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これぞ献上米!根本さんの田植え体験。 ー 千葉のおいしいを大切に ー

いきなりですが!みなさんは今までに田んぼに入って、田植え作業をしたことはありますか?なかなか「あります!」と大声で答える方は少ないイメージがある田植え作業。田舎暮らしの方でも、農家さんが畑仕事している場面を車や自転車ですれ違いざまに見つけて、「ああ。もうこんな季節か~。」と一年の早さを感じたり、「大変そうだな~。」と農家さんの仕事を遠目で応援したりするだけで、実際に「私、体験しました!」という方はなかなかいないのではないでしょうか。

わたしですか?・・・わたしは「体験しました!!」

実は小学校の頃、わたしが通う小学校近くの高校には「農業科」があり、社会科見学の一環として、高校生のお兄さんお姉さんに教わりながら、さつまいも掘り体験をしたり、田んぼに実際に入って田植え体験をしたりと、田舎ならではの経験をしてきた生粋の「田舎人間」なんです(笑)。

現在その高校は、合併の影響で廃校になってしまいましたが、今でも残った校舎を通るたびに「あの時は大変だったなぁ。」と思い出に浸っています。さて、今回は、体験済みの方も、未体験な方でも楽しめる「田植え体験」を5月16日に開催してきました!

お邪魔したのは、房の駅には欠かせない生産者「根本さん」。献上米にも選ばれたことのある「音信米」や貴重な原木しいたけを房の駅に長年卸してくださるレジェンド生産者さんです。

わたしの働いている房の駅でも、「今日はしいたけの納品ないの?」「事前に注文してもいい?」と根本さんファンのお客様がいらっしゃるほど人気っぷり!根本さんについては、原木しいたけの収穫体験でも記事などでも取り上げてますので、併せて読んで頂けますと幸いです。


絶好の、田植え日和。

先週は雨の予報が出ていましたが、当日は「今日は田植えをやるべきだ!」と言わんばかりの雲ひとつない快晴。気温も最近では、上がったり下がったりと不安定でしたが、6月並みの暖かい気温に恵まれました。

「とりあえず中止にならなくてよかった・・・!!」

根本さん宅に到着すると、お出迎えしてくれた奥さんからも「今日は田植えするのに最高の天気だね〜」と言われました笑。今回参加いただいたお客様も、涼し気な服装で田植えの準備万端!小さなお子さんも、今日が楽しみで朝からウキウキしていたみたいです♪

根本さんから今回の体験についてお話中…

今回は根本さんの生産する「音信米(おとずれまい)」の中でも「粒すけ」という品種のお米の田植え体験。このお米は、近年千葉で新しく作られたもので、大粒でモチモチとした食感が特徴です。最近では千葉のレストランで良く使われているそうので、「粒すけ使ってます!」のマークを見つけたら、是非食べてみてください。さて、体験の前に、根本さんからやり方についてご説明。

「田んぼにラインを引いたから、その線に合わせて苗を植えてね。」

なんと根本さん、朝5時からわたし達が作業しやすいように田んぼにラインを引く準備をしてくれました。なんと手作りの工具で私たちがやりやすいようにラインを引いてくれていたそうです。

「今回はライン引いたから簡単だよ、前回はやばかったもんなぁ(笑)」
と根本さんが、わたし達スタッフの方を見てニヤリ。

実は、この企画の前に、私たちスタッフだけで田植え体験に参加していました。その時は、自分の間隔だけで手植えをしたので、まっすぐに苗を植えることが出来ず、列がグニャグニャで、いかにも「素人がやりました!!!」と丸わかりの田んぼが出来上がってしまい、みんなで苦笑いした記憶があります。

その活動も、前回記事にしているので一緒に読んでいただければ。

田んぼの中は・・・?

今回行う場所は、私たちが前回体験した場所とは反対方向の、山に囲まれた、田んぼがずらーーっと広がる場所の一角で作業。やり方は、根っこが張った稲苗の束を持って、そこから3、4束摘んで根本さんが引いたラインに合わせて植えていく。根っこが張ってなかなか取りづらいけど、多めに取り過ぎても逆に育ちにくくなってしまうのだそう。

根本さん奥さんの丁寧なレクチャーで、お子さんも興味しんしんに聞いていました。

根本さん奥さん「3、4束ずつ取って植えるんだよ」

では早速、はだしになって田んぼにイン!

