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ハワイ・マウイ島山火事の復興支援につながるカレンダー『ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi』

やわらかなハワイの風を感じるかのようなやさしい海と空のブルー、草花のピンクやイエロー、ピンクオレンジのサンセットシーン。これらのハワイの風景を長年にわたり撮影してきた写真家の市橋織江さんによるカレンダー『ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi』が発売となりました。このカレンダーに言葉を添えたのは、市橋織江さんと多くのハワイ本を手掛けてきた編集・ライターの赤澤かおりさんです。noteでは、赤澤かおりさんによるカレンダーの生まれた背景をご紹介します。   (執筆・赤澤かおり)

 ハワイのカレンダーを作りませんか? と声をかけていただいたのは、まだ寒さが残る2023年の早春の頃でした。

 好きが高じてハワイと日本を行ったり来たりするようになって30年以上、ハワイにまつわる本を執筆することになったのは、今から17年ほど前になります。そのときも、今回のカレンダーと同じく「ハワイの本を書きませんか?」と声をかけていただいたのが始まりでした。

 そのときから共にハワイの本を作ってきたのが、今回のカレンダーの写真の撮影者で、写真家の市橋織江さんです。市橋さんとは雑誌の仕事を通して知り合い、いつか市橋さんの目を通したハワイを撮って欲しいなと漠然と思っていたことから、ハワイの本をとお声がけいただいたときにすぐにお願いしたのがきっかけです。それから長きにわたり、ハワイをはじめ、料理本など共に本作りをしてきました。
 彼女が写すハワイの色は、まさに私の目に映るハワイそのもの。当時、目にしていたビビッドな色合いとは正反対のやわらかなトーンに、新しいハワイを感じた人もいたのはないかと思います。また、私のように「今まで感じ、思っていたハワイの色は、こうだった」と感じ入った方も多かったのではないかと思います。

6月のカレンダー。オアフ島のピンクパレスで知られる
「Royal Hawaiian Hotel」の中庭で行われていた、いつかのウェディングパーティー


 市橋さんが映し出すハワイの色に導かれるようにして私は、この数十年もの間ハワイのことを書き続けてきました。今回、カレンダーをとのお話をいただいたとき、真っ先に市橋さんのあの写真を思いました。あのハワイの優しい風景を、家のどこかで一年を通して眺めることができたら、と思ったのです。
 選ばれた写真を見ながら市橋さんと巡ってきたハワイでの日々を想い、文章を寄せさせていただきました。
 デザイナーは、当時からずっとハワイの本を共に作ってきた茂木隆行さん。久しぶりのハワイ本製作メンバーとのタッグはとても心地良く、ハワイで過ごしてきた時間が蘇ってくるようでした。
 
 そろそろカレンダーの形が見え、印刷所に入稿というとき、マウイ島の山火事が起こりました。ハワイに関わってきたひとりとして、微力ながら何かできたらと思うのは、ハワイを旅した人、あるいは心を寄せてきた方なら誰でも思ったことでしょう。私もそんなひとりでした。そこで、純粋なものづくりから始まったハワイへの想いが形になったものの売上の一部をマウイ島の復興支援に寄付させていただければと編集部に相談したところ、快諾をいただけました。
 そんなわけで10月10日に発売になるこのカレンダーの売り上げは、一部マウイ島への支援(マウイストロング基金)へと寄付されることになりました。

 先日、3年半ぶりにハワイを訪れ感じたことは、いろいろありますが、皆、さまざまなかたちでマウイへの支援へと地道に努力を重ねていたことがとても印象的でした。それは買い物したおつりを募金箱に入れることだったり、ライブミュージックのチップをマウイ支援に送ることだったり。マウイ産のものを買うことだったり。大きなことをしなくても、想う気持ちからすぐに行動に移すローカルたちの温かなパワーに胸を打たれました。私も微力ながら、共感した活動に協力してきました。こういった活動は一瞬のことではなく、持続することが必要とされてくると思います。だからこそ、大袈裟ではなく、できることを長く地道に。と、自分にも言い聞かせました。
 若かりし頃の私は、まさか自分の人生がこんなにもハワイと関わっていくとは、思ってもみませんでした。だから、今までたくさんのハッピーをくれたアロハな島の再生に向け、地道に静かに自分のできることをしていけたらと思っています。

7月のカレンダー。ハワイ島の東の町、ヒロにある
「Low International Food」というお店のレインボーブレッド


12月のカレンダー。世界にサーフィンを広めたハワイのレジェンド「デューク・カハナモク」

●写真
市橋織江
写真家。広告や雑誌、アーティストなど多分野で写真を手がける。またTVCMを中心にムービーカメラマンとしても活動し、映画『ホノカアボーイ』『恋は雨上がりのように』ドラマ『オリバーな犬、(GODHI!!)このヤロウ』『雨の日』などで撮影監督をつとめる。世界の様々な地を独自のトーンと視点で切り取った作品を発表し続ける。主な写真集に『サマーアフターサマー』『TOWN』『PARIS』『BEAUTIFUL DAYS』『Gift』『SHIBUYA-KU』(私立恵比寿中学)などがある。
 
●編集・文
赤澤かおり
料理雑誌の編集部を経て、2002年からフリーのライター・編集者に。以来、20年以上にわたり、料理本作りに取り組み続ける。2007年には好きで通いつめたハワイについての本『Aloha Book』(六燿社)を出版。その後もハワイに関する本を作り続ける。ハワイ関連の近著に『Hawaii noteハワイ手帖』(KADOKAWA)、『ハワイアン・プリント・ブック』(筑摩書房)などがある。
 
●デザイン
茂木隆行
グラフィックデザイナー。2007年出版の『Aloha Book』から、市橋織江、赤澤かおりとのハワイ本のデザインを担当。その後『Hawaii Book』 『Mahalo Book』 『愛しのハワイ』 『Go! Go! Farmers’ Market in Hawaii』 『ハワイアン・プリント・ブック』など、多数のハワイ本のデザインを手がける。他にも料理や手芸、音楽といったジャンルのブックデザインなど、幅広く活躍している。

【商品詳細】
書名:ハワイ 市橋織江 Hawaii 2024 Orie Ichihashi
著者:市橋織江
定価:1760円(本体1600円+税10%)
発売日:2023年10月10日
仕様:縦30cm×横30cm(展開:縦60cm×横30cm)・本文28ページ
月めくり、壁掛け、天穴、月の満ち欠け、ハワイ王朝の誕生日を掲載

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