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【労働時間の定義って?】


私がスーパーの社長だった時、山梨県の一位と二位のスーパーに、労働基準監督署の査察が入った。その結果、パート・アルバイトの給料計算で「30分未満を切り捨てていた」ことが発覚!

それぞれの会社が(2年間の未払い給与分)2億円の支払いと、前科があった片方の社長が書類送検という結末となった。

県内のスーパーでも一番若かった私(39才)は、「やっぱりデカい会社は、こんなことまでして儲けるんだな…」と呆れたことを思い出す。

と同時に、「自分の店は大丈夫か?」と再点検。人のことを責めながら自分のことを棚に上げる人は多いものw。(まあそれ以前に、当時は労基署が来たり内部告発されるほどの規模ではなかった)

✅摘発されたスーパーは

①出勤時は30分刻みで労働時間のカウント開始(8:50にタイムカードを打刻すれば、9時からカウント)

②終業時は30分単位で計算していたため、1〜29分は「切り捨て」。

出勤&退勤の両方で少しずつ「強制カット」できれば、大きな会社なら相当の利益になる。知らずにやってる訳はない、絶対に!


私はまだズボラな先代社長からスーパーを引き継いだばかりだったので、その事件を機に知り合いの社労士と相談して、いろんなルールを作っていった。

・時給計算の従業員は、たとえ契約時刻前でも出勤した時点で労働時間に加える(分単位)。

・退勤時は15分や30分刻みでなく、1分単位で労働時間に加える。

その結果、タイムカードの時間が
【8時01分〜12時29分】だった場合、労働時間は『4時間28分』となるが、摘発されたスーパーは30分刻みだったので『8時30分〜12時00分』と調整されて、『3時間半』にしかならない(@_@)

こりゃ間違いなく利益が出る仕組みだ。しかし今なら「搾取」となり、お国も黙っちゃいないので、最近ではあまり見かけなくなった。


👤「タイムカードを押すのは、身なりを整えてトイレも済ませてからだよ!押してからコーヒー飲んだりタバコ吸ってちゃダメ。帰りの時間もバスや電車の時間ギリギリまで待って時間稼ぎはダメよ!」

以前はこんなパートさんの親分が新入りに指導してくれたものだったが、今ではほぼアウトになってしまう(^^;

会社(店舗)に到着した時点で「始業開始」となり、制服を着る時間も労働時間に含まれる。そして拘束時間内には当然「休憩時間」も含まれ、労働時間としてカウントされる(もちろん1分単位)。

(大きな声では言えないが)ルールを決めた私でさえ、「従業員の実働時間てそんなに無いよな…」と思ったものだ(^^; (失礼🙏🏻)

さて今回の「スシロー」の件、社内規程で「5分刻み」となっていたのを「1分単位で計算せよ!」との指導である。

私がアルバイトなら1分たりともカットされたくないし、経営者なら「5分単位ならいいじゃん」と思う。

人手不足に加えて人件費の高騰…。この記事を発端に、日本中の時給計算が「1分単位」に是正されたら大事件になる。

💀「最低賃金が上がったから、10分未満の労働時間はカットしろ!」 私の中のデビルが囁く…。


※最後までお読み頂きありがとうございます!

あなたが失敗した時、迷った時、逆境の時、倒産地獄から生還した私だからこそできる励ましを届けたい。皆さんの力となり、笑顔になれる記事を投稿していきます。私もまだ発展途上です、一緒に成長していきましょう!

【小林 久ホームページ】

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