【Vol.1】令和版・FSの商談事前準備
前回の自己紹介を、たくさんの方に見て頂き感謝しています。
前職で初めてオンライン商談・オンラインマネジメントに挑戦し、その知見を社内で発信していました。
今回から、当時の情報をベースに少し補足・肉付けしながら紹介していきたいと思います。
(もちろん、オンラインに限らず対面商談で活用できる点も◎)
今考案中のタイトル、10本ほど(変更の可能性あり)。
(おそらく新しい情報!新発見!というものは少ないと思います、ごめんなさい。)
「当たり前のことを当たり前に、魂込めてやり続ける」「当たり前のレベルをあげる」ことを念頭に、日々仕事に向き合っています。
初歩的でちょっと地味な内容かもしれませんが(笑)、お付き合い頂けると嬉しいです。
事前準備の概要
アポ取得時の音声は商談前に少なくとも3回聞く
(アポ差配時・事前準備前・商談直前)事前アンケートの回収徹底
ホームページなどで情報収集
個社ごとの提案書準備(所要時間:10~15分程度)
2営業日前にアポの変更ないか電話
基本的に、これら全てを商談日の1~2営業日前までに完了させます。
相手の「声」を聞く、「顔」を思い浮かべる
ISがアポ取得時の音声データを取得している場合は商談前に少なくとも3回聞いていました。
(①アポ差配時・②事前準備前・③商談直前)
1回目はアポ差配後早急に聞くことがポイントです。
ISからの申し送りの内容では伝わり切れないニュアンスや、相手のニーズ・温度感を確認して、事前準備の優先順位付けや、クロスセルニーズの有無など準備すべき内容を整理をするためです。相手の「声」から、リスクも妄想していました(笑)
[例] 早口な人の場合 →「多忙そうだな」「結論から端的に伝えよう」
リスケ可能性もあるかもしれない、商談前事前電話の際に予定変更ないか、訪問かオンラインか齟齬が無いように明確に確認&伝えよう
商談時間が十分に頂けないかもしれない、「所要時間は〇分で考えてますが、前後のご予定問題ないでしょうか」と明確に伝えよう
この日十分な時間頂くことが厳しそうであれば、別日へのリスケも視野。
残営業日が迫ってる場合は、リスケは致命傷になりうるので日程に余裕をもって事前確認電話しよう
アポ取得時の音声の有無に関わらず、社名+商談者の氏名で検索して、顔写真があればどんな表情か、年齢はどのくらいか… イメージ。
ホームページなどの検索項目に関しては、詳細後述します。
事前アンケートの有効活用
目新しい手法ではなく実践している企業も多くあるかと思いますが、この「回収の徹底」を心掛けていました。
GoogleフォームなどWebアンケート形式で商談者や事業内容、業務の課題を回収すると、事前準備の精度も高まり、商談当日も相手にとってストレスが少ない進行ができます。
顧客からの問合せではなく、アウトコールで取得したアポの場合など、特に言えることですが「いきなり電話がかかってきて、長々と質問される」ことを歓迎する人は少ないです。
また、役職や売上など電話で質問しにくい項目や、「課題」や「他社ツール検討状況・導入状況」など咄嗟に聞かれて答えが出ないような項目もアンケートフォームを活用すれば、スマートに情報収集できます。
Webアンケート形式であれば、相手のペースで落ち着いて回答頂ける、というメリットもあります。
ホームページがない企業との商談の場合、このアンケートの回収が肝になることは言うまでもありません。
アンケートの項目は最低限知りたい下記の4つのカテゴリー+自社が取り扱うProductに準ずる設問を追加すると良いかと思います。
会社に関する質問(事業内容、売上、従業員数など)
商談者に関する質問(部署、役職、業務内容など)
システムに導入関する質問(既に導入しているシステムの有無、また他に検討しているシステムの有無)
業務課題(自社Productが解決できる範囲内で、複数選択式)
1.~4. の中で一番重要なポイントは「3.システム導入に関する質問」です。
業務フローや課題は商談中にも確認はできますが、「他社ツール導入状況(既存システムからのリプレイス)・検討状況(バッティング)」を事前に把握することが最重要です。
場合によっては、上司に商談同席を依頼することも得策です。
ネット上の情報を、とにかく収集
メンバーの商談前の壁打ちや案件相談を受けていた際「初回商談は、まずヒアリングします」という言葉が返ってくることがありました。
顧客のニーズ置き去りで、自社のProductを一方的に機能説明することは、以ってのほかです。
しかし「調べればわかることを調べずに、質問する」ことも同じくらい失礼だと個人的に思っています。
私が商談前に大きく2つのカテゴリーに関して、下調べをしていました。
【1】業界や事業に関して
Google画像検索
Googleキーワード検索
社内チャットでキーワード検索
(時間があれば) YouTube
その事業の業務フローは画像検索が便利です。
画像検索結果から、まとまっているものを2~3つ閲覧して、全体像を掴みます。
あえてニッチな事例で・・・私が初めての「足場工事」企業との商談に向けて調べた内容。
顧客の事業や業界のことを把握しておくことで、顕在化していない課題やニーズを抽出することにも繋がります。
ISがアポ取得時に課題ヒアリングを行っていた時は、その課題が実際に「業務フローのどこで発生しているか」仮説を立てる際にも有用です。
社内チャットで「足場工事」を検索も。
FSの受注報告・プロセスだけではなく実運用に関わるCSSの発信こそ重要です。
【2】企業・商談相手に関して
ホームページ
求人媒体(マイナビ、リクナビなど)
eight
Instagram、Facebook
<ホームページ>
未上場企業の場合は5分ほど、上場企業の場合は決算情報も読み込むので+α。
会社概要(事業内容、拠点数、社員数、売上)や、代表メッセージ、企業理念など、一通り確認します。
代表が何代目なのか、親族経営なのか、などもポイントとして押さえておきたい情報の一つです。
前職は建設VerticalSaaSだったので、施工実績(工種、施工対象物、顧客・発注者は誰か)にも目を通していました。
ホームページ内の採用情報のほかに、求人媒体の掲載状況も確認。新卒採用しているか、なども。
<求人媒体>
求職者に向けて自社のことをわかりやすく説明&アピールしているため、ホームページ以上に情報がリッチな場合も珍しくありません。
また、部署や職種の把握、職種ごとの募集要項を見れば、より詳細の業務内容や一日の流れなどの記載があることも。福利厚生や研修などから社員に対してどのような会社なのかも想定できます。
商談者の部署の上長の氏名が把握されていることもあるので、商談中に稟議フローをヒアリングする際もスムーズです。
<eight>
商談者の職歴や、現職には何年前から就任しているか、ほかに想定されるキーマンがいないか、どんな部署があるかの掌握に◎
<Instagram・Facebook>
可能な限りアカウント作成~直近までの全投稿確認します。企業として大切にしていること・同業他社との差別化になる取り組みを発見できることも。
実際に足場工事会社がInstagramを活用していたので、1件ずつ投稿を見ていると、ホームページでは得ることができなかった下記の情報が!
