まほうをかけられた舌(他4作収録)を読み終えて
かねてから確かめたかった、昔読んだ記憶のある「まほうをかけられた舌」は、記憶していたストーリーとの答え合わせでもあり、初めて読む作品のような感覚もあり、楽しいひとときでした。
だいたいのストーリーの記憶はあっていたけれど、読み始めから、こんな文章だったっけ?と、もう印象が異なります。なぜかわかりませんが、小人は、ねずみだったと記憶がすりかわっていたので、本を探すときから、これはだいぶ記憶違いがあるかも、とは思ていましたが。
主人公の名前や話の細かい点、描写、サンドウィッチのくだりは覚えていませんでした。それと、挿絵の記憶がほとんどなかったこともわかりました。
何十年も時を経て、再びこの作品を読めたのはとても嬉しく、改めて読んでみて、更にこの作品に魅力を感じました。
今回読んだフォア文庫愛蔵版(1994年1月発行)には、他に以下の4作収録されていました。
青い花
コロッケが五十二
ライラック通りのぼうし屋
海からのおくりもの
「ライラック通りの帽子屋」では、結局ひつじのお願いを無視した形になってしまい、仲間にぼうしを渡すことができなかったことは、いったいどうなった?帽子を買った人たちはどうなった?というところが気になったり「コロッケ五十二」では『ころがったコロッケはスタッフが後でおいしくいただきました』というわけにはいかないだろうに、もったいない。
とかいうことを、つい考えてしまいましたが、そこは触れないものとして、「青い花」や「ライラック通りのぼうし屋」は大人が考えさせられるような作品で、不思議なファンタジー作品でありながら、風刺のようなものが込められていると思いました。
ちょっとだけ難点なのは、(児童書なので)ひらがなが多く読みづらい点でした。大人向けに編集されたバージョンがあるといいかもしれません。
今回の読書がきっかけで、安房直子さんという作家のことを知ることができ、探していた作品以外の作品に触れ、魅力を知ることができてよかったです。
児童書にも興味が湧きました。また機会があったら読んでみようかと思います。
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ちなみに、装丁についてこんな記述がありました。
(※装丁は、著作権に触れるかわからないので掲載しないことにしました。)
又吉さんが語っていた、紙の本の楽しみ方を思い出しました。
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