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【早過ぎたSDGs】

先代からの大赤字を回復してから、私は「スーパーやまと」を救ってくれた地域への恩返しのつもりで、様々な取り組みを始めていった。
ルールは「本業以外で儲けない!」と決めた。

今更ながら振り返ってみると、その一つ一つは当時にしては「早過ぎたSDGs」と言わざるを得ない (笑)。当時はそんな言葉は聞かなかったし、
環境や弱者対策など当たり前のことだと思っていたからだ。

せっかちな性格の私は、「有言実行」ならぬ「実行有言」タイプで、いつも動き出してから考える。県内で一番若い社長の私が先頭を切れば、先輩経営者達も後に続いてくれることを期待してのことだ。
アイデアの実現のためには『戦略』も必要となる。

その度に「変わり者!」とか「目立ちたがりめ」と言われてきたが。


いろんなことをやった、20年以上前から…。

・家庭の生ごみをポイント付加して回収→堆肥にして授産施設で野菜作り→店で販売

・2008年に山梨県全県で「レジ袋有料化」実施をけん引→今でも反対

・空ペットボトルやアルミ缶・段ボールを回収して、売却金を町に寄付

・廃油・廃衣料のポイント回収→利益は寄付

・段ボールやトレーの回収→再生

・ペットボトルキャップ集めて海外にワクチンを贈る→ガールスカウトと協力して最大数

・海外の貧困の子供達に楽器を贈る

・破綻したスーパーを建物や従業員ごと引き継ぎ、経営を継続(16店舗中12店舗)

・298円の格安弁当を値上げして、その差額を被災地に贈る

・ホームレスの方を正社員として雇用

・ハンディキャップのある方の雇用(5%超)

・ピンクリボン自販機(乳ガン撲滅)設置

・幼稚園を回って環境のお話🎤

・買物難民向けに移動販売車を運行→当時山梨県唯一(スクールバスを改造)

・仕入れの条件が厳しい個人商店に代わり、近くの弊社店頭から必要数だけ仕入れてもらう→問屋からの差別解消→問屋激怒 (笑)

・経営の厳しい個人商店の仕入れ、販売、売り場変更の指導チームを送って再生

・災害時に市長の権限で店を閉めて、店内在庫全てを地域の備蓄品に提供
→買い占め防止+公平な分配

(ハイハイ、たくさん良いことやったのね!自画自賛が鼻につくわ!)

市の要請で商店街に出した小型店

これらが「SDGs」の理念に基づくことかどうかは分からないし、当時は考えてもいなかった。先代からの大赤字から救ってくれた地域への恩返しのつもりで、頼まれたことを全てやっただけだ。

「商売以外で儲けは出さない!」のだから補助金はほとんど辞退。地域密着じゃなくて「地域土着」、世のために尽くせばお客さんは見捨てることはない。潰れても公的資金で救われる会社になりたい!→しかし倒産💧

「地域貢献」と上っ面でやっても、それでお客さんが来てくれる保証などない。来店動機に同情や恩義など今はないし、新しいショッピングセンターができれば当然そちらに行く。

いくら報道されても表彰されても、利益が出なければ経営はいずれ破綻する。10年経った今始めても結果は同じかもしれない…。精一杯やったが、経営者失格である。

「貰える金も辞退して、自分のこともできないくせに格好つけて何が社会貢献だ!蔵を建ててからやれ!」何もしない先輩経営者から言われた。悔しかったがその通りだ。

でも自分を「人間失格」とは思いたくない。

地域は私の持続(生命)を可能なものにしてくれたし、従業員の再就職先も地域が支援を申し出て全員の転職先がすぐ見つかった。
債権者も次々に債権放棄を申し出てくれた。

このご恩はまた社会に還していく。

「しくじった」私が皆さんにアドバイスなどできる立場ではないが、

やっぱり良いと思ったら、できる範囲で何でもやりましょう!何もせずにあなたを批判する人はスルー!

「SDGsはビジネスになる!」という言葉は嫌いだけど、皆さんは遠慮することはない。私はその「金儲け」が下手だっただけです(^^ゞ


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