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フリーランスになりたい会社員は、まず起業に挑戦してください!

 こんなニュースがありました。会社員の半数がフリーランスになりたいと思っているとのこと。フリーランスといっても職種にもよりますし、多様な事例がありますが、目標設定の解像度が低いことに問題があるなと思いました。
 組織に縛られずに自由に働きたい、年収1.5倍くらい稼ぎたい、などは、今の時代には当然の希望だと思います。どんな業種でも、その人、個人に力がなければ、仕事は回っていきませんし、あらゆる産業でデジタル化が進んで、「一人でやれること」の範疇が広くなりました。自分のできること、得意なこと、やりたいことをはっきりと掲げて、「ブランド」を高めていく感覚が、すべてのビジネスパーソンに必要になってきています。

フリーランスはリスキー、起業は低リスク

 ただ、大きな組織から月給をもらうことと、フリーランスとして売上を立てることは、全然別の出来事です。福利厚生も無くなりますし、そもそも収入が不安定になります。行動経費も自己負担になりますから、フリーランスとしての売上が月給の1.5倍だと、自由に使えるお金は増えないでしょう。2.5倍から3倍はイメージしておきたいところです。
 この会社員のみなさんに僕が伝えたいのは、「会社を辞めずに、起業に挑戦してみましょう」ということです。
 近年、起業を取り巻く環境は大きく変わりました。20年位前だと、リスクを取った大冒険で、人生を賭けた大きな勝負というイメージでした。いくつかの理由で起業に挑戦するリスクは著しく下がって、多くの会社員の方にとっては、「起業に挑戦しない」リスクの方がむしろ大きいと僕は思います。

ビジネスパーソンとして本質的な成長ができる

 メリットはいくつもありますが、何より大きいのは、新たな事業アイデアで市場や顧客と真摯に向き合うことで、ビジネスパーソンとして成長できることでは無いでしょうか?大きな組織の中だと、根回しや意思疎通といった、事業の根幹とは違う、非本質的な(という表現は酷すぎるかもしれませんがw)作業に割くエネルギーが少なく無いことは、会社員の方ほど、痛感されているかと思います。投資家の起業家に対する「詰め」は、厳しい上司以上のこともありますが、理由は明確です。「それで儲かるの?」「企業価値上げて」ということで、組織内の保身や個人的な好み、嫉妬から発言することはありません。そういった環境で、事業に対して結果責任を負いながら、知恵を絞りに絞り、胃が痛い思いをしながら動き回ることは、必ず人間的な成長につながります。顧客や社会の課題(ペイン)に向き合うことになりますから、「やりがい」という言葉で括れない充実感がかならずあるでしょう。この体験は非常に意義があると思います。

政府支援も充実、会社を辞めずに挑戦できる場合も多い

 日本の経済界は「失われた◯◯年」と言われ、◯に入る数字がどんどん大きくなる状況が続いています。高度成長期の製造業を中心とした発想、仕組みでは経済成長はできなくなったのですが、成功体験が忘れられずにシフトチェンジができないままなのです。
 政府が「スタートアップ支援」を声高にいうのは、その構造を理解しているからです。起業を支援する仕組み、セーフティネットは着々と充実してきています。
 大企業の経営者も状況は理解していて、自社の方向転換が上手くできないので(それはそれで経済界の大問題なのですが)オープンイノベーションの名で社外の人材と連携したり、社員による新規事業を支援する形をつくっている会社がどんどん増えています。
 今の会社を「退社して起業」せずに、今の立場のまま、自分がやりたい新規事業をやれるケースも多いでしょう。弊社StudioENTREでは、経産省から「客員起業家制度」の採択をいただいて、業務委託(つまり給与)を払いながら、新規事業開発をする仕組みに取り組みました。もちろん会社を辞めずに参加することも可能です。こういうやり方も増えていくでしょう。

成功すれば、定年時の退職金の数十倍のお金が手に入る

 経済的な成功ということでは、自分が相応の比率で株を持ったスタートアップが成功すれば、会社員では望むべくもない金額を手に入れることが可能です。グロース市場に株式公開をした時の自分の会社の時価総額が80億円(平均値)で、その時点で5割の株を持っていれば40億円の資産を手に入れることになります。創業社長はすぐには株を手放しづらいとか、細かくはいろいろありますが、会社員が今いる会社社長になるよりも自己資産が大きいことは間違い無いでしょう。
 スタートアップは、「企業価値を上げる」ということに注力しますから、自分が立ち上げた新規事業が市場で支持されることに頑張れば、個人のお金はあとから付いてくるのです。(個人の)お金のことは心配せずに、事業に邁進するというのは、プレッシャーはあっても、無駄なストレスはありません。

