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仕事のモットー──僕はこんなことを考えながら働いてきました

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今の若い人に通用するかどうかは知りませんが、僕はいろいろ仕事を重ねて行くうちに、こんなことやあんなことに思い至りました、という感じの寄せ集めです。
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2020年2月の記事一覧

嫌な奴ほどよく話せ

ちょっとタイトルが偉そうなんで読んでくれなかったかもしれませんが、昨日は人を動かすのが人の仕事だ、みたいなことを書きました。 で、今日は動かすためのテクニック、と言うか、変な方向に動いてしまわないための作法の話。 会社に嫌な奴いるじゃないですか。どうも自分とは反りが合わない、苦手なタイプってあるじゃないですか。そういう人とはついつい喋るのも億劫になるもんですが、そういう人とこそいっぱい話すように心がけたほうが良いですよ。 逆に、自分と感性が合う人、相性の良い人、普段から

人を動かすのが人の仕事

私の後輩に、何をやらせてもとびっきり優秀な奴がいるんですが、彼にはひとつだけ弱点があります。 それは「アホと話すのが苦手」なこと。これって仕事をする上では致命的な弱点ですよね。だって、お宅の会社や取引先にもいるでしょ、アホが? で、「あんなアホとはやってられん!」って言って投げ出してしまう人、よくいますよね。だけど、投げ出したら、そこで仕事はストップします。そのアホを避けていろんなものを組み替えたら再開できるのかもしれませんが、それって結構なロスですよね。 それにアホを

自立と依存(続・鬼一則)

昨日は電通・鬼十則の第6「周囲を引きずり回せ」について書きましたが、今日はその続きです。 昨日も書きましたが、私は電通に鍛えられ、電通に育てられたという思いを非常に強く持っています。放送局の営業局にいて、他の広告代理店とはひと味もふた味も違う対応をしてもらったと感じています。 電通のある人は私に「取引先の若手をお互いに育てるのも、大事な仕事のうちのひとつだ」と言いました。彼は「お互いに」と言いました。つまり、「お前もやれ」という意味です。私はなるほどと思って、それ以来電通

鬼一則

電通と言えば、昨今では非常に評判の悪い会社、と言うか、むしろ直接取引のない人たちがやたらと悪し様に言う会社のようにも思うのですが、少なくとも私の個人の体感としては、やはり飛び抜けた会社だと思っています。 もちろん、自殺者まで出てしまったような問題について安易に擁護したりはしませんが、私個人としては電通に鍛えられ、電通に仕事を教えてもらったという思いがあるのも確かです。 その電通には、かつての社長が作った有名な鬼十則という行動規範があります。ここでは全文を引用したりしません

後悔先にありき(続・後悔する生き方)

「サラリーマンに一番要求される能力は危険予知能力である」と言った人がいて、私はなるほど言い得て妙だなと思った記憶があります。 いや、別にサラリーマンに限定する話でもないでしょう。社会に生きる人間全般、いや、野生動物まで拡大しても良い話なのではないでしょうか(笑) この場合、危険予知能力と言っても、別に超能力のようなものをイメージしているのではありません。 普段の仕事の流れの中で、 「こういう報告の仕方をすると、却って上司に突っ込まれるぞ」 「こういう表現で提案すると

15年前と今の新入社員諸君に

あと2ヶ月もすれば、今年も新入社員が入ってきます。今、私の手許に、私が多分 2004年に新入社員に向けて書いた文章があります。当時自分でも気に入っていた文章です。 「何が言いたいのか今イチ解らん」とおっしゃる方もおられるでしょうが、自分らしいトーンの文章になっているし、まあ解りやすいコミュニケーションだけではなく、解る人には解るという表現があっても良いのではないかな、と独り悦に入っていたわけです。 でも、これ、今読み返すと、もう今の時代には全く通用しないものになってしまっ

お疲れさま

デスクで仕事をしていると背後から「お疲れさまです」と言われて、「え? 俺、何かしたかな?」と思うことがあります。私たちの世代はそういうときには「すみません」とか「今いいですか?」などと声をかけるのがフツーの感覚だから。 「お疲れさま」という定型句は昔からありましたが、それは何かが終わったときの表現でした。 何かのイベントや行事などが終わったときに、あるいは一連の苦労が報われて漸く一段落したときなどに、「大変だったね」「よく頑張ったね」というねぎらいの思いを込めて、「お疲れ