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3Dプリンターとレーザーカッターで劇団グッズをつくってみた@トンカンテラス

こんにちは。演劇ユニット「さよならキャンプ」の制作・広報などをしている山田です。いつも応援くださる皆様、気にかけてくださる皆様、本当にありがとうございます。

さよならキャンプは福井県で活動する4人組のユニット。2021年3月に旗揚げしたので、この3月で2周年を迎えます。3月4日には新作公演「あなたがどこにいても」が開幕する予定で、稽古や準備も大詰め。忙しくなってきました。

つくりたいものがあるんだ

さてそんな中、私にはつくりたいものがありました。

話はすこし飛びますが、こちらはさよならキャンプの看板。旗揚げ時にトンカンテラスさんにお願いして作ってもらったものです。

トンカンテラスは福井県福井市にあるものづくりの地域拠点。3Dプリンターやレーザーカッター、ミシン、のこぎりなどの工具もあって、ものづくりをしたい人をサポートしてくれる心強い場所です。

実は代表の黒田さんと山田は大学院時代のサークル仲間。卒業後は全く接点がなかったんですが、トンカンテラスのオープンとさよならキャンプの旗揚げが良いタイミングで重なり、こうして看板をつくってもらうことができたのです。
(二人でしゃべる番組も始めるなどしています↓)
#3 ほっしーが劇団さよならキャンプを立ち上げるまで 【ゆーせー・ほっしーのTONKAN RADIO】 - YouTube

旗揚げ会場としてお世話になった天王山安楽寺の住職 せいはんさんとメンバーと看板

この看板、既成のものにはない味わいやあたたかみがあって、持ち運びやすい形や軽さもとっても機能的。もちろん見た目もかわいく「顔」としての存在感もあるので、メンバーみんなのお気に入り。公演にご来場のお客様も、写真を撮ってSNSにアップしてくださったりします。

私がつくりたかったのはこの看板のミニチュア版。デザインや形をそのままにぎゅっと小さくして、しかもクリップにして、メモや小さなフライヤーなんかを挟めてしまうオリジナルグッズ。間違いなくかわいい。なんとかして次の公演までに形にしたい!と思ったものの、

完成イメージはある。
でも作り方が分からない。
あと道具もない。材料もない。

つくりたい気持ちとちょっと億劫な気持ちが出たり入ったりするようになってしまったので、このままでは実現できない!でもひとりではどうにも手のつけようがない。ということで今回、トンカンテラス黒田さんに相談してグッズづくりをサポートしてもらうことになったのです。

まずはレーザーカッター

「こんなのつくりたい!」という気持ちとイメージをざっくりと伝え、その次の日トンカンテラスを訪問すると、

トンカンテラス代表 黒田さん

すでに試作を始めてくれていた黒田さん。仕事が早すぎる!
トンカンテラスには木材の在庫がある場合もあって、今回はそちらを活用させてもらいました。ものづくりビギナーにとって木材の世界は奥が深すぎて、材料探しからスタートしていたら深みにハマって抜けられなかったかも。軽快なスタートがとってもありがたい。

プリントは本物の看板と同じようにレーザーカッターで。もうかわいい。焦げた色味や絶妙なムラ感が味わいがあって良いかんじです。これも木材の質感や厚みなどいろんな要素で仕上がりが変わるので、こちらの希望をもとに設定を調整してもらいました。

トンカンテラスでは会員登録をするといろんな機材を使えるようになり、使い方のレクチャーやサポートもしっかりしてもらえます。今回私たちは黒田さんに1からサポートしてもらいましたが、会員になって使い方を覚えれば自由にものづくりを楽しむこともできちゃう。すごい。
くわしくはこちら(トンカンテラスHP内)

さよならキャンプ主宰 沼畑さん(ぬまちゃん)にレクチャーする黒田さん

形のバランスや刻印の具合など細かいところも確認して、製品のイメージを固めていきます。そして

本番カットをスタート。今回は黒田さんに細かい設定をしてもらって、ぬまちゃんはスタートボタン押し係。あとで山田も押しましたが、クリックひとつで大きなレーザーカッターが動き出すのがなんとも言えない快感と緊張感。

一度スタートしたらあとはレーザーカッターさんにお任せ。その間にクリップとして機能するように仕掛けを考えます。

買うくらいなら作っちゃえば?

クリップについて、山田の頭の中ではこんなことがうごめいていました。

「看板の形をしたクリップにしたい」
→既成のクリップを何とかしてくっつければクリップらしくなる気がする
→でも接着剤で付けるだけで安定するのか不安…
→あと、できればもうちょっと特別な仕様にしたい

ということで、不安や欲望だけは次々湧いてくる。黒田さんにそのままを伝えたところ、

こんなものを提案してくれました。この白いパーツ、一見ただの柔らかそうなプラスチックの板。実はこのパーツをつくったのは

こちらの3Dプリンター。よくよく考えてみると「ただのプラスチックの板」と言っても、それをどこかで入手しようとするとなかなか難しい。今回の看板にあったサイズと色と素材と……と、しっくりくるものにすぐ出会えるとは限りません。

だったら作っちゃえば?ということで一瞬で設計して出力。黒田さんはこんな感じで日常生活で3Dプリンターを活用しているらしく、トンカンテラスにも1点ものの3Dプリンターグッズがわんさかあります。

サンプル完成!でも……

ということで、レーザーカッターの完了を待ちながらサンプルをつくってみることに。3Dプリンターでつくってもらったパーツを瞬間接着剤で張り付けてもらうと(してもらってばっかり)

わーうわー!かわいい!完成品は最高の仕上がり。イメージ通り、むしろそれ以上です。最高!

