2024年はエポックになる予感。「音楽未来会議」で語るライブとフェスの「これまでとこれからの10年」
GW明けたら、音楽未来会議Vol.2です!
出演者3人でリットーミュージック編集者を交えて、当日の内容についてオンライン会議しました。
ミーティングのポイントは3点
1)当日の流れアジェンダの確認
このメンバーで音楽の話をするのは、めちゃくちゃ楽しいので、勢いで脱線しがちです。ライブ感としてはそれもよいし、観客には面白い部分もあると思いますが、4回分をまとめて、「音楽の未来を予見する」書籍とすることを考えると迷走しすぎるとまとまらなくなります。
特に進行役の僕は、そこの兼ね合いが難しいので、アジェンダとポイントを事前に二人とすり合わせておくことは大切です。大きな流れは確認できました。
2)情報・知識レベル合わせ
これはもしかしたら僕だけかもしれないのですが、事前にチェックしておくべきことがないかも確認します。柴、脇田の直近の音楽トレンドに関する情報量と歴史的掘り下げは半端ないので、僕の知見に漏れがないように、ミーティングを通じて確認します。当日ポイントになりそうなアーティストで僕がちゃんと聴けていないアーティストがいる場合などは「予習」しておく必要があります。
3)話しすぎずに、当日に取っておく
ミーティングも楽しいので、つい盛り上がってディスカッションモードになりがちです。やはり会話というのは勢いも大事なので、事前に話してしまったことをなぞる感じになるとジューシーさに欠けます。大枠だけにとどめて、芯を食った話は当日にとっておく姿勢を心がけます。
そんなミーティングを無事に終えて、当日を待つばかりになりました。多くの方に、リアル+オンラインで参加してもらいたいです。
音楽にとって節目となることになりそうな2024年から考えようというこの企画のアジェンダの一部と僕のおすすめポイントをシェアします。
ビフォーアフターコロナ
ライブエンタメに非常に大きな影響を与えたコロナ禍の3年間。音楽やライブの社会における価値を考える機会にもなりました。ドイツではメリケル首相が「あなた達が必要ですから助けます」と感動的なスピーチをし、日本では安倍首相が、犬を抱いた動画での「コラボ」が批判されました。
音楽を「不要不急」として扱う人が相当数いることは僕自身ショックでしたし、価値を言語化して伝えることの重要性を感じました。今や、日本政府が「コンテンツ産業を日本の基幹産業に」と言い始め、ライブエンタメ市場もコロナ前を上回りつつあります。落ち着いて分析、議論するタイミングだなと思います。
Coachella 2024と88rising
2024年が節目になるという僕たちの予感を世界最大の音楽フェス「コーチェラ」が証明してくれた気がしています。日本人アーティストが新しい学校のリーダーズ、Awich、Number_i、YOASOBIと過去最高の5組出演しました。日本の音楽界がスタッフもアーティストもファンも巻き込んで、グローバルに目を向ける契機になったと思います。
大きな役割を果たしてくれたのが、日系アメリカ人ショーン・ミヤシロ率いるレーベル88risingです。
従来型のレーベルとの違いは、キュレーション力に注力している点ではないでしょうか?自らHeads In Cloudというフェスも行いますし、Coachellaでは、1つのステージをプロデュースしています・
未来会議登壇の脇田敬さんによるインタビューを紹介します。
ライブ・ネイションとAEG
グローバルに目を向けるとなると、海外コンサートプロモーターがきになります。ライブ・ネーションはコロナ前から日本法人があり、AEGはエイベックスと連携しています。一方で、クリエイティブマンはSummerSonicを今夏、タイ・バンコクで行うと発表しています。
こういったコンサートプロモーターの国際化についても触れたいと思います。
インバウンド視点でのライブエンタメ。「紙チケットは日本の恥」?
コンテンツ産業を日本の基幹産業にという政府の方針の中に、エンタメをインバウンドにおいてもっと活用していくというのは当然のこととして含まれています。省庁作成の資料には必ず、訪日外国人数や日本で使う金額の目標設定があり、ライブエンターテイメントの活用は謳われています。
ところが、日本のコンサートでは、コンビニ発券紙チケットがいまだに主流になっています。プリンターから打ち出された文字と数字の羅列には「モノとしての価値」は皆無で、スマホに情報をもたせることとくらべて圧倒的に利便性は劣っています。その劣った体験のためにユーザーは数百円の手数料を払わされているわけです。
自分の好きなアーティストのライブを見るという欲望は強いものなので、どんなにUI/UXが劣っていても乗り越えて購入してくれます。そこに甘え続けているのが日本のライブエンタメ事業者の現状ですが、訪日外国人向けではそうはいきません。コンビニ紙チケットは「日本の恥」だと僕は常々思っていますが、訪日外国人を一定の比率で受け入れることが貧しいユーザー体験を変える契機になります。同時に日本人だけだと上限があるコンサート入場料収入を押し上げることにもつながるのです。
他にも、制作の内側でもDXが遅れているのがライブエンタメ業界です。課題を抽出することはやっておきたいです。
まちづくりとライブエンタメ
まちづくりの観点でもエンターテインメントの活用に注目が集まっています。ここではスポーツと音楽の連携です。現出したのは「2016年問題」でした。東京五輪の準備のために大型スタジアムが同時期に改修したことで、大型コンサートの実施が困難になりました。当時、「コンテンツ白書」の編集委員だった僕は、問題は認識しながらも、「そうはいってもなんとかやりくりされるんだろう」と思っていました。ところが、データを見ると、成長を続けていたコンサート入場料売上は2016年は下落したのです。これがきっかけで、スポーツ界と音楽界をつなぐECSA(Entertainment Commitee for Stadium・Arena)という団体が生まれました。
近年はBリーグの発展もあり、各地にアリーナが生まれていますが、バスケットの試合だけでは、運営することができず、コンサートへの期待の声が聞かれます。ニューヨークのマジソンスクエアガーデンが、ニューヨーク・ニックスの本拠地であるとともにコンサートの名所。日本で言えばちょっと前の武道館みたいな存在としてありますね。
DeNAが、横浜ベイスターズ、相模原FCと共に川崎ブレイブサンダースと神奈川の野球、サッカー、バスケットをまちづくりとセットで支援する動きを見せているなど、スポーツ✕ライブエンタメ✕テクノロジーの掛け合わせへの注目は高まる一方です。スタートアップにもチャンスがあると思うので、StudioENTREとしても注視しています。
「ライブとフェスのこれまでとこれから」といってもこんなに広範なトピックがあります。もちろん、柴、脇田の二人からは注目のアーティストや最近のライブ表現の具体についても披露してもらうつもりです。是非、参加してください。
Vol.1の打ち上げで、音楽未来会議は来年早々に書籍化するということと並行して、新しいライター・キュレーター・ブロガー・インフルエンサーに活躍の機会をつくることを目標にしようということになりました。
音楽について語りたい、エンタメ周辺で起業したい、好きな音楽を通じて自己実現したいと考えている人は、是非、参加してください。書籍に向けて、双方向な企画をおこなっていくつもりです。特典も用意してますよ!!待ってまーす!!
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モチベーションあがります(^_-)