母の長生きの秘訣
ある朝、母に言われた「あんた、あのお饅頭美味しなかったよ、買うてこんでええのに」「あれはねー、買うたんじゃなくてもろたんよ、お菓子のコンテストで賞をとったんじゃと」「ほじゃけど私はいらんのよ」私と93歳の母は毎日のように小さなバトルを繰り返している。
ある日、母が私に言った。「私らよう喧嘩するけど、それがええんよ、私の長生きの秘訣よ」と私は呆れて、「何言よるん、私はそれでストレスが溜まってうんざりなんじゃけん」と言い返すと母は「私はあんたに色々言われたら、何くそ言うて思うんよ、それがエネルギーになって、力が湧いてくるんよ」と元気な声で返してきた。
母にとっては親子の小さなバトルがエネルギーになっているようだ。
母は自宅の中でもシルバーカーを使って移動するくらい足腰は弱っているが精神は私が驚くくらい逞しい。そんな母にとって親子の会話のすれ違いが長生きの秘訣らしい。
「うちの娘に、私は負けたない」と言う”娘に対するなにくそ魂”が母の元気の素になっていると知ってびっくりした。
新聞を見ながら母が言った。「あんた、今の政治はお年寄りに厳しかろ、早よ死ね言われよるようなもんよ、ほじゃけん私は何くそ生きてやると思うんよ」母の目に気合が入っていた。
その言葉を聞いて改めて母はこの上なく負けず嫌いだと思った。その負けず嫌い魂も母の長生きの秘訣のようだ。
食事をした後母がよく言う言葉がある。
「あんたはコーヒーは飲まんのかねー」と。それは自分がコーヒーを飲みたいからだ。母は私に「コーヒーを入れてくれん」とお願いするのが嫌なのだ。私が「お母さん、自分がコーヒー飲みたいんじゃろ」と言うと母は「あんたが飲むなら沸かしてもらおうと思たんよ、飲まんのなら私が湧かすけん」と答える。
私は、相変わらずだなと思いながら、お湯を沸かして母のカップに注いでいる。母のそんなわがままな所も長生きの秘訣だと思う。
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