これらの「検索すれば出てくる」情報を把握しているか否かで、商談前時点で大きな差になります。
事前に「想定」する
情報収集を終えると、ISアポ取得時の音声をもう一度聞いた上で下記項目を想定します。
先方の課題
ニーズ
自社Productでの運用提案
事例
ゴール設定(Best・Better・Worstの3パターン)
この「事前想定」のスピードと確度を上げるには、とにかくProductの理解度を高めと運用事例の引き出しを増やすことです。
VerticalSaaSの場合は業種ごとの知見を深めると、類似するニーズを瞬時に想起することができるようになりました。
Horizontal SaaSは初めてなので、入社後にコツや知見を溜めていきたいと思います。
ゴール設定は決裁権の有無で変わってきますが、仮に決裁者の場合
Best:導入意思決定
Better:ほかステイクホルダーへの次回商談日確定
Worst:ほかステイクホルダーへの商談OKで、予定確認してもらい日程調整
ここでいうWorst Goalは「最悪の場合(=失注)」というより「最低でもここまでの状態にする」というイメージです。
商談資料は「少しの手間」で1to1のオリジナルに
また別記事でも詳細は発信予定ですが、マスターとなる商談資料は常にアップデートを心掛けています。
そのマスター資料に商談ごとに下記を加えます。
表紙に「〇〇株式会社御中」など社名と商談日をを記載
架電時の先方からのニーズや事前準備で得た情報を「予見整理」ページ追加
アンケートを回収できた場合は、その内容を抜粋して記載
追加でヒアリングするための項目を整理したページも
また、事前想定段階でバッティングやリプレイスの商談の場合や、クロスセルの場合は、その内容に即した資料を1~2枚追加など。
商談資料に事前準備やヒアリング項目を記載する3つのメリット
①商談時のカンペになる(新人商談スキル標準化)
②商談履歴に残すときそのまま転記できる
③受注後のCSS申し送りもスムーズ(引継ぎ内容の標準化)
事前確認の電話をする
アポの予定変更がないか、確認の電話をします。
前日だと、商談者の休みと重なる場合があるので「2営業日前」に。
相手の状況やリードソースにもよりますが、アウトコールからの商談作成の場合は特に「電話で根掘り葉掘り課題をヒアリングしない」よう留意しています。
予定の日時に変更がないか
商談所要時間の確認
オンライン/訪問の齟齬がないよう確認
オンライン商談は初めてか
PCにマイクとカメラはあるか
当日他に参加予定者がいるか(人数、部署、役割)
社用携帯、ない場合は直通番号の確認
事前アンケ―ト未回収の場合は、再度お願い
アンケート返信を再度お願いするときは、「アンケート返信頂くと、御社の現状や課題にあう機能や事例に重点置いてご案内できる」「当日限られた時間でポイント絞ってご案内できるように」など売り手の都合を相手のメリットに換言しながらお伝えします。
また「選択式で1~3分程度で回答できる」など、作業負荷が大きくないことをことも伝えると回収率は上がります。
必要に応じて自分からもアンケートメールの再送や、外出多い方にはスマホからでも回答しやすいようにURLをSMSでも送付していました。
問合せ商談の場合
温度感高い商談を確実に受注するために
問合せからの商談作成の場合、相手が何らかのツールを探している状態です。
前述の準備内容に加え、電話でもう少し詳細を聞きます。
情報収集段階か、具体的に導入検討段階か
他社システム検討状況(バッティング状況確認)
他社システム導入状況(置き換えか、別の領域か)
会社としてのニーズか、部署や担当者としてのニーズか
商談者が決裁権を持っているか否か
導入開始時期の目安
予算
導入目的
複数検討の場合の判断軸、重要ポイント
上記も可能な限りお聞きして、資料の「予見整理」ページにしっかり記載して商談に挑んでいました。
(同じことを何度も聞くのはストレス!前回電話で伺った内容を踏まえて今日はその先の議論であることを明示、相手が安心して商談を進めることができる状態に)
また、Excelや他システムで運用しているものからの置き換えを検討されている場合は、可能な範囲で事前送付も依頼しておくと、当日は運用提案まである程度固めた状態で挑めます◎
他にも意識的にやっていたことを思い出したら、順次追加していこうと思います!
ここまで長文お付き合い頂きありがとうございました。
少しでも役に立てる部分があれば幸いです。
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