【★note名作記事】まとめ〈3〉メッセージある小説と下町写真
こんにちは、山田星彦です!
この記事は、「★note名作記事」の近況についてまとめ、みなさまにご報告するものです。
はじめに
今週は、僕が読んで優しい気持ちになれた小説を三つ紹介させていただきました。どうも寒い冬には、ほっこりする物語を求めてしまいます(笑)
でも、どの小説も読者に伝えたいメッセージがしっかりとあり、読んで胸に残る作品ばかりでした。
また、今週から、文章作品と写真などの画像作品を織りまぜて紹介することにしました。さっそく素晴らしい写真を見つけましたよ!
では、ひとつずつ振り返っていきます!
紹介した文章作品
①漆さん[小鳥の引っ越し]
はじめに紹介したのは、漆さんの[小鳥の引っ越し]です。
このお話は、住んでいた森から引っ越すことになり、はじめは落ち込んでいた小鳥が、やがて、新天地へ向かうことを前向きに捉えられるようになる、という物語です。
「新しい世界に羽ばたけ」とはよく言われますが、そんなに簡単に実行できるものではありません。誰だって、不安や恐怖を抱くものです。
この小説でも、序盤、小鳥は慣れた場所を離れることに寂しさを抱いていますが、徐々に新たな世界への旅立ちを、前向きに捉えるようになります。まだ見ぬ世界に、新しい出会いや、自分の成長が待っていることを見出したのです。
あとがきにもあるように、漆さんはこのメッセージを「とにかく分かりやすく、柔らかく、丁寧に紡ぐ」という気持ちを持って、語っておられます。
どうしても小説を書いていると、技巧に走ったり、特徴を出そうと妙な文体にしたりしてしまいがちです(僕)。
でも、本当に読者の心を打つのは、そういった表面的な技術ではないと思います。「どうしてもあなたに伝えたい」という誠実な態度です。
そういう想いで書かれているから、この作品は読んだ人の心に届くのでしょう。
僕自身、noteで新しいことに挑戦する際、どうしてもネガティブな結果を想像して、踏み出せずにいる時期がありました。「誰も見てくれないかも」「誰かに非難されるかも」…
そういう時に背中を押してくれたのがこの小説でした。おかげで今、楽しくnoteを続けられております(笑)
きっとみなさんもこれから新しいことに挑戦する機会があるでしょう。その時は、またこの漆さんの小説を読んで、新たな世界へ踏み出す勇気をもらってください(燃)!
②小町さん[壊れたポット]
次に紹介したのは、小町さんの[壊れたポット]です。
この小説は、割れて注ぎ口が取れてしまったポットを、とてもステキなインテリアに生まれ変わらせる物語です。
物を大切に使うことは、もちろん大切なことです。
しかし、それが壊れてしまって、元の役割を果たせなくなったとしたら、さすがに不要品として捨ててしまう人が多いでしょう。
この物語では、そんな壊れた物さえも、新たな役割を与えて生まれ変わらせるのですが、なんとこれは、小町さんのお父様が実際に行ったことなのだそうです。
その行為はもはや、金銭的な損得で語れるものではありません。割れたポットを別の物に再利用する人に抱く印象は、単なる節約家という域を越えて、壊れた物にさえ愛情を注ぐ慈悲深さ、そして、新たな使い道をひらめく頭の良さ、そんな人間性の豊かさを感じます。
本当にセンスの良い人とは、小町さんのお父様のような人を言うのだと、この物語を通して教えられました。
③さくらりんごさん[短編小説 | お父さんと、玉子焼き]
お父さん繋がりというわけではないのですが(笑)、最後に紹介したのは、さくらりんごさんの[短編小説 | お父さんと、玉子焼き]です。
こちらは、思春期の女の子が抱く、父親への失望がテーマになっています。
こういった思春期の親子を見ていると、胸が締め付けられる思いがします。子供から大人に成長するために、親子ともに経験しなければならない痛みなのかもしれませんが、さくらりんごさんは、そんな親子関係をリアルに描いておられます。
しかし、この小説では、娘があることをきっかけに父親を尊敬するようになります。それは、本当にちょっとしたことなのですが、読んでいて「あっ!」と思うような感じで、あまりにも鮮明にその光景が僕の脳裏に焼き付きました。
「ゴミ箱の中にあるのは、スーパーの店長である父親が持って帰った、惣菜の白いトレイの山。だが、その日はトレイの上に、泥まみれの牛乳パックが捨てられていて…」
これは僕が書いた文章ですが、まさか、こんなゴミ箱の中の光景に、心を奪われる日が来るとは思いませんでした。
とても美しい物語です。
三つの小説を読んで
今回紹介した三つの小説は、どれも読者に伝えたいメッセージがあるように思います。
