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夏休みは公園で「きのこ」を探そう! 8月に出会えるきのこ5選

いよいよ夏本番。
「きのこ」というと秋のイメージですが、実は夏こそがベストシーズンなんです!
『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』の著者で、きのこ・粘菌写真家の新井文彦さんおすすめの、8月に街中の公園で出会えるきのこ5選を紹介します。

コケの間に潜む、かわいい小悪魔
ヒナノヒガサ

コケの間から生えるミニサイズのきのこ(『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』より)

こんなところに、こんなにかわいくてきれいなきのこ! と、見つけたら嬉しくなること間違いなし。コケが生えている場所をじっくり探してください。」(新井)


夏から秋に、林や庭のコケの上に生えます。
透明感のあるオレンジ色が被写体にぴったり。傘の直径が1センチ弱と、とても小さなきのこです。

こんなにかわいいのに、中枢神経系に作用する毒を持っているれっきとした毒きのこだとか!
食べずに鑑賞して楽しみましょう。

千本、二千本は当たり前!
イヌセンボンタケ

その数、千本は下らない!?(『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』より)

きのこ、きのこ、きのこ……と圧倒されるほどの数で群生します。
きのこに覆い尽くされた倒木や枯れ木を見れば、きのこすげえ!ときっと感動すると思います。
」(新井)


春から秋、公園の切り株や倒木上に大発生。
小さいけれど存在感は抜群です!

生えたばかりは白く、数日で灰色〜黒色に変色し、ぼろぼろになってしまいます。
新鮮な時に出会えたらラッキーかも?

たまごから生まれる赤いアイドル
タマゴタケ

赤い傘と黄色い柄、根元の白い「ツボ」がチャームポイント(『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』より)

美しい姿を鑑賞しつつ、食用にもなるきのこ。
赤っぽい傘、黄色い柄、柄の根元に見られる白い「たまご」の3拍子が揃っていることをチェックしてみてください。
」(新井)


おとぎ話に出てきそうなポップな配色。
いかにも珍しそうですが、意外と都市の公園で出会えることもあるんです!
しかも美味しいので、きのこ界でアイドル的な人気を博しています。
お散歩でこんなきのこと出会えたら嬉しいですよね。

未熟な時はたまごそっくり。
成熟するにつれて、白い卵を割りながら、赤い傘が伸び出てきます。

瓦のように重なって発生
カワラタケ

瓦のような藍色が美しい、重なって生えるカワラタケ(『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』より)

個人的には日本でもっとも身近に見られるきのこのひとつだと思っています。
一見地味ですが、よくよく見ると、傘に様々な色が混じっていてとてもきれいです。
」(新井)


庭、街路樹、公園などでよく見かける、新井さんお墨付きの身近なきのこ◎
一見地味ですが、傘をよく見ると、ビロードのような艶と模様がとっても綺麗です。

紺色や茶色など、色のバリエーションがあるのも注目してみてください。

材を染める青い宝石
ロクショウグサレキン

倒木の上のロクショウグサレキン(『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』より)

小さいながらも宝石レベルに美しいきのこ。
これほど見事な青は他ではお目にかかれません。公園や里山を歩いていると本種の菌糸で青く染まった落ち枝も目立ちます。
」(新井)


数少ない青いきのこ。画鋲のような形も面白いですよね。
名前のロクショウは、銅が錆びて生成される「緑青」から付けられたようです。

森林公園や、山の中の湿り気が多い場所で、倒木や落ちた枝から生えます。
きのこは小さいですが、材まで青く染まるので、こちらに注目するのが見つけるコツ。


お気に入りのきのこは見つかりましたか?

梅雨も明けて、アウトドアが楽しい季節。
キャンプ場や登山道でも、足元に注目すると、かわいいきのこに出会えるかも!

『散歩道の図鑑 あした出会えるきのこ100』は、はじめてのきのこ観察にぴったり。
ぜひチェックしてみてくださいね♪

■著者
新井 文彦(あらい・ふみひこ)
1965年、群馬県生まれ。きのこ・粘菌写真家。
主に北海道や東北地方で、きのこや粘菌、コケ、地衣類など、陰花植物を中心に撮影。ウェブサイト・ほぼ日刊イトイ新聞で、2011年3月から「きのこの話」を連載中。
主な著書に『きれいでふしぎな粘菌』(文一総合出版) 、『もりのほうせき ねんきん』(ポプラ社) 、『森のきのこ、きのこの森』(玄光社)、『粘菌生活のススメ』(誠文堂新光社)、『きのこのき』(文一総合出版)、『きのこの話』(筑摩書房)など。

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