2015.02.18 “トヨエツの舐め舐め喫茶”運営について

時を遡ること4日前、
私とエリちゃんはトーホーシネマズの前で絶句していた。

『バレンタインはベイマックスを観てほっこりまったりしよう!(世間のカップルの事なんか忘れて)』

と固く誓い合ってから数晩、
あまりの楽しみさに見るもの全てが
白くて餅のようなベイマックスと化していた私の脳内は、
目の前に表示された
“ベイマックス(吹き替え版・字幕版)本日分終了”
という残虐な文字の羅列にメッタメタにされ涙も出ない、
という状況であった。

12時に行ったのに19時の回がすでにソールドアウトだなんて…
おのれバレンタインっ!なめとんのかバレンタインっ!なんやねんバレンタインっ!結局そうなんか!今日はカップルの日やっちゅうことなんか!
アラサー独女は観たらあかんのか!観せろお!観せんかこらあーーー!!!
もう立ち見だっていい、なんなら脱いだっていい、観せろ!
観せやがれてめえ!え!ヤんのかこら!ていうかヤらせろやこらあぁぁ!

と自暴自棄になった私たちは、

『と、とりあえず落ち着こうか』

ということになり、近くにあった“人間関係”という名前の、
ネーミングセンスが割とカオスでドラマティックなカフェに入ってお茶をした。
忘れかけていた何かを思い出させ、
人間関係の本当の大切さみたいなものに気付かされるのかな、
とか思っていたけど普通だった、普通にカフェ、普通のコーヒーだった。
ま、そんなもんだよな人間関係。

エリ『でさ、どうする?場所変える?新宿とか池袋にする?』
やん「だね~…。ってこれ見て!新宿も完売なんだけど!」
エリ『え!まじでもうないの?ありえないんだけど!』
やん「池袋か~池袋ね~なんかね~ちょっと遠いんだよね~」
エリ『ん~じゃあもうベイマックスじゃなくて違うの観る~?』
やん「だな~んだな~しゃ~ないよな~…」

で、観ることになったのが【甥の一生】という映画。
マンガが原作で、主演は榮倉奈々ちゃんとトヨエツ。
ざっくり言うとオジサマのトヨエツと若い奈々ちゃんが恋に落ちる年の差ロマンス、
的な話で、私はすでに原作を読んでいるのでそこまでのワクワクはなかったけれど、
まぁあれやな、バレンタインやしトキメキ大事やんな、トキメモトキメモ…
という発想に至って早速チケットを購入、
しかし観ると決めたからには、
ベイマックスモードだった脳内をトヨエツモードにせねばならず、
私とエリちゃんは食べながらトヨエツ、
歩きながらトヨエツ、ショッピングしながらトヨエツ、
電車、道路、交差点、女子便の前でもトヨエツについてのあれこれを話し、
ぐんぐんとボルテージをあげていった。

が、鑑賞後。

『はしょりすぎて意味分かんなかった、とりあえずトヨエツ出てた』

というエリちゃんの痛恨のレビューでもってあっさりと幕を閉じた【甥の一生】。
たしかに原作読んでないと分かんない部分あるよな~と同情しつつ、
そうは言ってもトヨエツが奈々ちゃんの○○を舐めまくるシーン(←劇場でご覧下さい)は良かった、
そういうサービスのお店があったらぜひとも通いたい、
でもトヨエツにされないと意味がないのでそうなると、
一体何人のトヨエツが必要になるのか、
5人じゃ回らんよな…10人か…いや…とかなんとか考えていたら、
そもそもトヨエツはこの世に一人、そもそもが無理やろそんなん、
そんなトヨエツ、なんなんトヨエツ、トヨエツなんなん…
と意味不明な事を口走っている自分にハッとし、
きっと私はこんな妄想をして誤魔化さないと、
この映画を観た事を激しく後悔してしまうんだろうな…
と冷静に悲しくなった。

『近々ベイマックス観ようね』と言ってエリちゃんと別れた後も、
しばらく“トヨエツの舐め舐め喫茶”運営について思いを巡らせていた。

観て…良かったんだと思う。

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