今いる会社に定年までいられる保証がないし、居たくないかも

 起業を検討せずに、今の会社に漫然といることが、人生のキャリアにおいて大きなリスクになる時代になっています。
 やりがいがあって、成長できていて、待遇にも不満がないのならばよいですが、その場合も10年後の会社と自分の姿をイメージしておく必要はあるでしょう。
 経済構造の変化が早く、不確定が増している今、日本にあと20年、傾かない(社員削減をしない)と信じられる会社はいくつあるでしょう?日本株式会社の代表だったTOYOTAの社長が、「終身雇用制度は守れない」と公言する時代です。

 今日から、起業や転職の可能性を想定して働くことが必要です。

転職するにも起業体験は有利になる経歴

 高度成長期に成長していった製造業を中心とした日本の大企業は、会社というより、家のようなものでした。江戸時代の藩みたいな感じかもしれません。滅私奉公して、定年まで勤め上げることで、自分も家族や周囲の人も安心できましたから、「多少の我慢は当然」、「組織の不合理な論理にも耐えるのが美徳」という感覚が、日本人の中に刷り込まれてしまっている気がします。 
 戦後昭和の価値観では、転職をする人は、「我慢できない人」というネガティブイメージがありました。令和となって今は、無駄に「我慢できてしまう人」は、クリエイティブではない、自信がないと、行動力が無い、とむしろマイナス評価をされることが多いでしょう。
 転職の際も、起業経験はプラス評価につながります。挑戦して、失敗してもその経験を客観的、かつポジティブに語れば、今の企業にとってほしい人材と思われる可能性は非常に高いです。

 現職の会社にもサポートしてもらいつつの起業に挑戦するのが、得策というのをご理解いただけたでしょうか?政府の後押しがある今こそ起業して、その後の結果がフリーランスという形もあり得る、そんなキャリアイメージが適切ですし、それなら今の年収の2倍のフリーランスは簡単にイメージできるでしょう。

一番成功確率が高い創業年齢は45歳というデータ

 起業といえば若者というイメージが強いかもしれませんが、本場アメリカのデータでは、最も成功確率が高いのは45歳というデータもあります。日本は大企業の中で、能力を発揮できずに埋もれているビジネスパーソンが多いが、損失だなと常々思います。ビジネス経験があって、自分が関わってきた業界での知見やネットワークを持って、起業すれば成功確率が高くなるのは当然ですね。大企業ほど、自社の新規事業では失敗を過剰に恐れたり、市場が小さいと見なして踏み切れないケースが多いです。
 社会環境が変化して、テクノロジーの進化が加速しているので、石橋を叩いて、考えている時間はありません。やってみて、やってみて、考えて、またやってみる。そんな姿勢が大切なのです。

マルチステージキャリアの時代がもう始まっています。

 キャリアプランという意味では、ライフシフトジャパンの大野さんが提唱している、「3ステージからマルチステージへ」という考え方が有益です。
 「学び→働き→リタイヤ」という3段階で人生を捉える時代は終わっています。寿命は延びて100歳が普通になるようです。織田信長が戦国時代に「人生50年」と言っていましたら、2倍になった訳ですね。
 学ぶことも働くことも、人生を通じて続けていくのが当たり前の時代になっています。起業というプロセスを1度や2度を経験するのが、これからの人生では、いたって普通のことです。

 スタートアップスタジオStudioENTREは、起業志望者に必要なすべてのアセットを、何から始めればよいかわからない人にも提供します。僕らはエンターテックをテーマに掲げて、toCサービスと、メディアコンテンツ領域のエキスパートです。スタートアップスタジオは協会をつくっていて、横連携、情報共有続けています。起業候補者の紹介をしたりも相互にやっています。
 スタートアップスタジオのドアを叩けば、必ずあなたに適した起業の形が見つかるはずです。

 会社員が目指すことは、「まず起業」「とりあえず起業」というのが、今の時代状況です。そのことに一人でも多くの人に気づいていただきたいと思い、このエントリーを書きました。

「起業のすゝめ」という同じテーマでの、大学生、専門学校生など向けのエントリーはこちらです。学生には是非、読んでもらってください!

<参考>
 pivotのこの動画は、東大での起業促進プログラムについて語られていますが、「とりあえず起業」の時代というのがよくわかる内容です。自分の問題として見てみてください。 


モチベーションあがります(^_-)