山桜あん

母。

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最近の記事

日光の社寺

日光山内にある2社1寺、二荒山神社・東照宮・輪王寺は、卓越した才能をもつ芸術家たちによって作られた作品であること、また周囲の自然との調和が日本古来の神道思想を顕著にあらわすものとして、世界文化遺産に登録されました。 また、徳川家康を祀る東照宮および家光の霊廟である大猷院の建築が「権現造り」の完成形として、全国の霊廟および神社建築に影響を与えたことも高く評価されました。 東照宮 飛鳥文化の法隆寺から始まり、白鳳・天平・国風・鎌倉・室町・桃山の建造物を観てきた息子、日光の山

    • 平成子育て記 2

      片時も離れずにいた息子が、少しずつ試行錯誤していく様子を心配したり目を細めたりしながら見守る日々。本当に愛おしい宝物のような時間が、生涯に渡り自分を支え続けてくれることを今実感しています。 我が子が元気で笑っていてくれること、それが母にとっていちばんの幸せ。

      • 屋久島

        1993年、白神山地と共に日本初の世界自然遺産に登録された屋久島は、日本で唯一「ひときわ優れた自然美や美的重要性を持つ、類まれな自然現象や地域」という登録基準(ⅶ)を満たしています。 東京23区くらいの大きさの丸い形の島の中に、標高1800mを超える山々があり、1000m以上の山も40座以上あるため、その標高差から、植物が垂直に日本列島の南から北を網羅するように分布しています(海岸付近ではガジュマル、高地ではシャクナゲを見ることができます)。 縄文杉 樹齢1000年以上

        • 姫路城

          日本が世界遺産条約を締結した翌年の1993年、国内に4つの世界遺産が誕生。 【法隆寺地域の仏教建造物群】と【姫路城】が文化遺産として、【白神山地】と【屋久島】が自然遺産として人類の宝物になりました。 2024年8月現在、日本の世界遺産は26件ですが、登録基準( ⅰ )「人類の創造的資質を示す傑作」を満たしているものは5件にとどまっています。 日本初の世界文化遺産である法隆寺/法起寺と姫路城、どちらも登録基準( ⅰ )をクリアしての登録は流石です。 国宝 姫路城 機能性

        日光の社寺

          源氏物語ミュージアム

          息子が小学3年生の秋からスタートした親子世界遺産の旅。 世界遺産以外でも、その土地で興味をひかれる施設に立ち寄ることも、楽しみのひとつになりました。 世界最古の長編小説といわれる「源氏物語」。全五十四帖、最後の十帖の舞台が宇治ということで、宇治市源氏物語ミュージアムが宇治川のほとりにあります。 記事の内容については、宇治市公式ウェブサイトを参照しました。

          源氏物語ミュージアム

          宇治上神社

          現存する日本最古の神社建築として高く評価された宇治上神社は、世界遺産【古都京都の文化財】の構成資産として登録されています。 国宝 本殿 3つの内殿が覆屋と呼ばれる1つの建物で覆われた特殊な構造。 中殿に応神天皇、その子である菟道稚郎子と仁徳天皇が左殿と右殿にそれぞれ祀られています。 国宝 拝殿 神が鎮座する本殿に対して、人が参拝するための拝殿には住宅建築様式が使われることが多く、平安時代の寝殿造りの流れをくんだ構造が貴重。 世界遺産の平等院と宇治上神社を参拝したあと

          宇治上神社

          平等院

          世界遺産【古都京都の文化財】は、17件の資産で構成されていますが、そのうちの2件は宇治市にあり、宇治川をはさんで西岸に「平等院」、東岸に「宇治上神社」が向かい合うように建っています。 藤原道長の別荘を、息子の頼通が寺院に改めた平等院は、極楽浄土をイメージした設計で、鳳凰堂および鳳凰の優美な姿は、貨幣や紙幣のデザインとしてあまりにも有名です。 国宝 鳳凰堂 創建当時より唯一現存する阿弥陀堂(2008年撮影)。 東方に面し、阿字池を隔て西方に極楽浄土があることを示していると

          はじめてのお伊勢参り

          熊野古道伊勢路の馬越峠を歩いた翌日、伊勢神宮を参拝しました。 息子にとっては初めての、母は2度目のお伊勢参り。 20年に1度、社殿と神宝を新たにする式年遷宮は、約1300年もの長きにわたり繰り返されている神宮最大のお祭りです。 お伊勢参りの後は、おかげ横丁で伊勢うどんをいただき、鳥羽水族館のジュゴンに会いに行ってから帰路につきました。 記事の内容については、伊勢神宮公式ウェブサイトを参照しました。

          はじめてのお伊勢参り

          熊野参詣道 伊勢路

          【紀伊山地の霊場と参詣道】は、道が世界遺産登録された貴重な例です。 親子世界遺産の旅を開始した翌年、熊野古道の馬越峠を歩くイベントに参加する機会に恵まれ尾鷲へ向かいました。 馬越峠 伊勢神宮から熊野三山を結ぶルート「熊野参詣道(熊野古道)伊勢路」にある峠。 熊野古道 馬越峠を歩いた後は、三重県立熊野古道センターでのフォーラムに参加。 フォーラムでは、屋久島から招かれた中学生とお話しをする機会がありました。 屋久島へ行くならどの季節が良いか訊ねたところ、是非夏に来てく

