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好きなもの語りvol.02 - そんな餌で釣られクマーッ「2ちゃんねるオカルト板」

怖い話は好きですか?

僕は苦手です
しばらく、その怖い話に出てきた怖いものが身の回りで突然出てくるんじゃないか?
と、どうしても考えてしまってしばらく恐怖に震えてしまうのです!
ヒエッ…

でも、好きです
世界にあって欲しいよねッ…
科学で観測できない人智の及ばない超常的なコト…


怖い話を考察するのも、考察を見るのも好きです
例えば、人間の脳や体の動作は電気信号で成り立っているからその電気信号だけが取り出されたものが幽霊なんじゃないか?といった(似非)科学の考察も
もう、ほぼ妄想の域に入っているようなスピリチュアル系の考察も
どっちも面白い

現実にはほぼありえない、でも様々な角度からたくさん検討されていてリアリティがあってそれっぽい…できることならあって欲しい


2ちゃんねるのオカルト板発祥の話は、ほとんどそのようなものだと思っています
後から釣り宣言されることも多いしね
でもそれがフィクションだと知るまでの過程が楽しいのです
フィクションなのか現実にあることなのかわからなければわからないほど良い…

5chになって、ほぼ廃れて、今はどうなっているのか知りませんが、
20年くらい前のオカルト板の風潮は
「その話が本当か嘘かはともかく全力で信じて乗っかる」
スタンスの人が多かった気がします(「釣り乙」と言うと若干煙たがられていたような…)

スレ民は僕と同じように、
できることならあって欲しい
と思っていたのかな?

真相はわかりませんが、2ちゃんねるオカルト板の中でも好きなスレや、「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」スレ(通称:洒落怖)の好きな話について語ります

本当に危ないところを見つけてしまった(通称:蓋スレ)

リアルタイムで追っていました。リアルタイムのドキドキ感が良かった

スレ主のHINAが知り合い数人と肝試しで、
謎の柵を超えたところにある蓋を開けて中に入っていったところ、
その蓋の下に誰か人がいて、それに見つかり、
知り合いが帰ってこなかったというところから始まります

岡山県倉敷市での話ということで、
その地域にいるスレ民が場所を聞いて現地に突撃します

蓋の中にいた人が小指がなかったとかなんとか…危ない匂いを漂わせつつ、
突撃したコテハン達の報告や
柵、蓋の写真が上がってゆく…

しかし、突撃するコテハンの数が多くなってゆくとそれぞれの人で、合流できないという話や、同じ場所にいっているはずなのに話が食い違い始める…

混乱し始めるスレ…そこで途中から出てこなくなっていた、スレ主のHINAが病院にいたとのことで突然登場し、意味深なことだけ言い出す、核心には触れない

なんだったんだ?と思いつつ突撃したコテハンも意味深なことを言い出したり現れなくなったり…
で混乱しつつも、だんだんグダグダに…

といった流れでした

しりすぼみになりそうになりつつ、数年経って実際の場所が特定されて、釣りだったことが判明したのですが
この途中のスレが混乱して誰が本当のこと言っているのかが分からなくなる感じが面白かったんです
くそ!こいつら!焦らすな!はっきりとしたことを言え!気になるだろ!

面白さの内容は、ミステリーを読んでいるのと同じなのですが、
作り物ですよ!というのがはっきりとわかっている小説やテレビ番組なんかと違って、
実在の一般人が何人も巻き込まれてリアルタイムでやっている

そのことによって、もしかしたら本当に何かあるのかも知れない…!と感じるリアリティのあるドキドキ感!
グダグダになったところで一旦見なくなったのですが、
この途中でグダグダになるところも含めてリアリティがありました

リアル

これが一番怖かったです
今でも思い出して怖い
なので、この記事を書いていても読み返しませんでした
だって怖いんだもん
でもこの記事書いた後、深夜に思い出して寝られなくなりました
勘弁してくれ

鏡の前で特定の動作をすると鏡に悪霊が写り、その悪霊(主人公は「あいつ」と呼んでいた)に取り憑かれてしまう
悪霊がたびたび見えてしまい干渉してくることで、お話しの主人公は精神をすり減らしてゆく…
お寺の住職に相談したところ、その悪霊が強すぎてどうにもできない、でも寺で長い間修行をするとおさまるかもしれない、しばらく修行していたらまぁおさまった
と思いきや、数年経って住職はその悪霊の力で死んでしまい、お話の主人公も実は…
じゃあ語っていたのは…

という話です
何が怖いって、鏡の前でする特定の動作が明かされていないことです
簡単な動作だということだけわかっている…

つまり、自分も偶然やってしまう可能性があることです
そんな話されたら鏡見られなくなっちゃうじゃん!鏡見たら「あいつ」が映っていたらどうしよう!と思っちゃうじゃん!

神戸市北区の一軒家いらないか?

