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地域で生活することの価値①:都市生活のストレス(過集積、過情報、過過密)


都市生活のメリット・デメリット

誰しもが一度はあこがれる都市の生活。ここでいう都市とは、地方と対をなす概念で、端的に言えば首都圏などの「大都市圏」である。
都市経済論的に言えば、ネットワーク効果や集積の経済効果など、そのメリットを挙げれば枚挙に暇がない。多くの企業や人が狭い地域に集積することで、コミュニケーションの活性化やエネルギーの効率利用といった点で、表面的には実に効率がいい。都市の自律的な発展と経済の発展の関係は不可分な関係で、新興国の都市がクラクションの音をかき鳴らしながら賑やかになっていく映像はよく見るし、もちろん我が国東京もドル換算名目GDPが世界4位に転落したとて、そのプレゼンスは揺るがない。

一方、経済学では、人口集積による渋滞や公害の発生などを外部不経済と呼び、都市化のデメリットも看過していない。ただ、どちらかといえば成長重視で進めていきながら、それによる問題が発生したところで対症療法的な対応を考えるというスタンスは、洋の東西、資本主義・共産主義国家という思想に関係なく起きており、経済成長を重視する現代世界が抱える思考の癖といってよいだろう。

だけども問題は今日の雨 傘がない

とはいえ、そんな都市の問題や経済成長の問題云々を語る余裕はなく、また知識もありません。自分は所詮雇われエコノミストであって、思想家でも研究者でもない。
ただ、今後のキャリア形成に悩み、そして子供たちやその先の世代の子供たちの時代を憂う気持ちはあります。言ってみれば、井上陽水の「傘がない」のように、今は自分の将来について真正面から向き合いたい。

そんな自分が思う都会の生活問題とは?

一言でいえば、「選択肢の多さ」にある気がします。
以下は、あくまで私個人の感想ですので、「何言ってるんだ」とか「工夫で何とかなるだろ」といった意見があるのも承知の上です。でも、そう思う人もいるんだと知ってもらえるとありがたいです。

選択肢の多さ、これってメリットデメリットと二律背反な関係なわけですが、転勤で長い地方生活から帰ってきて、改めて首都圏で生活をしてみて思うんですが、日常生活の中にあまりにも情報量が多く、そして何をするにも選択肢が多くて生活してて疲れるように感じました。

ひと頃前にはスティーブ・ジョブズに代表されるようなミニマリストブームがありましたが、その発想も根底には人間が生活するうえで一日に選択できる量は限られていて、朝、洋服をどうするかや食事をどうするかなどの選択を極力減らして、その分、仕事のパフォーマンスをあげていく、ということだったかと思います。

その点、都市の生活って選択ばかり迫られていて、朝から電車が遅れたら代替手段をどうしようかとか、バスが遅れて予定の急行を逃したら、○○駅まで行って通勤特急に乗り換えようとか、そんなことばかりですよね(人身事故で…なんてニュースがあると余計に)。電車の中は広告であふれ、テレビモニターは天気、占い、ニュース、豆知識の情報を垂れ流し。。。乗客は耳をエアポッズでふさぎ、ポッドキャストで音声情報を得ながら、スマホでニュースやSNSを目にして情報を大量に浴びる。そして会社に行けば当然ながら仕事やリスキリングなどなど。

プライベートだってそう。
今日はどこに遊びに行こうか、買い物はどうしようか。
子供の受験は?塾は?学校は?クラブは?習い事は?周りはこうしているけどどうするの?などなど。
地方だって同じじゃんと思うかもしれないですけど、違いますよ。選択肢がないので笑 これを貧弱と思うのであればそれだけの話ですが、これは感性の問題なので、どちらにも正解はないです。都市・地域ともにメリットデメリットがあるというだけの話。

ただ、現代社会は地域の課題面ばかりを取り上げすぎているのではないか、という違和感はあります。

そして何よりも混雑の問題

どこに行くにも渋滞、混雑などは当たり前。普段、都市で当たり前に生活しているとあまり目がいきませんが、首都圏から少し離れて生活してみると、混雑がいかにストレスフルかよくわかります。通勤電車、バス、週末の交通渋滞、駐車場待ち、入場待ち、開店待ちなどなど。

ある朝、東京駅で電車から勢いよく降りてほかの乗客とともに階段を目指したときに、自分の体には何か特別なアルゴリズムが埋め込まれていて、自分の意志とは無関係に、ただ会社に向かっているのではないか、と思うことがありました。そこにいる無数にいる人は間違いなく「ヒト」なのに、その背中からは人間らしさを全く感じない。

あと、個人的な経験でいうと、私はサウナが好きなんですが、昨今のサウナブームも相まってサウナ室の前で大の大人が素っ裸で並ぶんですよ。あれって滑稽だし、もはやリラックスしに行ってるかどうかもよく分からない。だから大人気なスパ施設に行くのもやめました。完全に足が遠のきました。

過集積、過情報、過過密というなんでも過剰な都市生活

そんな違和感を積み重ねながら、私は真剣に地方への移住を考えています。自分が都市生活にストレスを感じているから、ということもありますし、そんな都市の問題があるからこそ、これから地方の時代になるのではないかとの思いもあります。
人口減少や高齢化、インフラの老朽化など地域経済の課題は山積ですが、都市の問題という点に改めて目を向けてみると、地方の未来に違った将来性を見出すことはできないでしょうか。だから私は、地域で生きていく。

その将来性については、また後日。

お読みいただきありがとうございました。

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