Nightsnap × GRⅢx
GRⅢxはコンパクトながらAPS-Cのセンサーを積んでいるカメラだ。またISO, F値, シャッタースピードといったパラメータを調整できるため、本格的な撮影ができる点が魅力的だ。
と…ここまでは写真を撮っている人なら知っている情報だろう。手のひらサイズの筐体であるGRⅢxならば、瞬時にポケットから取り出し写真を撮ることができる。自分の中ではひみつ道具のような立ち位置のカメラで重宝しているのだが、悩みもあった。
悩みと葛藤
GRⅢxに対する悩みは夜の撮影に弱いことだった。
コンパクトな筐体にAPS-Cを積んでくれているだけで感謝であるし、APS-Cセンサーの時点で暗所に弱いため、そもそも文句を言っても仕方ないことなのだ。しかし、昼間に関して言えば自由自在に写真を撮ることができてしまうため、夜も同様に撮りたくなってしまう。
GRⅢxで撮った時にノイズが気になり始めるのがISO1600くらいからだと個人的には思っている。
夜でも明かりがある場所で撮れば、ISO800くらいで収まるため撮れるといえば撮れる。
しかし明かりが少ないところでも撮りたいとなるとノイズの発生は致し方なくなる。夜であろうとできるだけシャープに写したいと思う反面ノイズも気にしなければならない…という、GRⅢxでの夜の撮影に対する葛藤があった。
Nightsnap × GRⅢx
GRⅢxを購入してから9ヶ月間悩み続けていたが、本当につい先週、悩みを打開する転機があった。
その日は珍しく夜のスナップもGRⅢxで撮影。
ISOは2000〜3200で設定していて、後で見たら使い物にならないデータなのでは?と思っていた。
しかし、以下のようなレタッチをしたところ満足いく写真となった。
ざらつきさえも楽しむ
シャープな作風は最初から諦め、粒子を乗せたフィルムライクな印象にした。
かつても同様のレタッチをGRⅢxで試したことがあったが、今回はシャドウ部に対し深い青を基調としたテイストにすることで「ざらつき」さえも楽しめる作風にした。
ちなみに上の写真でISO2000である。
これまでなら絶対に使わない感度だった。
ISO2000〜3200で撮影した写真をさらに数枚載せてみる。
最後に
シャープで解像度の高い写真が好きな自分にとって、ノイズ=悪でしかなかった。
また、ノイズを粒子代わりに使うというのは聞いたことのある話だったし、試したことがあったがうまくいかなかった。
一方で今回のようにシャドウ部にあえて特定の色を合わせたレタッチにすることでノイズすらも楽しめる写真を作り出すことができたのは非常に良かった。
昼と夜を以下のように使い分けすることになるので、今後魅力がさらに増すと思う。
大画面で見たり、引き伸ばしてプリントしたりすると実用性があるのかは分からない。しかし、スマホやノートPCで見る限りは満足できるテイストには仕上がっている。
GRⅢxが本来苦手である部分を生かせるというのは強みになると思う。
コンパクトで気軽に撮れるカメラなので、自由度が高く、想像を形にしやすくなるため今後の作風に大きく関わってきそうな感じがしている。
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