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母が笑顔になった日。

92歳の母は自分の分身のような作品が誰かに認められる事が、生きる糧になっています。
それが自分が今ここに生きていると言う実感に繋がるんだと思います。だからこそ毎日イラストを描き、俳句を詠んで、自分の証を時代に残そうとしているのです。

そんな母に嬉しい出来事がありました。



地元のテレビ局のニュースの俳句のコーナーで、母の句が紹介されたのです。
そのコーナーはもう長年続いていて、有名な俳人の句や一般の視聴者から募集した季節の句を毎日紹介しています。
俳句が趣味の母はそのコーナーに度々応募してきました

「いつか紹介されたら嬉しいな」
と言っていた母に、テレビ局からメールが届きました。母の句が紹介されると言うのです。
そのメールを見た時、母の顔に花が咲きました
心の底から喜んでいるのが分かりました。


「嬉しいねー、ニュースで読んでもらえるんじゃね、最高じゃねー」

放送されたのが2022年11月18日、昨日でした。
母は夕方、テレビの前で俳句のコーナーになるのをひたすら待って、いつもに増して真剣な表情で画面に見入っていました。
背筋がまっすぐに伸びています。気合が入っているのが分かりました。


美しい紅葉の映像をバックに、母の詠んだ句が字幕になって表れます。
母は瞬きもせず画面を見ていました。


アナウンサーが解説を読み始めると一言も聞き漏らすまいと耳を傾けます。


「素敵な鑑賞をしてくれて嬉しいわい」と言って、とても満足した表情になりました。


母は自分の句を、嚙みしめるように味わっていました。

母の夢が一つ叶った瞬間でした。


【毎日がバトル:山田家の女たち】

《92歳の日常は平凡じゃけんね》

※92歳のばあばと娘の会話です。

「私はテレビで毎日ニュースの俳句のコーナーを見よるけん、学びのために毎月テーマに合わせて応募しよったんよ、まさか選ばれるとは思て無かったんよ、勉強のためじゃったんじゃけど、まさかまさかで嬉しかった」

「お母さん、俳句のコーナーでお母さんの句が使われるんじゃと言うて伝えた時は涙ぐんでなかった」

「そりゃ嬉しかったんよ、92歳になったら日常、平凡じゃけんね

母にとって今回の事は、当たり前の日常の中での大きな刺激になったようです。
母は本当に嬉しそうでした。



最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
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また明日お会いしましょう。💗

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