うつ病のためのメタ認知トレーニング(D-MCT)~感情の誤解~

おはようございます。
鬱に見られる典型的な思考の偏りをまとめていきます。思考の偏りが、どう私たちに影響するのか、そしてどう改善できるのか。

Metacognitive Training for Depression(D-MCT)

感情の誤解

非言語からの相手の情報から答えを見つけるとき、以下を参考にする。
・その人について事前に知っている情報(例:その人は威張った人か?)
・環境。(例:冬に腕を組んでいたら、それはたぶん寒いから?)
・自己観察を通じて(私だったらどんな時その人と同じ行動をするかな?)
しかし自分の行動の理由がいつも他者と同じとは限らないので注意

このように私たちは他者の感情について様々な角度から推測します。
しかし、うつ病の人は他者の感情表出を見ても相手の気持ちを推し量ることが難しい傾向にあります。(実際に、ニュートラルな顔の表情を見て、
「悲しんでいる」と評価する傾向にある。

喜び、悲しみ、驚きなど、基本的な感情はどの文化圏でも同じ。
学習によって学ぶ感情(社会に引き起こされる感情)、罪悪感、恥など、
セルフモニタリングするときに何に対する恥や誰に対する罪悪感かをモニタリングすることが大切。

メンタライゼーション

想像力を働かせる心的活動で、自己と他者の行動をその背景にある心理的状態という概念から理解し解釈すること。
心理的状態:考え、感情、欲求、願望、信念

自分や他者の心の状態に思いをはせ、自分や他者の取る言動をその人の心の状態と関連付けて考えること。人の行動には特定の心理状態があると想定して、その心理状態と関連付けて行動を理解する心のプロセス。
実は、日常的に行っているがしばしば些細なことでできなくなる時がある。

メンタライゼーションの能力を失うとき

喜怒哀楽のある程度以上の強さの感情にさらされると私たちは他者も自分もメンタライジングすることが出来なくなる。
1つの視点に縛られない、再度メンタライゼーションする柔軟な姿勢を持つ、他者の思考や感情に対して曖昧さを認める(確信を持たないオープンな心)、白黒つけない、これらに気を付ける。
メンタライゼーション能力には個人差があり、その人の「常」を超えてしまう刺激が加わると能力は損なわれる。

記憶

全てを記憶することは不可能で、忘れることは自然なことであり、また、記憶していることはその通り実際に起こったことではなく、
脳は過去の似たような出来事を現在のイメージを混ぜてしまう。
うつ病の人は記憶力・注意力が悪くなったと訴える人が多い。

注意力や記憶力の低下は以下のようにして起こる。

・ネガティブな考えに強く捉われることで注意力が全てそこに向けられる
→反すう。
反すう中は他のもっと大切なっ物事ンい注意を払う力はほとんど残っていない。反すうによって弱くなった注意力のもとでは物事の詳細を記憶することはできない。何度も繰り返される反すうや、うつ病自体が改善すれば、
記憶力も回復する。

さらに、抑うつ気分になると嫌な出来事を思い出しやすくなり、出来事を灰色の眼鏡を通して見られがちになりそれが再体験されて記憶される。そうすることで、鬱的解釈を助長し、その中に新たに「証拠」を付け加えてしまう。尊雄と欣男気分を通して心の目で世界を見ている(主観的事象)。

対策

・日々の生活で起こる良い出来事を具体的に日記して、もっと記憶していられるようにする。
→人間は生存本能としてネガティブなことに敏感に反応するようになっているので、逆に良いことに対して意識を向ける訓練。

私なりの対策

・相手の感情を推測するとき(メンタライゼーション、)相手の特徴や、「自分だったらどうかな」という冷静な視点で推測する。

・メンタライゼーションには強い刺激が加わると機能しなくなるので、「決めつけすぎ」な思考を入れ込まないこと。

・「申し訳ない、恥ずかしい」という感情が生まれたら、何に対してそう感じるのかセルフモニタリングをする。

・反すうは不安を強めるし、注意力・記憶力も低下させてしまうので、反すうに気づいたら断ち切る行動をする(行動活性化やマインドフルネス、反すうの3分間ルールなど)

・日常で起きた良いこと、うれしかったことに目を向ける。日記を書く。

以上です。

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