
「訪問看護のリハ」と「病院などからの訪問リハ」がすっきり一本化されたらどうなる?
訪問看護のリハ、病院や診療所の訪問リハの両方に関わっている非常勤掛け持ち作業療法士が2030年の訪問によるリハビリテーションのことを予測しています。
2022年診療報酬改定で色々資料が出てきてます。2021年の介護報酬改定を受けて今回の改定でも訪問看護からのリハについてはいろいろ議論されています、
訪問によるリハビリテーションは制度的には
訪問看護ステーションから実施するもの
病院・診療所・老健から実施するもの
と2つがあります。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方で、訪問によるリハビリテーションに関わっている者からすれば、どちらに所属していても実践しているリハビリテーションには変わりがないと感じている方もいらっしゃるでしょう。
報酬改定の歴史的経緯があり、以前は訪問看護ステーションからのリハの方が単価が高かった時代があり、こちらから訪問に出るセラピストが多くなりました。
でも改定のたびに
訪問看護からの単価は下がり、病院や診療所などからの単価は少しずつアップして、今はほぼ同じになりました。
ステーションにはステーションで適用できる加算があり、病院や診療所からの訪問にも適用できる加算があるので単純に比較できないのですが、訪問そのものだけを見ると単価は同じ。
そんな経緯から、改定でいろいろ議論されると、訪問看護ステーションに勤務しているセラピストさん達からは
ステーションのリハに対しての締め付けが厳しすぎる
という声を聞きます。
病院や診療所で訪問リハに関わっているセラピストからはあまりそのような「単価」に対しての声は聞きません。むしろ算定できる加算をとるために書類とかが多いのでそちらが大変だという話を聞きます。
逆に、訪問看護ステーションからのリハについてはリハだけに加算をつける構造にはなっていないので、書類が大変になったとか会議の回数が増えたという話は聞かないのですよね。
訪問看護からのリハでセラピストが参加を要する会議は基本的にはサービス担当者会議や退院前カンファレンス。
病院や診療からの訪問リハでもサービス担当者会議や退院前カンファレンスへの参加はあるのですが、それ以外にリハビリテーションマネジメント加算を算定していれば「リハビリテーション会議」というものがあります。こっちの方が時間もとられるし、リハマネ加算の算定で作る書類が色々あり大変なのですよね。
だから、会議や事務処理という点では病院や診療所からの訪問リハの方が大変だと感じています。
訪問看護からのリハには病院や診療所からの訪問リハで適応できる加算がつかなかったり、生活機能向上連携加算の対象として訪看は含まれていなかったりすることに対しての不満を持っているセラピストもいる。
リハのことだけに関して言えば、色々加算を算定すると病院や診療所からの訪問の方が収益はアップする。だけどそれに付随する書類や会議も増える。だけどそのことがあまり話題にならず、改定のたびに訪問看護からのリハだけがいろいろ話題になるのが不思議だ。
病院系の事業所の場合、同じ法人が訪問看護からのリハと病院からのリハ両方やっているところもある。ケースの状態によって使い分けることがこれからの時代には必要だ。
私が所属している事業所の一つは両部門を持っているから、訪看のセラピストに担当ケースによっては訪看リハではなく、病院や診療所からの訪問リハに切り替えてリハマネ加算を算定することを提案したが、業務多忙とのことで否定された。
同じように訪問看護と訪問リハ部門両方持っているけれど、業務多忙を理由に、訪看から病院や診療所の訪問リハ部門に患者さんの移行が難しいという事業所は少なからず存在していると予測している。
だけど訪問看護の単価が下がることには不満があるセラピストが世の中にいる。
一体セラピストはどうしてほしいのだろう。訪問看護の単価が下がることは不満だけど、病院や診療所の訪問リハのリハマネ加算は算定したくないということが理解できない。
2030年同時改定に向けた「統合」の予測
通所介護と通所リハの統合というのは、介護保険が始まった当初からよく話題になる。
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