夏のごちそう◇そうめん我が家流
家の外では蝉しぐれ、蝉の大合唱です。
日差しが相変わらず厳しい日のお昼前、昼食の献立に悩んでいる私は
母に聞きます。
「お母さん、今日のお昼は何が食べたい」
すると母は待ってましたとばかりに
「あんた、素麺がええねー、薬味には錦糸卵を入れといて、それとワカメもね」母がニコニコしています。
食欲が減退しているこの時期の素麺はするっと入って食べやすいメニューです。
私も「それがいいかも」と納得して我が家流の素麺作りです。
副菜を添えないので、薬味には気を使います。
素麺と薬味できちんと栄養が取れるよう考えまふす。
この日は、きゅうり、ハム、錦糸卵、ワカメ、湯通しした豚肉、ゴマ、トマト、ネギ、しょうが、鳥のささ身、カニかまぼこ、大葉を添えることにしました。
薬味を刻んでいる間が何となく楽しい時間です。
亡くなった父と家族みんなで出掛けていた店の人気メニューだった素麺の事を思い出しました。
家では使わないようなおしゃれなカッティングのガラスの器に盛られるのは愛媛の名産の「五色そうめん」です。
白、赤、黄色、緑、茶色の柔らかな色合いの素麺と入っている数個の氷が涼を誘います。
その上品な色彩を見ているだけで、暑さが吹き飛んでいました。
かつて料亭だった店のつゆは、格別な味わいで一口目が本当に美味しかったのを覚えています。
そんな思い出に浸りながら、麺を茹でていきます。
茹で加減や麺のしめ方が美味しさの決め手になるので、手際よく調理できるように、ざるや氷の準備を抜かりなく整えて、茹で始めます。
砂時計を使って、およそ2分茹でます。
茹で上がったら、間髪入れず流水でもみ洗いをしてから冷水に浸し素早く盛り付けます。
一口分ずつ小さく巻いて、器にのせるのが我が家流。
盛り付けたら、すぐに食べないと美味しくありません。
「お母さん、出来たよー」
そう言って食卓に出すと
「美味しそうじゃねー、素麺はやっぱりええ、みただけで食欲が出てくらい」と母。
一口すすると、「美味しいねー」と笑顔になります。
もくもくと箸を動かして、薬味を変えながら、食べ進めます。
その姿を見ながら私は「やっぱり夏の素麺は最強だ」と思いました。
作る手間とは関係なく、母はあっという間に完食しました。
「美味しかった、やっぱり素麺はええねー」と言って箸をおきます。
そしてまた、数日すると何故か素麺が食べたくなるのです。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《あんたの素麺は彩りがええわい》
「暑い時は素麺がええんよ、つるっと入るけん、食欲が無くてもいつの間にが食べてしまう」
「お父さんと行った五色そうめんの美味しいお店思い出したー」
「あそこの薬味はシンプルじゃったねー、ミョウガ、しょうが、大葉、ネギじゃったかなー、つゆがとにかく美味しかったねー」
「私の作る素麺はどうですか・・・」
「あんたの素麺は彩りがええわい、今日も素麺にするかねー」
我家のような会話はこの時期の、各ご家庭の定番なんでしょうね。今日のメニューもまたまた素麺になりそうです。
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