【2023.1.25.】活動と参加へのアプローチ⑫「活動と参加へのアプローチの始め方」2
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昨日のコラムの続きとなります。
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関わる時期(急性期、回復期、生活期)や関わる場所(病院、訪問、通所、老健・・・)によって異なると思うのですが、活動と参加へのアプローチで悩んだり困ったりしている理学療法士や作業療法士、言語聴覚士さんの多くは、最初の段階で躓いていることが多いように思います。
いつもオンライン講義で提示するスライドです。
このスライドに示しているように、
リハビリテーションに介入するのがどのような時期であっても、「活動」や「参加」にアプローチすることが求められています。
でもね、なんだかうまくアプローチできないってセラピストが多い。
こんなことから始めたらどうですか?
「こんなことから始めたらどうですか?」
って提案すると、「そんなことから始めるんですね」と言われることが多い。
みんななんだか活動と参加へのアプローチを神格化しているのか、難しく考えすぎている。
まずやるべきことっていうのは
もんだりさすったりすることじゃなくて、現時点で何ができるのか?ってことを評価することから始まる。
出来ないことを評価するのではなくて、現状の心身機能の把握が必要になってくる。
屁理屈を言っているように聞こえるかもしれませんが、
「出来ない」ことを探すのではなくて、現状でどんな活動ができるのか、課題に対しての遂行能力が、など何がどれくらいできるのかってことを確認することが必要なんだと考えています。
まずそれらを確認することから始まる。
活動と参加へのアプローチでよく言われるような「やってみたいこと」がある人って少ないのです。
あなたは今やってみたいことをすぐに言えますか?
担当した方が、やってみたいことを言ってくれたら、作業療法士としてはそこを目標に設定して、リハビリテーションを開始することができる。そんなケースはまれだと思う。
「やってみたいこと」が現状とかけ離れていて実現不可能であっても、そこに向けてどんなスモールステップを設定していくかって考える。
でもそんなにしょっちゅう「やってみたいこと」を持っている患者さんには出会わない。
とくに、急性期や回復期の初期の段階では、そんなことを考えている余裕はない。
だから
「やってみたいことはありませんか?」
と聞いたときに
「ありません」
と答えが返ってきたからと言って、活動と参加へのアプローチをあきらめるのは時期尚早だと思うのです。
それよりは現時点の能力を知ることから始めるほうが容易。
だから、「出来ることは何なのかな?」って評価することから始めていくことが多いのが、最近の私のアプローチの始まりです。
明日のコラムに続きます。
やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛
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