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60歳定年退職を機にFIREを達成?

60歳じゃFIRE(Financial Independence, Retire Early)じゃないだろうと突っ込む前に、プロフィールの「人生は二度ある」と「人生百年時代」を読んで決して夢を追いかけるのに60歳は遅くないことを理解して欲しい。

ふつうFIREは金融投資の運用益で日々の生活を維持する。若いと投資に失敗してもやり直しが効くが、年老いてからの投資ではそうもいかない。そのための投資先に選んだのは「日本年金機構」だ。ただし退職して直ぐに年金受給を開始してもFIREは達成できない。いかに対処したかを大したことはないしかなりラッキーな面も多いが素人としては自慢できる手法を紹介する。

若い時から計画的だったわけではない。60歳定年退職の3年前にようやく定年後も今の会社にしがみつくか、それとも再就職するかを考えだした。会社は定年前から別の会社で働けば60歳以降も働けるよと諭すような会社だけにあらかじめどう会社と交渉すべきかの心構えをする必要がある。会社の熟年セミナーでは高齢夫婦世帯では約26万円/月(高齢単身世帯約16万円/月)必要と統計値を示していた。早速年金がいくら貰えるか確認したら、受給は70歳まで遅らせれば42%も受給額が増える。こんなおいしい投資先はない。70歳まで「年金の繰下げ受給」すれば、その後は年金で賄えるではないか。

70歳まで年金を受け取らずにいかに暮らすかが勝負である。まずは貯蓄額を把握し始めたら、25年前から賞与だけ細々と続けていた組合関連のねんきん共済が最低1.25%/年プラス運用利回りで結構な金額である。給与天引きからの積立金額を途中から増やせたのに利率のほとんどない多目的積立を増やしてしまったのは大失敗だ。何とか滑り込みで積立予定金額以上に一時金を突っ込んだ。退職金も年金でも貰うことは可能なのでねんきん共済と合わせて60歳から年金生活できそうだ。ただし26万円/月で本当に暮らせるかはとても不安なので、今後は支出を明確化するため家計簿をつけることにした。

家計簿の結果は年金生活に自信を持てたが、実際定年退職して夢を追いかけるのにも勇気がいる。会社の制度は一旦60歳で定年退職して給料半減の再雇用であるにも関わらず、会社を卒業して生活を一変するより今までの生活を続けたくなるのだ。結局会社から再雇用を断らて漸く踏ん切りを着けたが、会社は65歳までの雇用義務を再就職支援サービスに登録することで果たそうとするので、「65歳まで雇用義務があるのになんでそんなもんに登録しなければならないのか」と開き直ってやったら、定年一月前に再雇用を提案してきた。人間後戻りも嫌いなので前もって道程を示さないのはとても汚い。

再雇用しようがしまいが、定年退職の手続きは必要なので進めていると医療保険もいわゆる個人年金でしかも積立金額まで積み増しできることがわかった。銀行預金のまま持っていても利子はほとんどないがこちらの年金は5%の利子がつく。最後の積み増しは2%の手数料を取られるが3%の錬金術である。もちろんノーリスクではなく保険会社が倒産すると90%しか補償はされないのだが、これを逃す手はない。退職金を貰えてから積み増しできれば楽勝だが、その前に拠出するので手持ち資金がギリギリになってしまった。その退職金だが受け取り方に気をつけないと税金が全然違ってくる。

退職金を年金でもらうと「公的年金と同じ課税」となる。税額控除があるので3階建ての企業年金と「老齢年金」は同じ年にはもらわない方がお得だ。尚、「個人年金」は利子の部分だけが「雑所得」になるイメージなので、「基礎控除」内とも言える。ただし退職金は給料の一部とも考えられるので一時金で受け取ると勤続年数に応じて完全に非課税になる。これを利用しないのは全くもって勿体ない。勤めた会社は8年前に確定給付年金(DB)から確定拠出年金(DC)に全面移行したが、ちょうどDBが「退職金の控除額」と合うのでDBは一時金でDCは年金で受け取ることにした。

確定拠出年金とねんきん共済に加え医療保険全てを10年確定年金にすると、70歳から受け取る予定の老齢年金額とほとんど同じになった。一時金で受け取るDBは予備費に当てる。DCを運用した経験から金融投資はビクビクするので、物価上昇の際の最後の砦には自宅を活用すればいいと閃いた。資金に余裕があればあえて勝負する必要はないのだから、予備費は預金が利子まで含めて保護されるペイオフ適用になる銀行預金にした。まあ今後夢を追って一獲千金することさえなければ、70歳前には「相続税」の課税価格の合計額は基礎控除額を下回るだろう。以上を簡単にまとめると以下になる。

1.生活費のゴールを決めるために支出を明確化する
2.終身年金である老齢年金はゴールの年金額になってから受給する
3.退職金は控除額まで一時金で受け取り予備費として銀行預金する
4.退職金の残りを企業年金として老齢年金受給までに全額受け取る
5.企業年金との合計額がゴールになるまで個人年金を積み立てる
6.自宅も予備費と考え精神上よろしくない投資はしない

安心して好きなことするために上記を達成して60歳定年退職を機にリタイアしたわけだが、仕事が生きがいならリタイアする必要もないし投資や貯蓄を趣味にするのも人それぞれだ。しかしこれまでの計画は配偶者の収支を全く考慮せずに、本人のみの収支で高齢夫婦世帯約26万円/月を目指していた。余裕ある暮らしのためには36万/月必要とされているし、配偶者に先立たれた場合の高齢単身世帯約16万円/月は余裕だが、確率が大きい残した場合も心配するのがパートナーの責任だろう。「年金の繰下げ受給」は早死にしても「遺族厚生年金」が優秀なことを含めて次回に記したい。

#わたしの舞台裏

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