でもひとつ問題が……板とクリップパーツの接着、難しすぎない?

クリップとして成り立たせるためには、そのパーツにある程度の弾力と強度が必要。ということは接着するときにもその弾力と強度が人間の手に反発してくるわけで、こちらから力をかけて安定させつつ、しかもココ!という場所にくっつけなければいけません。これはちょっと職人技が過ぎる。

そんなに器用な人じゃなくても、そこまで難しくなく、しかも商品として良い感じに仕上げられるパーツ。何とかならないものか。

立ち上がった黒田さん。トンカンテラスの壁に張り付いてるホワイトボードに絵を描き始めました。ちなみにこのホワイトボードは取り外せるらしく、テーブルに置いて書きながらミーティング・・・みたいなこともできるようにしてあるそうですが、まだやったことはないそうです。

ものづくりアドバイザー黒田さんが検討と試行錯誤を重ねてくれた結果、一体どんなクリップパーツが仕上がったのか。それはぜひ公演会場で、実物を手にとって確認してください。

やってみようじゃないか

とはいえ、3Dプリンターって1つのパーツをつくるのに結構時間がかかります。パーツの量産作業は黒田さんに甘えさせてもらうことに。

改良前のクリップパーツの取り付けがいかに難しいか、ぬまちゃんに試してもらうことにしました。

黒田さんからパーツの取り付け方のレクチャーを受けるぬまちゃん。手先の器用さには自信があるそうですが、職人技にどこまで追いつけるか。

「私がつくりました」

できました。意外にきれいにできてしまいました。制作レポートの流れ的には「全然うまくいかない!むずかしい!こりゃいかんわ」となって、黒田さんが改良してくれたパーツでやったらほら簡単、すごいねみたいな流れにしたかったところ、きれいにできたなあ。

とはいえ1つ作るのに結構な集中力を使うので、より簡単に作れるようになるならとってもありがたい。グッズとして販売するにはある程度の数が必要ですし、もちろん今回はすべて手作り。ということで、黒田さんにはこれからも相談に乗ってもらって、バージョン2,3と改良を重ねていきたいところです。

楽しい瞬間

そんなこんなでわいわい作業をしていると、とうとうレーザーカッターさんのお仕事が完了!ふたを開けてみると、木が焦げたいい匂い。ふわっとあったかい空気も感じるような。「どんな感じにできたかな?」と思いながら中を覗き込む瞬間。ものづくりの楽しい場面の一つです。

いいかんじ!たくさん並んでてかわいい。カットする深さを調整してもらったので、ロゴ部分は表面に刻印して、看板の外側はしっかり貫通しています。ぶちぶち千切ったりしなくてもパーツを分けることができて良い。

簡単にとりはずして
レーザーで焼いて出たこげくずをブラシではらって
看板パーツができました
パーツを取り出した枠もかわいいのでもらって帰ることに。
公演会場にも展示しますので、よかったら見てみてね

まとめ

つくりたい!と思いついて相談したら、あっという間に形にしてくれたトンカンテラスさん。いつもありがとうございます。

何か作ってみたいけど、ネットでつくるグッズはお金がかかるし、その割にオリジナル性とか面白さに欠けるし……ともやもやしていた山田ですが、手作りの楽しさや可能性を感じました。仲間とつくるのも楽しいし、これからも展開していきたい活動のひとつです。

私のように何かつくりたいな~と思っている方がいたら、ぜひトンカンテラスさんに相談してみてくださいね。トンカンテラスHPはこちら

さよならクリップ|sayonara clip

今回つくったこちらは「さよならクリップ」と命名。トンカンテラスコラボ商品として3月4日、5日の公演「あなたがどこにいても」の会場物販コーナーで販売します。数量限定&ひとつひとつ手作りの1点もの&トンカンテラスさんとのコラボ商品ということで特別感満載です。ぜひ手にとって見てみてくださいね。

▼作業風景をまとめたメイキングムービーはこちら。

さよならキャンプは劇団ですが、演劇以外にもいろいろとやってみたいことがあって。自分たちだけでは形にならないことも、トンカンテラスさんを始めたくさんの方のご協力のおかげで実現できています。本当にありがとうございます。

山田の思い付きをいいね、いいねと応援してくれるメンバーの存在も大きい。
いつもありがとう。

以上、さよならクリップ制作レポートでした。

さよなら~

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