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父が愛した風鈴の音色

亡くなった父にはお気に入りの音がありました。私が旅のお土産に買って帰った南部鉄器の風鈴の音色です。お土産を渡すと父は笑顔で我が家の軒先に吊るしました。それはそれは心が洗われるような清らかで涼感がある音色でした。

父はその風鈴を年中吊るしていました。取り付けた場所が軒の端になってしまって取り外しが難しかったのと、その音色がお気に入りだったからです。

私は「うちの風鈴は、季節感がないなー」と思いながら何年も吊るしたままになっていました。

その風鈴を外したのは20年程前です。父が脳梗塞で倒れたのをきっかけに家をバリアフリーに建て替えたからです。

それから風鈴の音色は我が家から無くなりました。父がお気に入りだった風鈴は箱にしまって、今も大切に保管しています。

私は外すタイミングが良かったと思っています。風鈴やピアノなどの騒音でご近所とトラブルになっているニュースが取り上げられるようになってきたからです。

風鈴の音色が癒しになる人と、耳障りだと思う人、人はそれぞれだからです。きっと迷惑に思っていたご近所さんもいたことでしょう。特にトラブルにならなかったことが幸いでしした。
でも「いい音色だったなー」と懐かしく思い出します。

今我が家には、爽やかな音色の江戸風鈴と優しい音色の砥部焼の風鈴、そして父が好きだった癒しの音色の南部鉄器の風鈴がいつかの出番を待っています。



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また明日お会いしましょう。💗


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