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こんな職務経歴書はイヤだ!シリーズ その2

前回はこちらの記事で残念な職務経歴書について書いてみた。

残念ながらまだまだあるので本日は第二弾を書いてみたい。

こんな職務経歴書はイヤだ!「とにかく他責の退職理由」

もうタイトルだけで大体想像はつくと思う。
良くも悪くも人材の流動性が高いIT業界。5年に1回くらいの転職は割と普通である。むしろ新卒から15年間同じ会社だとキャリアが固定化されてしまい潰しが効かなくなるという面もあるので、適度な転職経験があった方がよいこともある。しかし1年か2年おきに転職ということになると、流石にこちらも警戒する。求職者本人も自覚があるのか、エージェントに指摘されたからなのか、職務経歴書にそれぞれの退職についてそれっぽい理由が書いてあることが多い。

経営破綻や業績悪化による解雇であれば致し方ないのだが、そんなケースはそうそうない。
体調やメンタル不良による退職というのはそれなりの頻度で見かける。こう言った理由を正直に書いてくれているのは誠実だとは思う。ぶっちゃけて言ってしまうと選考上不利にはなる。ただ、この辺を隠して就業しても、特にメンタル面の場合再発した際に結局「実は以前も」という話をしないといけなくなり、そこで一気に信頼をなくす羽目となるので、長い目で見ればきちんと包み隠さず伝え、それでも経験やスキルを評価して採用したいと思ってくれる企業を探すべきだろう。

本題に戻る。
私が「これはないな」と思った「とにかく他責の退職理由」を紹介していく。

「聞いていたポジションと違ったので退職」

まあそれっぽくは聞こえる。
これが例えば商品開発のポジションで入ったのに営業に回されたとかならわかる。IT業界でも自社プロダクト開発のはずだったが、客先常駐になってしまったというケースだったら、キャリアの志向性によっては退職もやむをえないだろう。

ただ、プロジェクトマネージャーだと聞いていたのに最初はメンバーだったとか、裁量権があると聞いていたのに自分の意見が受け入れられないとか、まずは自分の実力を証明してから後からついてくるであろうものについて「ないものねだり」をしているパターンは要注意。
大体このパターンは3ヶ月から半年くらいで退職している。
これは予想だが、単純に力不足で通用せずに居心地が悪くなって辞めたといいうのが実態だろう。
それをそのまま書くわけにいかないので、無理やり絞り出した退職理由が「聞いていたポジションと違った」というわけだ。
ちなみにこのパターンは大抵複数回繰り返しているのですぐわかる。

「経営陣に嫌われて不当な扱いを受けていたのでやむを得ず退職」

謎の被害妄想パターン。
プロジェクトの炎上を全て自分のせいにされ、その後も目の敵にされ、退職を迫られたとか「ほんまかいな」というエピソードがついていることが多い。
もし本当だったら気の毒な話だが、こちらには真実なのかどうかを検証する術もないので、申し訳ないが「この人は被害妄想が激しい人なのでは?」という疑いがどうしても残ってしまう。

つまりは実際に不当な扱いを受けていたのが退職理由だったとしても、職務経歴書作成のセンスの問題としてこんなことを退職理由として書かない方がよいのである。

例えばプロジェクトでクライアントの不手際でスケジュールが遅れたとして、そのリカバリを考えるかわりに「いかにクライアントが悪いか」という文章をひたすら書いてクライアントに突きつける人と仕事をしたいだろうか?

「外国系企業で日本人が冷遇されたので退職」

ちょっとぼかしたが、いわゆる「外資系」ではなく、アジア系の経営者が同胞を集めた「ニアショア」的な会社で、日本人がマイノリティ側で、徐々に冷遇されていったとのこと。
実際に面接して話も聞いたのだが、どれくらい真実なのかはよくわからなかった。

ただ、オフショア開発やグローバルプロジェクトも多く行われているIT業界において、外国人と日本人の軋轢を退職理由として前面に押し出すのもいかがなものかと思う。偏見から無用なトラブルを起こしそうで、正直雇うこと自体をリスクと感じざるを得ない。

結構な確率で「再遭遇」

これらの残念な職務経歴書だが、なぜか1年後に再遭遇するといったことが結構な頻度で起こる。
別のエージェントからではあるものの、明らかに前と同じ人だ。
以前に書類応募したことも忘れているのかはわからない。
そして以前よりも経験者社数が増えており、案の定1年持たずに辞めている。
エージェントからの推薦文が虚しく響く。。。

これまで短期間での転職を繰り返したことについては猛省されており、
次回を最後の転職にしたいと強く決意されています。
ぜひ一度面接の機会を賜れば幸いです。

結論 「他責ダメ、絶対」(少なくとも職務経歴書上では)

もうね、やっぱり読む側の気持ちになって欲しいですね。
他責の退職理由、読んでいて気持ち良くはならないんです。

  • スキル不足で逃げるように退職してしまった

  • 人間関係が煩わしくなって思わず退職してしまった

まあ人間だからそういうこともあるでしょう。
でも、それを繰り返さないために、どういう努力をしているのか、どういう風にマインドチェンジしたのか、そういうことを書いて欲しいです。

まだ以下のようにぶっちゃけてもらった方が好感が持てます。

「今となっては浅はかな判断だったと思いますが、当時は悪化した人間関係の改善が不可能だと考え、転職いたしました。」

「コミュニケーションに課題を感じていたので、まずは相手の意見を聞き、いきなり否定しないことを心がけるようにいたしました。その結果相手からも受け入れてもらえ、意見が違ったとしても建設的な議論ができるようになりました。」

これを読んでいる転職希望者は、職務経歴書に見苦しい「他責」を入れ込むことのないように、ぜひ気をつけていただきたい。

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