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【大盛り『298円弁当』のからくり】

美味しそうじゃありませんか?
「スーパーやまと」ではご飯も大盛り350gで298円(写真は被災地への義援金付きで300円)のお弁当を売っていました。お昼時には売場に人だかりができ、巡回中のお巡りさんやタクシーの運転手さんもレジに並ぶほど (笑)。年間100万食も売れて単品売上げ3億円!まさに弱者のPB(プライベートブランド)でした。

当時、売上げが低迷していた弊社は、愛知県で弁当が評判のスーパーへ視察に行った。「ウチでも売れないか…」それまでのスーパーの弁当は、10個定価の480円で並べ、5個が定価で売れ、3個が2割引、1個は半額、そして1つは廃棄、それでも弁当は儲かる!(粗利益50%)、こんなイメージ。

「値引きや廃棄をなくせば粗利25%(75円)にしても480円の弁当より利益額が取れる!
嫌がるスタッフを納得させ販売を開始した。
お客さんをビックリさせるため、パックから頭と尻尾をわざと出した「焼サンマ弁当」も登場し、メニューは全部で20種類を超えた。

材料原価の中で一番高いのは「ご飯」である。レンジでチンしなくても美味しいように、水分を少し多くして店内で炊飯した。冷めても美味しい家のご飯と同じ、おかずも100万食も売れるとなれば取引先から良い条件で提案がもらえ、総売上の1割を占めるトンカツや唐揚げの肉も超格安で仕入れることができた。それに家庭の生ゴミからできた肥料で作った不揃いの野菜たちも、食材としては優等生だ。

トレーは一種類のみ、斜めに仕切り線の入った弁当容器を持つ時、お客さん全員がご飯の重みで折れ曲がるトレーを両手で支え、その重さを感じる。まさに「重さとは価値」なのである。

高齢者のパートさんやハンディのある従業員が、掛かりっ切りでご飯を盛る。人にパワーを与える仕事は作る側も元気になる。売り切ることによって雇用も守れる。デメリットはもう「季節の彩り弁当」とか「ヘルシー弁当」が売れないことだ。栄養のバランスは二の次で空腹を満たすことがミッションである。

298円弁当の広告

倒産してから「お金がない時、お弁当のお世話になりました🙏🏻」との手紙も届いた💧

登時バカにしていた競合店もマネをして298円弁当を販売したり、店の前に弁当屋が出来たりしたが、全く影響なく売れ続けた。それが後に「ヴァンフォーレ甲府応援どんぶり」(既出)にも繋がっていった。

今も安い弁当がメディアで紹介されるが、普通のスーパーでも「廃棄ロス」が減れば、弁当も惣菜もお刺身も、もっと安く売れるのになぁ…って思います。

(ちなみに大手飲料メーカーの「弁当をよく買う顧客名簿を買いたい!」との美味しい依頼は、当然お断りしました〜(^_−)−☆)

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