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【SDGs】和紙の里 小川町でサステナブルについて学びました

いよいよバレンタインの時期となりました。弊社でも今年はチョコレートブランド「ラヴァンス」を4店舗展開することになっております。

ラヴァンス」ブランドのコンセプトは「サステナブル」
ブランドのインスタグラムやリーフレット等でも“私たちのお約束”として掲げています。

□ 児童労働を伴うカカオ栽培に反対し、一切使用もしません。
□ 環境に配慮した紙を極力使用し、持続可能な森林利用に賛同します。
□ プラスチック素材は極力使用せず、バイオマスなどに代替します。

https://www.instagram.com/lavance.chocolat_artisanal/

この1項目「環境に配慮した紙を極力使用し、持続可能な森林利用に賛同します」について、より深く学びたいと思い、昨年の夏に埼玉県小川町の和紙製作の体験学習セミナーに参加しました。

埼玉県小川町の和紙「細川紙」は、平成26年に「本美濃紙」、「石州半紙」とともに日本三大和紙としてユネスコ無形文化遺産として登録されました。

小川町では 「細川紙の技術」を大切に継承し、手漉き和紙の体験学習ができる町営のセンターがあります。申し込みをすれば誰でも参加ができ、1日コースでは本格的な学びを得る事ができます。

まずは座学ということで、和紙の製造工程や歴史を学びました。

和紙の原料は楮(こうぞ)や三椏(みつまた)といった植物の木の皮が主原料。その原料を均一にするための「ネリ」と呼ばれる素材も、とろろあおいの根からとります。伝統的な和紙は、すべて植物素材で作られており、化学的な原料は一切使用しません。主原料の木は余すところなく使い、和紙にします。

●高級紙として、黒い皮部分を使用しない[白皮]『純白の和紙』
●取り除かれた黒い皮部分[スリッ皮]を混ぜこんだ『チリ入りの紙』
●黒い部分を除去し、緑色部分のみ残した[ナゼ皮]を使うと『未晒紙』

しかも、残りの芯部分[カズカラ棒]も、以前は楮を焚く際の薪として燃料にしており、全く棄てる部分がないとの事でした。現在はガスに置き換わってしまいましたが、棄てずにクラフトやDIY用として無料で配っています。

和紙を製造するための道具類も、職人さんの手によって作られる物。
しかし昨今はその職人さんが激減し、小川町界隈では大きな和紙を漉くための簀(す)を作る職人さんがいなくなり、土佐のほうに依頼しているそうで、今現在でなんと2年待ちとか。
壊れないよう、大切に和紙を漉いているそうです。

続いて、いよいよ紙漉き体験です。

和紙を作るのに、こんなに工程があります。紙漉きはそのごく一部。

※紙漉き作業時は、許可をとり、撮影時のみマスクを外しています

↑これは、漉き舟に楮とネリ(とろろあおい)を入れ、強くかき混ぜて和紙のもとを作っているところ。

先生に最初は教わりながら、その後一人で紙漉きをしました。
ショコラティエ アルネ氏、感が良いのか非常に綺麗な動きです。チョコを作る動きに近い?

↓こちらはちょっと失敗しました。でも戻せば何度でも和紙にできるそうです。端のメモ書きの和紙も溶かして和紙にできるそうです。
正真正銘100%リサイクルできる紙なんですね。

●伝統製法の和紙はすべてが日本の植物由来の素材であり、それらは棄てるところがほぼ0であること。
●洋紙のように漂白剤を使わず、製造時の化学薬品の使用が一切無いため、排水も自然に戻ること。
●端切や反故の和紙の破片も含めて、すべて再生可能である、完全循環型の資材であること。

伝統的な和紙が、ここまでパーフェクトなサステナブル素材であったという事を初めて知ることができ、感動しました。

そして、和紙といえば紙漉きの工程が非常に有名でありますが、そこにたどり着くまでの工程も非常に人の手がかかります。それこそ山で楮を栽培するところから始まるのです。つまり、山を、自然を、育てていくという取組みもしていかないと産業が成り立たないとのこと。

一方、それを作る人も育てていかないと、この伝統和紙の技術は廃れてしまいます。しかし、年々職人が減っており、農業就農者問題と同じで、「後継者問題」に直面しているのです。

今回ユネスコ無形文化遺産に登録されたこと、非常によろこばしい事だと思っていたのですが、先生からは
「この文化を無形文化財として登録・保護しないと廃れてしまうため今回登録された訳で、実は複雑な想いなのです……。」
と仰られ、改めて驚きました。

今回のバレンタインの売り場では、細川紙を採用しています。ディスプレイのプレートで使用していますので、ぜひご覧ください!


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