山田萌

ヒペリカム

あどけなさを残した東の空に 浮かんだ月は美しかった わたしのためだけに 歌われた歌であった…

翡翠の瞳が開いたよ ひまわり ひらひら 昼下がり 緋色のひぐらし一目見て 柊ひめごとひとりき…

夕涼み

葉脈を透かす西日 青はますます深く 人々は目を細める 遠くへ行ってしまった声を拾い集めるよ…

通り雨

にわかにもたらされたそれらは 雨樋を伝って陸へ トタン トタン 雲間から覗くパステル あの…

夏を想う

濃密な睡眠をよそに 向こうの世界は水底に沈み 鍵盤をなでる薄桃色 あどけなさと狂気に見惚れ…

言霊

美しくいたいなら 美しい言葉を話すこと たましいの神話 優しくありたいなら 優しい言葉を話…