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【アラ還セカンドライフ#11】初対面で恋には落ちないけど、マイナス要素なし

ランチしながらの初対面ときめくことはないけど物静かで、正直で誠実そうな方という印象を持ちながら会話は続きました。

彼は生粋のミシガン人です。これまで日本人どころかアジア系の知り合いも身近にいたことはないゆえ、お箸を使ったことはないと聞いていたので、彼が来る前に「ランチを準備しておくけど、うちにはお箸しかないので、そのつもりで練習してから来て下さいね」と冗談のテキストメッセージを送っておきました。

半信半疑だったようで、セットされたテーブルのフォークを見てほっとしたようですが、冗談だとわかり苦笑いをしていました。

1ヶ月間はメッセージだけの交流で、1度も言葉を交わしたことはなかったので、はじめてお互いの声で生の会話を交わしました。わたしの下手くそな英語であなたが理解できるか不安だと言っておいたので、会話を初めてしばらくすると、

👶🏻「あなたのいう"下手な英語"は予想よりずっと"上手な英語"だ。これならコミュニケーションに何の問題もないよ。それにもうすぐ自分の日本語が上達してあなたの英語に追いつけるかも」

と、あり得ない冗談で笑い合いながら、離婚の話も嫌な顔をすることなく終始、笑顔だったのでどんどん質問。

👸「マッチの中で、わたし以外にデートした方は何人ぐらいいるの?」

👶🏻「ほんの数人だけど、それぞれ顔も覚えていないぐらい印象に残ってないな。一人だけ2度目のデートをした女性とはトム・クルーズの『トップガンマーヴェリック』を観に行ったけど、何しろ映画の最中は話さないし、終わったあとも感想やおもしろい会話に発展することもなく3度目はなかった」

👸「あなた、静かな人だけどこんなにおもしろいのに、会話が続かなかったとは不思議ね」

👶🏻「楽しい会話は双方の息によって生まれるものだよ。あなたが英語は苦手というけど、これまで米国人でもこんなに楽しく会話が繋がる人に会ったことないから言語は問題じゃないってことだよ。頭の中にないことは言葉にならないから」

👸「長く生きてきたアラ還だから、過去のどんな話も会話のネタよね。会話しなければ、共感できることもあるのかないのかすらわからない。人となりを知ることができなければ先に進みようがないじゃない? 会話が楽しめるってたいせつなことよね」

時おりダイニングテーブルから窓の外を眺め会話は脈略なく続きます。

👶🏻「(深く頷き)あなたとの会話が楽しいのは、あなたのこれまでの人生がそれだけ素晴らしい証拠だと思います。それにしても素晴らしいセティングですね」

(↓我が家はこんな環境)


👸「この土地を買ったときには、まさかこんな景色が眺められるとは思っていなかったの。最初は雑木だらけでここまで上がることも困難だったので、建ってからこんなに眺めがいいことがわかって、これを味わえずに逝った夫をより気の毒に思っています」

👶🏻「ほんとに残念でしたね」

英語で話し続けるのは、わたしにとっては疲れるのですが、彼に根掘り葉掘り尋問のようにどんどん質問をぶつけるのはわたしのほうでした。どんな質問にも素直に共感できる答えで彼の人間性がにじみ出ます。

でも、もともと静かな方なので沈黙も怖くありません。

すると、思い立ったように

👶🏻「ねぇ、あれ弾いてもらえますか?」

とわたしのだいじなおもちゃを指さしました。

↑これがオトナのおもちゃです。

👶🏻「もちろん!!」

リビングルームに移動して彼はソファーに体を埋めて座りました。

しばらくの間、ビートルズ、S&G, S Wonder など誰でも知っているような洋楽曲を演奏しました。

足で拍子を刻みながら、それはそれは楽しそうに演奏を聴いてくれました。

👶🏻「両手足全て動かして演奏するんだね。こんな生演奏見るのは初めてだ。これはいつまででも聴いていたいよ。それに弾いているあなたがとってもハッピーそうで見ているだけでこっちもハッピーになる」

👸「アハハ、だって演奏時間はわたしの幸せ時間だもん」

👶🏻「よくわかったよ」

👸「『夫がうるさいというので練習も演奏も家では楽しめない』とぼやく友だちがいるのね。世の中には音楽はノイズって人もいるのよ。わたしはテレビはなくてもいいけど音楽なしは無理」
 
👶🏻「私もそうです」

音楽を楽しめない人ならどんなにいい人でもわたしには向いていないのでこのたいせつなポイントが今日わかってよかった。

演奏のあとは、好きな音楽の話に話題が移りどんどん距離が縮まったような気がしました。

お互いに楽しいと思える時間が過ごせることがわかり、緊張の初対面は終わりました。

さて、恋に落ちるか?というと、まったくその兆候はありませんけど😂友だちとしては合格!!💯 


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