水面をよく見ると、田んぼの中に、オタマジャクシやイナゴがすいすい泳いでいて、お子さんは「たくさんいる!!」と大喜び!

「じゃあ始めようか、転ばないようにね!」

と根本さんの合図が出ると、稲苗を持ってどんどん田んぼに向かって突き進むお客様。でも、下に降りる時に、泥が滑ってうっかり転びそう・・・。と心配。転んだら、顔も服も大惨事になっちゃうから気を付けなきゃ!と支え合いながらゆっくり田んぼに入りました。

転ばないよう支え合うお客様

わたし達も、積極的に田んぼに入っていくお客様を見習って、靴を脱いで田んぼにドボン!前回は涼しかったせいか、ちょっと寒いな。と感じた田んぼは、今日の暑い日差しに程よく体を冷やしてくれて快適でした。

「汚れるけど、はだしで入ると気持ちいいでしょう?」と根本さん。

はい!とっても快適です!!

いざ、体験開始!

田んぼに入ってからは、みんなもくもくと作業を始めていきました。最初は根本さんのお手本を見ながら、ゆっくりやっていたお客様も、次第に慣れてきて、すいすいと苗を植えていました。お子さんも、お母さんから渡された苗をていねいに、ていねいに植えていて、その横顔は生産者に負けないぐらいの熱心な表情でした。

そんな覚えが早すぎるお客様を見て、スタッフも負けてられないな!とやる気スイッチがオン!根本さんが引いてくれたラインにおかげで、前回よりすごくやりやすくなり、安心して作業出来るかと思いきや・・・。

「あれ?奥の方、水が多くて線が見えなくない?」

なんとわたし達が始めた個所は、水面が上がっていて田んぼの底が見えなくなっていました笑。これじゃ前回と同じじゃん!と前回グニャグニャな列で植えてしまったトラウマが蘇りました。

しかし、そんなわたし達に、根本さんが「見えなくなった所は大丈夫、俺がやる。」と自ら田んぼに入って、見えない場所をフォローしてくれました。男前すぎる!!!ありがとうございます!

そんなこんなで、なんとかラインがある場所から田植えをやれることになったわたし達。でも、ずれてないかな?大丈夫かな?と横を見たり、立ち上がって全体を見たりと、挙動不審になりながら植えていきました(笑)。

丁寧に、一つ一つ植えていく。

ラストスパートは体力勝負

さて、休憩を一回挟んで1時間が経過・・・。予定ではここで田植え完了!しているはずなんですが、

全然!!終わりません!!!

一度田んぼから出て、全体を見回しても3分1くらいしか終わってない!!
これはもっとガチでやらないハードなのでは・・・?と焦っていたその時、
「こりゃ、手伝うしかないな!」と根本さんの男前な一言が!!

いえ!大丈夫です!わたし達でやりきります!・・・と言いたかったのですが、結局、根本さんご夫婦にも協力していただきながら作業になりました笑

時間オーバーでもあきらめない!

ハイパワーな根本さんの協力も加わり、時間オーバーの中、ラストスパートまで駆け抜ける一同。なんだか一つ一つの作業は個人プレーのはずなのに、この時は全員の心が一つになった感じがしました。

根本さんも、「手植えでやるのは数年ぶりだよ」と大笑い。今では機械一つで田植えから肥料まで1度にやることができるので、手植えはとっても久々だそう。でもそんなことを言いつつ、手植えは感覚もズレもなく、テキパキと手早い作業で、あっという間に私の列まで追いついてしまいました。これにはさすがレジェンド農家さん!と言わざるを得ません。

しかし、休憩を挟んだとはいえ、日差しが強い中、田植えを続けるのはなかなかハード。生産者ってこんな感じで一日頑張ってるんだ、と思わず納得してしまうほど。

そんな時間と体力が削られていく中、お子さんは疲れを感じさせないくらい元気いっぱいに田んぼを突き進んでいました!すいすい泳ぐオタマジャクシを見つけたり、カエルを抱っこしたりと大はしゃぎ!

