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甘酒づくりに欠かせない米麹のお話。知れば知るほど、わからなくなる。

寒いと何故か頭に浮かぶ飲み物。

お正月も3日目の夕暮れ時となりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。お土産業界というお仕事に携わるようになってからというもの、お正月になると必ずといっていいほど、手に取る商品があります。

それが、甘酒です。

子どもの頃、どうもその風味に馴染めずあまりいい印象がなかった甘酒ですが、大人になったせいからなのか口にすると「あれ。こんなに飲みやすかったっけ?」と思うくらい、飲みやすくてむしろ試飲カップくらいの小さなコップだと、ガパガパ飲んでも平気になってしまっていたから不思議です。

もしかしたら、それは米麹でできる甘酒なのか。それとも酒粕でできる甘酒なのか。という違いがあるのかもしれません。そんなお正月に馴染みの深い甘酒ですが、ちょっと調べてみると「夏バテ防止」とか「夏の季語」とか、どちらかと言うと夏に馴染みのあるのが甘酒だったようです。

ということで、甘酒は夏に楽しむものなのか、もしくは冬に楽しむものなのか。どっちなんだい。ということで深掘りをしていきたいと思います。

米麹。

小さい頃に米麹の甘酒に出会っていたら、甘酒の印象も少しはよかったと思うかもしれない甘酒。そもそも米麹ってなんなのよ。そう思う方もいらっしゃるかもしれません。販売していて「米麹の甘酒です。」なんてお勧めする方でも、米麹って結局なんなのよ。という方もいるかもしれません。

農林水産省のホームページに、甘酒について記載されたページがあるので、ご参考にして行きたいと思います。

作り方の違い:
米麹の甘酒:米麹は、蒸したお米に麹菌を繁殖させたものです。日本の伝統的な食文化に欠かせない甘酒・お酒・みりん・味噌などは米麹を発酵させて作ります。
酒粕の甘酒:酒粕は、米麹に酵母菌を加え発酵させて作ります。麹菌と酵母菌の2つの発酵の力で、栄養価がとても高いといわれています。

農林水産省H.P.より

米麹と酒粕から作る甘酒について記載がありました。米麹は蒸したお米に、麹菌を撒き繁殖させていく事で作られていきます。米麹は、日本の伝統的な食に結びついた、食の原点とも言えるものですね。

言葉にすると簡単そうですが、この麹菌を撒いた時にお米の温度が高すぎてしまうと麹菌が死滅してしまい、良質な麹を作ることができないそうです。夏だろうが冬だろうが、この約40℃くらいの温度を一定に保ち続けていかなければならないそうです。

このお米の温度管理を怠れば、ただの蒸したお米にしかなりません。まぁ、蒸したお米はお米で美味しいとは思いますが。

さらに言えば、冬は温度を下げすぎてもダメですし、温度管理ができたとしても1時間や2時間でできるものでもありません。約1日近くの時間をかけることで、麹菌が発芽しほのかに甘い香りが漂いはじめて来るのだとか。この温度管理と時間が季節によって異なるのも、この米麹作りでは難しい作業と言えそうです。

小川屋味噌店の米麹

栄養補給に甘酒。

米麹の発酵によりビタミン類が作られ、さらには麹菌の発酵によりお米のデンプン質をブドウ糖やオリゴ糖に変えていくんだそうです。この発酵という過程を十分な時間経過を与えずに、甘みを出すのに使用されるのが砂糖だったりします。

なので、商品にある原材料表示などをみていただくと、砂糖が添加されたものなのか、はたまたこの発酵という工程を大事にされてできた甘酒なのかは一目瞭然だったりします。

この自然の発酵で生成された甘みは栄養補給にもよいとされ、江戸時代には夏バテ防止にも飲まれていたそうです。夏バテとは、意外と古くから人と馴染みがあったのにも驚きです。

そういえば先日、ご年配の方が「最近は、食も細くなってしまったので、甘酒を飲んで栄養補給をしているよ。」というお話もいただきました。ご飯が喉を通りにくくなってきた方にも、自然発酵の甘酒という飲み物は、重宝されているんだな。というエピソードがあったので、ほんのご紹介です。

とにもかくにも、この文章を作りながら思うことは、米麹、麹菌、発酵というキーワードに、まだまだ私自身の知識が及んでないところばかりという事に気が付かされました。

これを機に、米麹の作り方、作る風景、麹菌がどういったものなのかを、再度学んでこの場でご紹介できれば良いなぁ。と感じている次第でございます。そして結局のところ、甘酒は夏だろうが冬だろうが、栄養補給に優れた飲み物だそうなので、季節を問わず飲む習慣があったほうが良さそうです。

拙文ではございますが、最後まで読んでいただきありがとうございます。引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。

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