「新しい世界へ羽ばたく」
「物を大切にする」
「家族を敬う」
どれも大事なことですが、こう書いてしまうと、空虚なキャッチコピーのようで胸に響きません。
しかし、これが小説になると、作中の人物に共感したり、疑似体験したりできるので、それらのメッセージが本当に大事なことだと、実感を伴って理解できます。これは、物語というものが持っている、最大の魅力であり、武器だと思います。
今回紹介したどの作品からも、僕は素晴らしいメッセージを受け取ることができました。
紹介した写真作品
さて、ここからは写真についてです。
今週から写真も紹介していくとになり、さしあたり「スナップ」というワードで検索していたのですが、その中に、とても上手い方を見つけてしまいました。
それがシタマチ記録保存館さんです。
シタマチ記録保存館さんは、東京の下町にお住まいで、ご自宅周辺の町並みなどを中心に写真を撮られています。そして、お名前にあるように、その写真を通して、シタマチの雰囲気を多くの人に伝えようと活動してらっしゃいます。
今回みなさんに紹介したのはほんの一部ですが、どの写真を見ても、下町の懐かしい匂いが漂ってくるように思いませんか?まるで、映画のワンシーンのようです。
そして、その匂いは、一枚一枚ごとに、微妙に異なって感じられます。被写体が違うので当然のようですが、時として、何を写しても同じような写真になってしまうことがあるのです(笑)
シタマチ記録保存館さんは、あらゆる被写体を見事に撮り分けています。錆びた古い看板の質感、威勢のいい江戸情緒、気だるい朝の飲み屋街…。それぞれテーマがありますよね。
下町に溢れる人・物・場所が持つそれぞれの良さを見定めているわけですが、それができるのは、普段から下町に暮らしていて、被写体のことをよく知っておられるからだと思います。
もし、僕みたいな部外者が撮ったら、たぶん観光客が物珍しくて撮ったような写真ばかりになるでしょう(笑)
やはり、写真は被写体への理解に尽きると思いました。
シタマチ記録保存館さんは、東京の他の場所(渋谷や新宿など)を撮った写真も公開されていて、それはまた違った魅力を写しておられるので、そちらもぜひご覧ください!
サポートしてくれた方
これまでなら、ここでおしまいなのですが、今回はもうお一方、紹介しないわけには参りません。
なんと、この活動にサポートを付けて下さった方がいるのです!
それが、重吉陽一郎さんです。
重吉さんは詩を中心にたくさんの作品を公開されています。
つまり、ご自身も作り手さんなわけですが、この「★note名作記事」の主旨をご理解して下さり、さらにサポートまでして頂きました。
重吉さんのサポートで、金銭的に助かったのはもちろんですが、僕はそれだけでなく、この活動に共感してくださる方がいてくれたことを、とても嬉しく思いました。
作り手と読み手を繋ぐ輪が、ほんの少しずつですが、大きくなっているように感じましたし、この活動をもっと頑張って続けていこうと思いました。
本当にありがとうございます!
ちなみに、僕の好きな作品はこちらです。
リズムが心地いい!
おわりに
今回も、たくさんの素晴らしい記事をみなさんに紹介することができました!
この「★note名作記事」をはじめてからというもの、僕は取り憑かれたように、noteの記事を日々読みまくっています。おそろしいことです。
フォロー・フォロワーさんの記事はもちろん、知らない方の記事も片っ端から読んでいるので、この調子なら、数ヵ月後には、創作系ジャンルの人は網羅してるんじゃなかろうかと思うほどです。
まあ、noteは海の如く広いですし、網羅する前に僕が溺死してしまいそうな気もしますが(沈)
◆
最後になりましたが、紹介させていただきました、
漆さん
小町さん
さくらりんごさん
シタマチ記録保存館さん
ありがとうございました。これからも、素晴らしい作品を届けてください!
そして、サポートしてくださった、
重吉陽一郎さん
ありがとうございました。本当に助かりましたし、この活動の可能性を広げて下さいました。感謝しています。
そして、僕が紹介した作品を見て下さったみなさん!本当にありがとうございます。これからも僕の紹介した作品をお楽しみ下さい!
◆
【コメント歓迎】
この「★note名作記事」は、作り手と読み手が繋がることを目的に活動しています。
なので、ぜひ感想などをお聞かせください。山田星彦への質問・要望などもお待ちしています。
また、今後、取り上げて欲しいジャンルやテーマなども募集中です。
いずれも、コメント欄よりどうぞ!
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