや得意に出来そうなスキルもあると思います。例えば、「人並み程度には習得出来ている位の標準レベル」だけど強みに引き上げたいスキルや「学び始めたばかりのスキルで興味を持ち始めた入門レベル」だけど強みへ伸ばしていきたいスキルなどです。入門レベルでは他に、強みの棚卸をする過程で気づいた興味あるスキルもあるでしょう。

この様にして、強みレベル標準レベル入門レベルと言うように習熟度に分けて棚卸をすることは、スキルアップや自己成長の観点での今後の方針を考える上で役立ちます。

興味がなく、苦手なスキルをどうするか

因みに、どうしても苦手で、且つ、興味を持てないスキルは誰でも幾つかあると思います。私の場合は、細かい事務作業です。何回やっても間違うし、ものすごくストレスで苦痛です。それであれば知らない人と連続100人と話す方が100倍楽です。

自分のキャリアデザインを考える上では、自分がどうしても苦手で興味すらも持てないスキルは、無理に強みのレベルに引き上げようとしても時間と労力の大いなる無駄です。これらは仕事や生活上で支障が無い程度に整えるか、失敗をしない様に対策をしておくことで十分です。それだけやれば、後は強みを伸ばすことに注力しましょう。

強みの棚卸をしよう(ワークシート有り)

それでは、皆様もぜひ自分の強みを理解する為に、上述した4つの強み(ハードスキル、ソフトスキル、性格や身体面の特長、保有する資源)の棚卸に取り組みましょう。

以下に「強みの棚卸」のワークシートを掲載しておきますので、宜しければご活用下さい。

上記の添付したワークシートのファイルについて少し説明します。

ワークシートの1つ目の質問であるA(強みのスキル・人間性・資源の棚卸)に答えると今の自分の強みが明確になります。

2つ目のB(標準レベルから強みに引き上げたいスキル)を考えて答えを書き出せば、これから磨いていきたいスキル・能力が具体的になります。

C(これから身につけたいスキルや資源)は気になっていたけど身につけられていなかったことや出来ないことすら知らなかった新しいスキル・能力です。

こうして強みの棚卸を行うと、まず今の自分が持っている他の誰にも負けない強みや特長が明確になります。加えて、自分の強みである質問Aの回答、人並みレベルから強みに引き上げたいBの回答、これから習得したい入門レベルのCの回答と習熟度別にA、B、Cと3段階でスキルを書き出して分類しました。

この強みの棚卸によって、スキル・能力という軸でこれから自分が追求していく方向性が見えてきます。Aは引き続き自分を他者と差別化する特長として磨き続けて、BのスキルはAへ格上げ出来る様にスキルアップに取組み、CはまずBレベル(人並みに出来る標準レベル)に引き上げるべく学んでいきます。このように習熟度レベル毎に棚卸をすると、スキル・能力を高める方針がはっきりとします。

そして、何よりも「自分はどのスキルや資源を強みとして勝負していくのか?」「その強みを活かせる仕事は何か?」とこれからのキャリア戦略を具体的に考えることが出来ます。
是非取り組んでみて下さい。

(2024年2月13日/18日追記)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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