神戸市の山沿いの一軒家に住んでくれる人を探しているという話から始まります
数年後に、引き取った人のコメントがちらほら見られてどうやら幽霊のようなものが夜に出現するという話のようですが、子供の声のする肉塊が出現するという話でした

住んだ人のコメントで、
自分はもう嫌です「せつない」です
というのがすごく印象的なんですよね
怖いとせつないが同時に来る、その感情をどうしても想像してしまう

また、3日間家を空けるな、死ぬまで住んでくれという条件も気になります
どうなっちゃうんだろう…

さらに神戸市北区の稚児ヶ墓山物語という非常にそれっぽい昔話が裏付けとして付き、どんどんそれっぽくなってゆくのです

最終的にネタだったという宣言がまとめサイトのコメント欄でされるのですが、
これをまるっきり信じても良いのか…?
嘘ってことにしたいだけなんじゃないか…?
とも思ってしまいます

元が匿名での投稿なので本人だと証明できる術がなく、
結果的に嘘か本当かわからないせいで、とてもそれっぽい話になるんですよね
あぁ〜それっぽいそれっぽい

現れるのが肉塊というのも不気味というか得体のしれなさを増長していると思います
これが子供の幽霊だったらここまで心惹かれる話ではなかった

肉塊といえば、徳川家康が「ぬっぺふほふ」という妖怪と遭遇したという話や、中国の「太歳」など近い話がいくつかあるんですよね
粘菌の塊や奇形の人間など諸説考えられると思うのですが、正体不明であって欲しい!肉塊!謎の肉塊!すき!

人は…正体不明の肉塊に心惹かれてしまうのだ….

鬼門を開ける方法

このTHEつぶろさんというブログも好きで熟読していました
考察が地に足がついていて、突飛でないのが良かった

このブログでは関係ないだろうと結論つけられていますが、
鬼門を開ける方法を実践した人がいた一方で、変死事件があった
このふたつが結びついているのが良い!

しかも、どこぞの社長宅にある水の入っていないプールの中で死んでいるという、
社長宅、水の入っていないプール
の2単語がインパクトが大きい!
それによって、不可解だな…もしかしたら呪いか何かなんじゃないか?と思わせる材料が揃っていたのだと思います

あと、特定の順番で何かをする儀式みたいなやついいよね
エレベーターで異世界に行く方法とかも好き

あの、昔あったポケモンで道具の14番目でセレクトボタン→Bボタン→Bボタンを押す裏技のように
特定の動作をすることで現実世界でも、ゲームのバグのようなものが起こるのではないか?
と考えるのが夢がある〜〜〜

オカルト板での紹介から知られたタルパというものがありますが、
作成した人が増加して、もはやコミュニティ化しています

結構いろいろな原因で幻覚が見えてしまう人間の脳であれば、タルパは意図的に作れるんだろうな〜と思っています(何をどこまでタルパと呼ぶのかはわからないけどね…)

タルパの、
手順に沿って意図的に人格を持った自分にしか見えない存在を作るバグ技感も好き…


くねくね

もはや有名な話ですね

夏休みで田んぼのある田舎に行くと、田んぼで白いくねくねした「何か」を見つける
兄はそのくねくねした「何か」を双眼鏡で見た結果、正体を悟ってしまったようで、
「わからない方がいい」とだけ言って家に帰ってしまう
その後、満面の笑みでその「何か」のようにくねくねと踊るだけになってしまった
祖父に「お前、あれを見たのか!?」と詰め寄られる
兄は知的障害になってしまった。もう戻らない

というお話です

この、
田舎に行って怪異に遭遇した後におじいちゃんに、あれを見たのか!なんてことを!
と言われる話であったり、
あそこには行ってはならんぞ、と諭されたのにも関わらず行ってしまってひどい目に遭う
みたいな話って一種のパターン化してない?洒落怖

おじいちゃんさ、孫を守りたいならもうちょっと上手くやれないの?
と若干思いつつも、
田舎の古くからある祟り的なものに触れてしまう話ってなんかありそうなんですよね

実際に何かありそうな場所ってあるもんね…

僕の大学時代を過ごした青森県弘前市も
久渡寺という、街中から1時間くらいバスに乗って行けるお寺があり、オシラ講というのをやっていると聞いて行ったことがあります

オシラ様って
遠野物語の話のひとつで、馬と恋に落ちた女性の父親が怒って馬の首を切り落として殺した、女性は悲しんで馬と一緒に天に登り、それがオシラ様になったという話を知っていたのですが、久渡寺のやつってなんか違うんだよね

弘前のオシラ講に関してはあんまり調べていなくてそんなに知らなく、なんとも言いようが無いんですが…(これ書いていたら気になってきた。今度調べよう)

地域でだけ伝わる伝承は日本中どこにでもあり、
地域や時代を跨ぐことで伝承が連想ゲームみたいに変化していく様もどこにでもあります

くねくねのような話って、その伝承のひとつみたいなリアリティがあります

(番外編)近畿地方のある場所について

昔話でもなく最近の話で、オカルト板の話でもなくカクヨムに投稿された創作の話なのですが、
間違いなく2ちゃんねるオカルト板(というか、洒落怖スレ)と同じ系譜で、とても怖かったので…

リアルと並ぶくらい怖かった…

(以下ネタバレあり)

断片的な話が合わさって最後にひとつの話につながってゆく、その断片的な話のなかでいくつも印象的なものがあるのですが、僕が一番印象に残ったのは、
赤い服を着たひたすらジャンプする女
です

なんかいくつかの話を連想しちゃうんですよね…

似ている話があると、想像がより明瞭になってな….


時代が進むと、昔の話との関連性や結びつきでよりその話の輪郭がくっきりしてきてリアリティが増す

話がずっと生きているような感じ

昔の人の感情が民間伝承として、断片的に形を変えて伝わって現代まで残っている
それが現代でも創作のネタとして使われたり、保存すべきもの、研究すべきものとして人々の記憶に残る…

インターネット発祥のオカルト話も、さらに時代を経ることで同じような立ち位置になってゆくものもあるでしょう

このように
人々の語りと記憶を通して、過去の人の感情が長い時間を生きてゆく…
なんだか、「人の営み」のようなものを感じませんか?

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