          熊野参詣道 伊勢路

          旅程 2 京都

          4泊5日の親子世界遺産の旅、4日目と5日目は京都。 世界遺産【古都京都の文化財】の7件に加えて、京都御所を拝観。 市バスを利用しながらの旅程をまとめました。 4日目 ・慈照寺(銀閣寺) ・鹿苑寺(金閣寺) ・龍安寺 ・仁和寺 ・天龍寺 5日目 ・賀茂御祖神社(下鴨神社) ・二条城 ・京都御所 1000年以上都がおかれた京都には名所旧跡が数多くありますが、平安時代から江戸時代へ至る各時代の建築様式や庭園様式を伝える代表例の17件が【古都京都の文化財】として世界遺産に登

          旅程 2 京都

          仁和寺

          龍安寺で枯山水の世界に浸った後は、仁和寺へ。 仁王門 仁和寺の仁王門を仰ぎ見た際の息子と母の会話。 息子:「母さん、この門はすごいねー。」 母:「調べてみるから少々お待ちください。」   「本当だ!京都三大門のひとつだって!!」 調べてみて驚いたのは、この門は京都を代表する三大門のひとつで重要文化財! 母がテキストの情報を元に重要な建造物を息子と一緒に拝観しなければという姿勢なのに対し、息子は自分自身でその重要性を見抜きました。 世界遺産の旅4日目にして審美眼を養った

          龍安寺

          世界遺産「古都京都の文化財」の17件は、それぞれ各時代の建築様式や庭園様式を如実に伝える資産で構成されています。 龍安寺の方丈庭園(石庭)は、枯山水の典型的な例として遺産価値が認められました。石や砂を山や川に見立て、水を使わずに水を表現する枯山水は日本文化の独自性を表すとされ世界的にも有名です。 サルトルも訪れたという龍安寺石庭、9歳の息子は何を思う? 記事の内容については、龍安寺公式ウェブサイト、「すべてがわかる世界遺産大事典 <上>第2版(NPO法人 世界遺産アカデ

          鹿苑寺(金閣寺)

          親子世界遺産の旅、4日目。 銀閣寺拝観の後は、歴史を遡るように金閣寺へ。 室町3代将軍足利義満が山荘北山殿に極楽浄土の世界をあらわしたとされ、 公家文化・武家文化・禅宗様が織りなす華やかな名刹です。 舎利殿(金閣) 3層からなる建築がそれぞれ異なる様式の折衷でありがなら、全体として調和。 2層と3層の外壁および3層の内装に金箔が張られているとの事。 初層 - 寝殿造り(公家文化) 2層 - 書院造り(武家文化) 3層 - 禅宗様 芸能を好んだ義満と観阿弥・世阿弥の出

          鹿苑寺(金閣寺)

          東山慈照寺 (銀閣寺)

          親子世界遺産への旅4日目は銀閣寺から。 国宝 観音堂 (銀閣) 国宝 東求堂 「幽玄」「侘び」「寂び」- 東山文化と呼ばれる革新的文化の発祥地として大変貴重な銀閣寺。能楽や茶の湯など日本の伝統文化と呼ばれるものの多くが発展、のちの日本人の美意識に多大な影響を与えました。 東求堂の同仁斎(どうじんさい)は四畳半の畳敷で、違い棚・明障子・付け書院など、和室の原型として現代の日本建築にも繋がっています。 記事の内容については、銀閣寺および国土交通省公式ウェブサイト、「世界

          東山慈照寺 (銀閣寺)

          春日山原始林

          841年より聖域となり狩猟・伐採が禁止され守られてきた原始林は、自然崇拝に根ざした日本人の宗教観を表す顕著な例として、遺産価値が認められました。 写真は春日山遊歩道より撮影。 近鉄奈良駅からほど近い場所に、1000年以上手つかずの原始林があるというのは驚きでした。過去の先人たちが守ってきた人類共通の遺産を、次の世代へ伝えてゆくことを目的とした世界遺産。観光地として脚光を浴びることを目的としているのではないということは忘れないようにしたいと思います。 記事の内容については

          春日山原始林

          旅程 1 奈良 

          世界遺産を学び始めてまず戸惑ったのは、奈良・京都の世界遺産は、いくつかの資産が集まってひとつの世界遺産として登録されている事。 【古都奈良の文化財】は8つ、【古都京都の文化財】は17の資産で構成されているということを知り、名称の暗記だけでなく、自分達の目でそれらを確かめてみたくなり、息子の小学3年生の秋休みを利用して、奈良・京都を訪れました。 4泊5日の親子旅、最初の3日を奈良に充て、3日目の夕方に京都へ移動。 3日目までの訪問先をまとめました。 1日目 ・法隆寺(法

          旅程 1 奈良