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「音楽ビズの構造変化を日本の起業家も起こしてくれ」願いを込めてENTRE MUSIC VISION発表しました!!

 エンターテックのスタートアップスタジオStudioENTREが、2030年に向けての新構想「ENTRE MUSIC VISION」を発表しました。

瀕死の日本の音楽界を何とかしたい!

 日本の音楽業界は、CDセールスとマスメディア初のヒット曲を幹にした仕組みが優れていたが故に、デジタル革命という変化に大きく遅れをとりました。主要会社の経営陣が「できる限り変化を遅らせよう」とコンサバティナ舵取りをしたこともあって、世界で一番ITが遅れた国になっています。
 欧米はもちろんのこと、アジアなどの経済新興国と比べてもデジタルサービスの活用は遅れを取り、ユーザー体験を良質化するための施策も不十分です。唯一好調だったコンサート市場がCovid-19の自粛要請の影響で壊滅的な状態で音楽業界のDXは緊急の課題となりました。

 デジタル化をネガティブな文脈で捉えているのは日本だけで、世界の音楽市場は、ストリーミングサービスをテコに成長を続けています。クラウド型のサービスは、基本的にグローバル市場を向いているので、音楽家は、作品発表=世界中からアクセス可能というのが2020年代の音楽界です。それを最大限活かして成長しているのがK-Popで、内向きに縮小均衡を続けているのが日本の音楽界です。視座を高くして、視野を広げると、大きなチャンスが待っているのが音楽ビジネスです。そんな環境認識を踏まえて、 

 2030年までに日本発のグローバルヒットが継続的に生まれる仕組みをつくるというのがENTRE MUSIC VISIONのテーマです。

生態系の構造変化に着目した事業を考えよう

 音楽に思い入れがあって、事業を始めたいという起業志望者の人には、これまで会う機会はたくさんありました。みなさん熱量は高いのですが、僕が残念に思うのは、「ビジネス生態系のUPDATE」という視点が足らないことです。「DIYアーティストのファン向けに〜」「インディーズアーティストの音源を〜」みたいな最初から市場を限定したビジネスアイデアが少なくありません。「日本て昔、CD7000億円くらい売れてたんですよね。ってことはデジタルでうまくやるとあと5000億円可能性あるってことですか?」みたいな発言を聞いたことがないのが無いのが不満です。著作権処理が大変とか業界は面倒なことがあるとか、大人たちが言いすぎたのではないかと、僕自身の反省も含めて思っています。

 デジタル革命の進展で、音楽ビジネス生態系の構造が根本から変わっています。CDとマスメディアと単一言語の豊かな市場を持っていた日本は世界の中で最もDXが遅れています。既存プレイヤーが変化を逡巡している時こそ、スタートアップにチャンスがあります。 
 そこで音楽をテーマにしたインキュベーションプログラムを行います。日本語話者では最高級と言えるメンター陣が揃っています。「ビジネス構造を変える」という視点から熱量の高い起業家の参加をお待ちしています。
 もう日本の音楽界を変え、グローバル市場にアクセスさせるとしたらコロナ禍であえぐ今年がスタートするラストチャンスな気がしています。なので第二期をやるかどうかは決めていません。今、やりましょう。日本は大きく遅れた分オポチュニティは大きく広がっています。


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プロデューサーもマーケターもアーティスト育成もやります

 日本でデジタルに保守的なのは、レコード会社だけではありません。僕からも見ると多くの音楽家はコンサバティブです。一定以上の規模や歴史がある音楽事務所やアーティストが変化に慎重なのは理解できますが、聞きかじりの知識で、デジタルに対してディフェンシブな反応をする音楽家には心底がっかりします。
 来春から僕が特任教授を務める大阪音大とENTREが連携して、「アーティストアクセラレータープログラム」を始める予定で準備中です。海外では珍しくないのですが、音楽家のクリエティブ、ビジネスを総合的にブラッシュアップできる環境を用意するプログラムです。まもなく正式発表できると思いますので、お楽しみににお待ち下さい。

 生態系を変えるためには、新しいタイプの音楽プロデューサーも必要です。変革しなくてはいけないと頭ではわかっていてもどうすればよいかわなかない業界の中でも活躍の場はあるでしょう。今、一番足らないのは、デジタルマーケティングのプロなので、音楽マーケター育成は継続してやっていきます。6月から始まった第一期は高い熱量で新しいムーブメントの予感がします。
 自分に合った立場、自己実現したいフィールドで、日本の音楽界の活性化に寄与して下さい。僕たちは、できる限りの環境、情報、人的ネットワークを提供するつもりです。

 デジタル化による環境変化で、強烈な「個へのパワーシフト」が進む音楽界。オッサンたちは大ピンチですが、逃げ切るのが精一杯です。年齢関係なくマインドが若いあなたには大きなチャンスが待っています。音楽への愛を胸に秘めて、是非、挑戦して下さい。


モチベーションあがります(^_-)