サラリーマンがM&Aで事業を始めるために押さえておくべきこと①

最近はサラリーマンがM&Aで会社や事業を買い、起業すると言う流れがトレンドになりつつあります。
起業しようとなると、営業や購買だけでなく、法律・税務、そして資金繰り等、様々な仕組みを一つ一つ試行錯誤しながら作っていくことが必要になります。
M&Aによる起業は、このような時間と手間を省略することができるメリットがあります。

しかし、M&Aは事業として既に走っています。例えるなら走ってる自転車や車、飛行機に飛び乗るようなイメージになります。M&Aによる起業はハードルが高いという事も知っておいて下さい。

このためサラリーマンがM&Aを利用して起業する際、注意しなくてはいけない点がいくつかあります。

まず1つ目
何をさておき、そのビジネスが好きで情熱を持っていることです。
経営者はサラリーマン時代とは違い、四六時中休みなくビジネスの事を考えています。経営者になるとマインドセットが変わります。自ら求めてずっと仕事をしています。そのためには好きな仕事であればなお夢中になれます。そしてそれ位でないと経営をするのは厳しいかもしれません。

2つ目
サラリーマン時代にいた業界と同じ業界もしくは近隣の業界のビジネスであること。
自社内の人はそれが常識となっている事でも、他社から見れば非効率な事、取り組んでいて当たり前の施策がなされていないなど、経験を積んだ業界であれば今までの知見を活かす事が出来ます。
反対に今までセールスマンをしていたが、飲食店を一度やってみたかったとビジネスのイメージがしやすい業界を選ぶ事がありますが、あまりお勧めできません。飲食業はイメージとは違い、激しい競争にさらされる非常に利益を出すのが難しい業界の1つです。
今までの経験が活かせる同業界、近隣業界を選びましょう。

3つ目
これはどの業態にも必須のスキルでなんだ当たり前じゃないかと思われると思いますが、営業力。中小企業の営業のほとんどは社長が担っており、社長の力量にかかっています。
もちろん既にある程度の売上が立っている事業をM&Aで買うため、基本的な売上はあるのですが、そこからどれだけ伸ばせるかがポイントになります。
M&Aは売手の実力(売上や利益、純資産)を基に売買価格が決定されます。買手は売手の事業を大きく伸ばせてこそ安く買えたということになり、反対に売上を落としてしまう様だと高い買い物だったということになってしまいます。いわゆるシナジー効果と言われるものです。

4つ目
そしてもう一つ大切な事は、資金繰り、いついくらのお金が入ってきて、いついくらのお金を支払わなくてはいけないのかのスケジュール管理ができることが大切です。
どれだけ利益を出していようが、お金が入るタイミングより出ていくタイミングが早ければ倒産してしまいます。いわゆる黒字倒産というやつです。
経営者の中には貸借対照表や損益計算書が苦手な方もいらっしゃいますが、中でも資金繰りだけはサラリーマン時代から勉強しておいて下さい。

M&Aで事業を買って起業する際には少なくとも以上4つのポイントに注意して下さい。
大事なものについては適宜加筆していきます。

次回はサラリーマンがM&Aで事業を始めるために押さえておくべきこと②として、

M&Aで起業するためにはどういう規模の会社を選べばよいか?

についてお話します。

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M&Aのご相談は山川会計事務所 グローアルM&Aコンサルティングへ

公認会計士 山川 賢記

http://www.yamakawa-cpa.com/

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