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ステルスうどん(2023.12.29)

公園で遊んだ帰り、夕飯は家族で行きつけのうどん屋に行った。

そのうどん屋は以前にも何度かこのnoteでふれた事があるが、うどん玉を2玉(ダブル)にしようが3玉(トリプル)にしようが、お値段そのままで、しかも基本的にガヤガヤしているので、子供が騒がしくしても他のお客さんの目をあまり気にしなくても良いという、財布にも子供連れにもすごく優しいうどん屋であるという事は周知の事実であると思う。

今日も妻は子供に分けるためにうどんを2.5玉(うどんは0.5玉単位で細かく注文できる)、私は2玉(ダブル)にしたが、子供二人に分け与えたあとの私のごぼ天わかめうどんは、シングル(1玉)くらいの量になってしまった。私は「おかしい。こんなつもりじゃなかったのに」と内心思っていた。

しかし食事が進むにつれて、その疑問は私たちの頭の中でもむくむくと大きくなっていった。妻も「なんか少ないよね」と言う。

そして妻が自論を展開するに至る。

「1玉の量が明らかに減っている」と。

確かにそうだった。なんでそんな事に気づかなかったんだと思った。昨今の原材料高騰の波がうどん屋にも無縁であるはずがなかったのだ。うどん屋はやっていたのだ。ステルス値上げを。

あっという間にごぼ天わかめうどんを食べ終わった私。皆が食べ終わるのを指をくわえて待っていた。しかしどうにも食べ足りない。腹5分くらいだ。

私は他の客が食べていてとても美味しそうに見えた「釜揚げうどん」を追加注文することにした。シングル(1玉)くらいだったら余裕で食べることができそうだったし、シングルであれば「シングルうどん無料券」を使うことができたからだ。ちなみにこの「シングルうどん無料券」はうどん屋で飲食した際の金額に応じて配布される無料券で、3枚たまるとシングルうどんが無料で食べられるという、とても有難いものだ。

私はうどん屋のステルス値上げに対して糾弾しようという気は全くない。なぜならこのうどん屋に私たちが今までどれだけ救われたか分からないからだ。現に「シングルうどん無料券」などと言った大盤振る舞いのシステムが存在するうどん屋である。とても客を出し抜こうなどとは考えていないはずだ。相変わらず馬鹿みたいに客を大事にしているのは間違いない。

私は手元のタッチパネルで釜揚げうどんを注文した。子供たちはまだ食後のアイス(これも「おにぎり・アイス無料券」を使っている!)を食べている。

そして運ばれてきた「釜揚げうどんシングル」だったが、それを見て私たちはステルス値上げを確信した。「うどん少なっ!」と思った。うどんは大きめの樽状の容器の真ん中に僅かに漂っているだけだったからだ。

「なるほどこれがシングルの真の量か」

以前はシングルと言ってもそれなりに量があったはずだ。しかしこの量ではとても大人一人が満足できる量ではないように思えた。その事実が、「釜揚げうどん」という余計なものが一切ないうどんにする事で、白日の下にさらされたのだった。

私たちは納得した。しかしうどん屋に対して一切負の感情は抱かなかった。ただ淡々と「次から注文するときは0.5玉くらい多く頼む事にしよう」と、対策を立てた。

釜揚げうどんを食べている最中にとなりの次男(2歳)がアイスを食べ終わり、私にちょっかいを出してきたので、私は落ち着いて食べることができなかった。しかし初めて食べる釜揚げうどんは熱々でとても美味しかったので、次来るときは釜揚げうどんを2.5玉くらいで頼もうと思った。

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