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Film Educatorとしてのプロフィール

幼い頃から怪獣や特撮映画が大好きだった私は、物心がついた頃には映画監督の夢を抱いていました。
その一歩を踏み出すために、日本大学藝術学部映画学科監督コースに入学しました。
ここでは文字通り、実践的な「映画監督術」をたたき込まれました。
そのまま修士課程に進んだのですが、なんと、在学中に映画監督デビューの夢を果たしたのです。
学部の卒業制作として監督した『夢二人形』(98)という作品が、映画の神様に見初められたのか、あのカンヌ国際映画祭のシネフォンダシオン(新人)部門にノミネートされたのです。
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23歳の若さで監督デビューを果たした私は、ここからは2つの軸で活動していくことになります。

クリエイターとしての軸

映画監督として
1999年に『夢二人形』で監督デビューを果たした後、商業映画としては、2008年に『宮城野』を監督しました。
東洲斎写楽の浮世絵をモチーフにした時代劇です。
宝塚歌劇団出身の舞台女優・毬谷友子さんをヒロインに、歌舞伎俳優・片岡愛之助さんを主演に据え、樹木希林さんや國村隼さんなど映像のバイプレーヤーたちが脇を固めています。
クラシカルな様式美と現代性をあわせもつ新感覚の時代劇として、海外でも高い支持を受けました。
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映像ディレクターとして
監督デビューをしてから20年以上、「映画監督」の肩書きのもと、活動を映画からより広い映像制作という場に広げて、企業広告映像やミュージックビデオ、テレビ番組などを手掛けてきました。
最近では、学校や企業で使うeラーニング動画などにも取り組んでいます。


教育者としての軸

映像専門学校の講師として
学生時代に学んだ映画の理論や知識、技術、さらに映画監督としての現場実績をベースに、専門学校の講師として実践的な指導をしています。
2000年から現在までTMS 東京映画映像学校(以降、TMSと表記します)の主幹講師を務めています。
そのほか、バンタンデザイン研究所やバンタン映画映像学院でも教壇に立ったことがあります。
教え子たちは、映画監督や映像ディレクターだけでなく、カメラマン、エディター、サウンドデザイナー、MAミキサーなど多岐にわたって活躍しています。

アクティブ・ラーニング推進コンテンツ事業の参画者として
2015年、アクティブ・ラーニングをはじめ全国の先進的な授業をeラーニング・コンテンツ化する民間事業「Find! アクティブラーナー」に参画しました。
小学校から大学院まで、専門学校を含めて150コマ以上の実践授業や講義を取材し、多くの先生にインタビューをしました。
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このアクティブ・ラーニングとの出会いが、私の人生を大きく変えることになりました。


教育に対する大きなパラダイム・シフト
まずは専門学校の講師としてのあり方です。
それまでの私は、「業界の先輩が話していることがすべて。学生は講師である自分が話したことを理解すべきで、わからないのは学生が悪い。学生は受動的であればそれでいい」と考えるような旧態依然とした、ただただ一斉講義をするだけの講師でした。
映像業界はいまでも徒弟制度のようなものがあって、その世界で活動してきた私の授業は、自己満足に過ぎないものだったと思います。

しかし、Find! アクティブラーナーのコンテンツ制作のために、全国の先進的な授業を取材し、最前線の先生方のお話を聞くうちに、教育に対する私の考え方に大きなパラダイム・シフトが起こったのです。
その結果、「学生が理解できないのは講師である私の指導方法が悪い。学生たちをアクティブ(能動的に)にさせる方法は何か?」と常に考えるようになりました。

それからの私の専門学校での講義や実習は、これまでとはまったく変わっていったと思います。
学生をアクティブにさせることによって、習熟度が格段に高まる経験から得られる、教える立場としての私の充実感は、何ものにも代えがたいと気づかされました。


学校現場で自信をもってアドバイスできる訳
そんな中で、最近、高校の授業に呼ばれる機会が出てきました。
「映像制作」に関するさまざまなご依頼です。

ぐんま国際アカデミー(GKA)高等部では、高校1年生の総合的な学習の時間を使ったオリジナルのカリキュラムで、年間を通して映画制作に取り組んでいます。
企画の立て方や制作過程のチェック、完成作品の審査会など、そのカリキュラムの要所要所で指導に当たっています。

ほかにも、東京都立両国高等学校では、高校1年生の美術の授業で映像制作を行っていて、その発表会の審査員として呼ばれたり、ドルトン東京学園とは、中等部の2年生を対象に、「美術×職業体験」をテーマにした映像プログラムを作ろうと一緒に開発をしたりしています。

このように学校に呼ばれるうちに、先生方と映像を授業に取り入れる方法について議論をする機会が増え、いろいろな学校から相談を受けることも出てきました。

なぜ学校からアドバイスを求められるのか、それは、現役のクリエイターであり、定期的に教壇に立つ現役の講師であり、なおかつアクティブ・ラーニングを学び、教育現場で実践しているからです。
そのおかげで、私は多角的に先生方にアドバイスができるということに気づきました。


映像制作を授業に取り入れたい
これらの経験から、映像制作を通じて子どもたちのクリエイティビティを引き出すFilm Educationを提唱し、2022年、Film Education Labを設立しました。
現在、小中高大や特別支援学級、フリースクール、塾など20以上の教育機関と連携して、40以上のワークショップや授業プログラムを実践しています。

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