伍魚福の社内制度その1〜ヒット商品提案制度〜
伍魚福は工場なきメーカー(ファブレスメーカー)です。
そこで重要となるのは、商品企画、コンセプト作りです。
新卒の採用活動を行い、大学生と面接をして「どんな仕事がしたいか」と聞くと、だいたい8割以上の学生が「商品企画をしたい」と言います。
伍魚福の全メンバーが約70人。
そのうち商品企画チームのメンバーは、7名。
全体の10%にすぎません。
その他のメンバーの「商品を作りたい」という思いを活かすには?
そう考えていたときに、何かのテレビ番組で小林製薬さんの商品アイデア提案制度を知りました。
そこで、商品開発のリーダーと相談して作ったのが「ヒット商品提案制度」です。
2008年度よりスタートしました。
スタート当初は、全員目標通りの提出が義務となっていました。
途中、社内メンバーの欠員が出て超多忙になったりしたため、現在は「ノルマ」ではなく提出は任意にしています。
アイデア1件につき100円のインセンティブを支給します。
古いデータですが、商品化にたどり着くのはこのような狭き門です。
私が5点をつけなかったアイデアについても、作ったら売れるはずだ、と思っているメンバーもいます。
「社長の目は節穴か?」という声が聞こえたような気がした(笑)ので、そこまでいうのなら、自分で周りのメンバーを説得してくれ!ということで、アイデアの敗者復活プレゼンイベント「熱い思いをプレゼン大会」を開催しています(現在はコロナのためお休み中)。
2009年に始めましたが、表彰を「プレゼンがおもしろかったで賞」「チームワークがすごかったで賞」「商品化すべきで賞」としたため、「おもしろい」に特化してプレゼンするチームが続出。
まじめなプレゼン大会なのですが、寸劇あり、紙芝居あり、最近はパワーポイントになりましたが、手作り感満載のとてもおもしろいイベントになっています。
朝日新聞の夕刊「へぇな会社」という連載コーナーに「商品開発は寸劇仕立て」という見出しで掲載いただいたことがあり、単行本にも収められています。
多分、この本、記事がリサーチにひっかかり、「カンブリア宮殿」の候補にあげられたようで、ディレクターが「プレゼン大会を見たい」と電話して来られたのが、番組出演のきっかけになりました。
ちょっと変わった取り組みを長く継続していると、「おもしろい会社」だね、ということになり、パブリシティにもつながります(盛り上げていただいたTEAM GOGYOFUKUメンバーに感謝です)。
それ以前にも、NHK大阪の「ルソンの壺」でこの制度を取り上げていただいたことがあります。
その際には、「クリームチーズ生ハム包み」の開発秘話も時間を割いて登場しました。
当初「チーズと生ハムのサンド」という商品アイデアだったので、それだと見た目もいまひとつなので「3点」の評価で落選させていたのですが、提出者の下田社員がどうしても実現したかったようで「プレゼン大会」に。
試作品をつくってみなさんに試食してもらう等の熱意が伝わり、商品化を検討することに。
サンドイッチ方式ではなく、クリームチーズを巻く形で商品化されて、ヒット商品となったものです。
商品アイデアを毎月提出し、私が採点することで、メンバーの企画力も見えてきます。
そんな中で、商品企画チームの仕事をしてもらうような流れもできています。
机にかじりついて考えても良い商品企画はできません。
いつも問題意識を持っているから、ふとしたはずみで商品アイデアにたどりつく。
「セレンディピティ」は意識し続けるからこそ出会えるのです。
今後も、チームメンバー一人ひとりのアイデアから、ヒット商品を生み出す活動を続けていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました! 伍魚福の商品を見つけたら、是非手にとってみて下さい。社長のいうとおりになってないやないかーとか、使いづらいわー、とか率直なコメントをいただけるとうれしいです。 https://twitter.com/yamanaka_kan