いつの間にか、ここにいる誰よりもどろんこになっていました。まだわたしは20代なのに・・・、幼い子に圧倒的に体力負けしていて、「もう」20代なのかもしれないと、年を感じさせられました笑。

泥だらけになりながら生き物と遊ぶお子さん

達成感が味わえる景色

田植え終わるまで戻れまテン!を続けて数十分後、無事に、全面の田植えが終わりました!

遠くから見ると圧巻です!

根本さんも「よく頑張った!」と大喜び!大変だったし疲れたけど、田んぼから上がって、全体を見た時には、「すごい!ここまで出来たんだ!」と感動するほどの出来栄えでした。

全体を見て感動していたところ、ふと、お互いと見てみると、手も服も、ビックリするほど泥だらけになっていました。「わ!すごいどろんこじゃない!」と笑い合うお客様。でもお顔は清々しくって、田植えできてよかったと満足していただけたような表情でした。

こんなに泥だらけになっちゃいました!

「みんなどろんこになっちゃったね、お水でキレイに流してから、ご飯食べよう」と根本さんが近くの用水路から、きれいなお水を出してくれました。
家に戻って蛇口で洗うのかと思いきや、まさかの用水路。

なんだかこれも生産者体験ならでは、貴重な体験な気がします。水で洗い流すのは、蛇口をひねってやる事と変わりはないのに、なんだけ自然のものだけで暮らすサバイバル生活みたいでした。

用水路で泥を落とすお子さん、一番どろんこでした(笑)

終わったあとは・・・

どろんこを落としてキレイにした後は・・・根本さんの家に戻って焼肉パーティ!なんと、この日のために焼肉だけではなく、根本さんならではのお手製料理をたくさん準備してくれていました。

まずは、汗だくの体にピッタリの「冷水スープ」、中には根本さんでおなじみの原木しいたけや、人参、玉葱など具材たっぷり!疲れた体全体に冷たいスープがヒンヤリ染みわたり、思わず「ほ。」としちゃいました。

その間に、スタッフが次のメニューのお手伝い。いのししのジビエ肉の焼肉に、「音信米(おとずれまい)」を使った焼きおにぎり!鉄板の上でジュージューと焼いていくうちに、食事会場はいい匂いに。

屋外で食べるお肉ってなんでこんなにおいしいんだろうと思ってましたが、風が吹いた時に流れてくる煙とお肉の香りが美味しさの秘訣なんだろなぁ。と思いました。

ジビエ肉と音信米の焼きおにぎり

お肉を食べて終わり・・、かと思いきや!根本さん、まだまだ準備していました。これにはスタッフも「え?!まだあったの?」とビックリ!

何と原木しいたけにバターを軽く塗って丸ごと焼き、さらに焼きそば、さらにさらに、しいたけの残り汁を混ぜて作った栗おこわ。この記事を書いている今でも、思い出してよだれが止まりません笑。

おもてなしがすごすぎる根本さん、あっという間に広かったテーブルは料理でいっぱいになってしまいました。お客様も料理の多さに驚きつつも、美味しそうに食べていただけました。

何とお子さんは、いつもの倍以上食べてくれてたみたいです。なにはともあれ、頑張った後のご飯は最高ですよね。

一杯食べていただけました!

おわりに

今回の体験では、視察としての田植え体験、からのお客様をお出迎えしての本番、とスタッフのわたし達は2回にわたって参加してきましたが、視察の段階で起こった苗グニャグニャ事件の反省を踏まえて、本番でラインを引いて植えやすくするなど、事前に生産者と打ち合わせをして、よりよい体験会に持っていく。といった、生産者とより親密に関われた企画だったと感じました。

お開き前に、根本さんがお子さんに「今日は楽しかったか?」と聞いていました。すると、「うん、楽しかった!」と笑顔で答えるお子さん。
その言葉に根本さんは「ああ、今日やってよかったなぁ!」とすごく嬉しそうに笑っていたのを今でも思い出します。

なかなかハードな体験でしたが、終わった後の、満足そうに帰っていくお客様や、またやりたいね、と嬉しそうな生産者を見ていると、わたし達も、やってよかったなぁ。と達成感でいっぱいになりました。

田植え体験お疲れさまでした!!
最後はみんなで記念撮影!

次回も、お客様と農家さんを繋いでいく取り組みを実施していきたいと思っております。引き続き、応援のほどよろしくお願い致します。


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