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#11北欧への旅/環境、子育て、教育から恋愛、民主主義……@ロラン島

Yさんを見送ったあとの2日間はマリボーから南下してリゾート型のホテルに移動しました。マルボーからは車で20分ほどの距離で、朋子さんのお住まいも近くです。

ファーマルン・ベルト海峡あたり、デンマーク・ロラン島の南端に移動


宿泊したホテル"Hages Badehotel"が新しくて簡易キッチンも備わっていて、各コテージにテラスがあって素敵なところですが、ちょっと変わっています。

湿地帯のようなところで、自然のまま草ぼうぼうな土地にコテージが点在
この屋根、気になっていたんだけどね。

デンマークらしいと感じたのは、コテージの屋根が苔のような草のようなもので覆われています。どんな草かはわかりませんが、なにやらエコに拘っている感じです。気になっていたのでホテルの人に聞こうと思っていたけど、忘れてしまいました。残念。誰か知っている人いたら教えてほしいです。

朋子さんの著作で、貧しかったロラン島が風力発電にシフトすることで豊かになり、デンマークを代表するほどの再生可能エネルギーを生み出せる力をつけていったことを知っていましたから、たくさんの風車が悠々と回る景色は想定していました。

農地ど真ん中、ファームハウスにお住まいの朋子さんのお宅までのドライブもまさにイメージ通りでした。

基本的に農業地域なので、ひたすら広大な農地に風車がまわっています
空が広くて、気持ちのいい景色です。

お~!!やっとロラン島。
憧れの地で風車の景色の中に身を置いた!!

と感動したいのはやまやまなのですが、実はわたしの住んでいるミシガン州も風力発電はとても盛んで、昨年時点ですでに1658基もの風車があります。それも、QPさんちの周辺が州内でも多い地区、2番目に多いのがうちから30分ほどの地域なので正直いうと、こんなに遠くまで来たというのに、まるで近所をドライブしている感覚です。よく見るとタービンのメーカーがちがうので馴染みの風車とは若干カタチがちがうぐらいかな……。😅😆

ちなみにこれQPさんちの近所なので、遠くまで行ったわりに似た景色なんですけど🤣

米国の風力発電は昨年時点で原子力と石炭を上回り、天然ガスに続く勢いです。2005年以来、毎年約3000基ずつ増えており、最新のデータによると全米で70,800基に上りさらに増え続けているのです。

日本の中だけで暮らしていると、世界との隔たりが見えにくいと思います。
ちなみに風力発電の導入量、世界1位は中国、2位が米国、3位がドイツ、4位インド、5位にスペインです。スペインの倍の人口で原発事故を起こしている日本が24位(2605基)なのはちょっと残念です。

国土が狭いうえに地震や台風もあることも関係しているのでしょうが、だからこそ54基もの原発の代替えになる再生可能エネルギーへのシフトが進んでほしいと個人的には願っているのですが……。

朋子さんがお話しているこんな動画をみつけたのでついでにシェア

ロラン島の広い空と爽やかな夏空を眺めながら、久々にエコ問題に思いを馳せました。そして、朋子さんとの雑談の中で感じたのは、デンマークの人々が政治への関心と民度が高い印象を強くうけました。


さて、いちばんのわたしたちのご馳走はワイン飲みながらのおしゃべりですから、レストランでの食事よりも、スーパーで買い物して朋子さんのお宅でさらなるおしゃべりパーティタイムをすることにしました。そのほうが、日本語でワイワイするのにまわりに気を使わなくてすみます。

数々の興味深い話の中で、朋子さんが息子さんの義務教育中に使った教科書を見せてくれたのですが、デンマークの人々が政治への関心が強くて民度が高いと思わせてくれるのがまさに教育にあると感じました。

デンマークの人々の政治への関心が強いのは、その投票率の高さにも確実に現れています。1970年以来の平均投票率は86%というのだから、低い投票率を悔しく思っている日本人としては羨ましいことです。

デンマークでは子どものころから、投票行動が民主主義を守るための権利であり義務、自分の意見を反映するための機会ときっちり学んでいるため、自分たちの暮らしや環境を守ることが、投票行動に直結することを理解し、実行しているからだと思います。

日本の場合、「投票しても無駄、自分が選挙に行ってもいかなくても結果は変わらない」と感じている人が多いのも現実だと思います。そして、その無力感こそが人々の幸福度までも下げ、まるで消化試合のように人生をあきらめ、幸せになることすら手放している感さえあります。

何がちがうのか?教科書を見てなるほどと思いました。

民主主義とは何か、たいせつさとそれを守るために何が必要かをはじめ、メディアを鵜呑みにせず、自分の頭で考えること、メディアがいかに都合よく情報を誘導する可能性があるのかを歴史の中からの事例と共に紹介して学校できちんと教えていることにびっくりしました。

大学のジャーナリズムレベルの内容とさえ感じました。

デンマークで使われている社会の教科書
デンマーク語をグーグル翻訳で日本語にしてみました
教科書の一部翻訳してみました

これスゴくないですか?

日本の今を知らないのでなんとも言えませんけど、わたしは日本の学校教育でこんなこと教えてもらった記憶はありません。それどころか、日本で原発事故が起こってから、メディア・リテラシーのたいせつに気づいたありさまです。

メディア・リテラシーとは、メディアの機能を理解するとともに、あらゆる形態のメディア・メッセージを調べ、批判的に分析評価し、創造的に自己表現し、それによって市民社会に参加し、異文化を超えて対話し、行動する能力である。 また、用語としてのメディア・リテラシーはメディア・リテラシーの実践や運動を含む。

by Wikipedia

そして、今の日本のメディアの在り方のお粗末さや、日本人のリテラシーの低さは教育によるところが大きいと感じるので、この話はわたしにとってはとても興味深いものでした。

日本は大本営を鵜呑みにし悲惨な目にあった国だというのに、未だ現代日本に完全に欠けていることだと思っているからです。


ロラン島でのおしゃべりタイムは最高のハッピータイム


と、まあこれはわたしたちのおしゃべりの流れの中のひとつのトピックに過ぎません。こんなに硬いことばかりを話していたわけではなくて、朋子さんの人生もおもしろいし、いや、わたしたち全員がそれぞれにユニークなバックグラウンドを持っているのでそんな人が集まれば、とにかく話題は尽きないのです。

またまた深夜まで飲んで🍷食べてしゃべりまくりでした。

なんて、楽しい旅なんでしょう!!🐽❤️
次は、トンネル工事現場を"観光"した話です。😁

つづく


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