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旅グルメ備忘録 その8

今回は名古屋。

これまで2回訪れており、
市内の観光地はほぼ制覇したと自負している。

グルメが豊富な街で、
これまできしめん、味噌煮込みうどん、天むす、モーニングなどは試してきた。

ただ、1つだけ高価で食べていなかった忘れていた名物がある。
「ひつまぶし」である。

「鰻重なら食べたことあるからな」と自分に言い聞かせ、
これまで有名店を探すことすらしてなかった。

旅行前に調べると、
「あつた蓬莱軒」という名前が頻出した。

友人にもファクトチェックをした。
確かに「名古屋でひつまぶしと言えば」の店らしい。

本店は熱田神宮の方にあるらしいが、
Xで調べると常に混んでいるらしい。

ということで今回はお洒落なモーニングを諦め、
朝10時前に開店前の松坂屋に向かった。

デパート開店前に並んだのは、
新静岡駅前のさわやかハンバーグ以来だ。

開店前の松坂駅(栄)

開店2分前に気づいたのだが、
どうやら蓬莱軒は松坂屋北館ではなく南館にあるらしい。

急いで南館に向かい、
開店と同時に10階の店舗を目指した。

エスカレーターを駆け上がる人が多く、
周りに流され早歩きになる。

やっとの思いで10階に到着すると、
そこには既に行列ができている。

お店の開店時間は11時なので、
受付をしているようだ。

あつた蓬莱軒 松坂屋店の受付行列

受付の方にフルネームを伝えると、
11時前にまた戻っときてとのこと。

その頃に再び店前に戻ると、
11時に入店予定の方々(100人ほど)が待機していた。

かつてこれほどまでに混雑した店を見たことがあっただろうか。

そんなことを考えながら、
自分の名前が呼ばれるのを待った。

お店の看板

10:50頃に名前が呼ばれ、
店の中に案内される。

デパート内にも関わらず、
店舗面積がかなり大きい。

見渡す限り椅子テーブルが広がっており、
案内係のお姉様方も非常に多い。

席に着き、ひつまぶしを注文。

店内は明るく、内装もシンプルでおしゃれ。

店内は落ち着いた雰囲気

注文してから5分ほどでひつまぶしが到着。

あまり他の料理を注文する人がいないのだろう。
開店時点で料理を作り始めているのだろう。

そんなことを考えながら、
目の前に現れたのがこちら。

ひつまぶし

これこそ贅沢。ブルジョワのグルメ。

大きなお櫃の表面には、
大胆に鰻が敷き詰められている。

これは満足しないはずがない。

おすすめの食べ方があるらしく、
鰻とお米を4等分し、

1杯目: そのまま
2杯目: 薬味と一緒に
3杯目: おだしを入れてお茶漬けに
4杯目: 気に入った食べ方で

普段の自分なら、
何も考えずに山椒をかけてしまう。

その衝動を抑え、とりあえず一口。

鰻が小さく切り分けられているのにも関わらず、
香ばしくしっかりと食べ応えがある。

あっという間に1杯目を平らげ、
2杯目に移る。

今度は刻みネギとわさび、海苔を添えて食べてみる。
普段、蕎麦を食べる時のような薬味の種類。

うなぎの味付けが控えめなため、
やや薬味に負けてしまう。

おそらく生まれて初めて、
薬味がいらないと思った。

シンプルな鰻とお米の組み合わせが良い。
そんな結論に至った。

3杯目におだしを入れる。
これはひつまぶしならではの食べ方なのだろう。

お茶漬けに鰻の香ばしさが移る。

面白い体験だと思った。
が、またしても鰻は鰻で食べたいと思ってしまった。

ということで、4杯目。
お気に入りの食べ方を決める。

これは完全に一択だった。

お櫃に残った鰻とお米を茶碗に装い、
そのままいただいた。

やはり、何も加えない素朴な鰻とお米が1番美味しい。
シンプルだと、本来の味が特に引き立つ。

妙に納得し、最後の一杯を完食した。

量も味も大満足だった。

P.S. 少し書き過ぎてしまった。直近で最も楽しい食体験だったので、ついつい長々と。