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負債を取り戻し、心身共にハッピーに暮らしたい

負債とは言っても、金銭の負債ではない。わたしにとっては、それよりもっと深刻かつコワイ負債だ。

 それは睡眠負債

子どもたちが家にいたころは、夫も含めて家族全員を目的地に配達するデリバリー担当だった。公共交通機関がほぼないような在米田舎暮らしなので、それぞれのスケジュールに合わせて運ぶ家族の足、タイヤ?みたいな責務を負っていた。当時は7、8時間の睡眠を継続してとったことはなかった。

州立大学の教授だった夫は夜のクラスを教える夜型人間で、授業が終わったあとの残務処理や論文の締め切りのため、ときには深夜をまわるまでオフィスにいた。「帰るよ」というスカイプメッセージを受信すると、わたしが車で迎えにいくのが日々のルーティンだった。

娘が大学院生だったころは、提出日が迫った課題やプロジェクトの進み具合により、とんでもない時間まで研究室にいて午前様のときもあった。ちなみにこちらの大学図書館は深夜2時まで開いている。

娘、息子たち4人が大学を卒業するまで、合計5名のアッシーママとして日々サポートをしたからこそ、コスパ最強に子どもたちは学位をとれたのだった。

そんなライフスタイルだったため、彼らが巣立つまでは、早朝から深夜までそれぞれのスケジュールに合わせて雑用に追われ常にじゅうぶんな睡眠時間が確保できずの万年寝不足だった。

その後しばらくして、わたしは"Sleep debt"(睡眠負債)という言葉を知った。

家族それぞれのライフスタイルにあわせて、サポートするというだけの務めを果たすために、どんだけ負債を負ってしまったのか……と愕然とした。

以来、ためてしまった負債を取り戻すべくライフスタイルを意識し7時間から8時間の睡眠時間確保は「日々の大切な習慣」に位置づけている。

振り返ってみると、しっかり睡眠をとれていないころは、常に体が重く、ときおり背中や腰が痛くなった。体重増加、肌荒れ、アレルギー、イライラと今のわたしからは、想像できないほど負の症状に悩まされる日々を過ごしていた。

実際に6時間以下の睡眠が続けば倦怠感、頭痛、感情コントロールに影響する、集中力がなくなる、血圧上昇、めまいなどの症状が現れるのは体のメカニズムとして当然のこと。そしてもっとコワイのはそれが負債となり蓄積した結果だ。

睡眠が足りないと体調だけでなく、心にも大きく影響する。セロトニンとメラトニンのホルモンバランスが乱れると、精神と睡眠の質に関わる。幸せを感じるセロトニンがしっかり作られなければイライラするのもあたりまえ。それどころか癌リスクは確実に高くなるし、寿命も7時間以上確保ができている人と比べこれまた確実に短くなるというのだから侮れない。

しばらく睡眠不足が続いたからといって、すぐにどうにかなるものではないが、それを続けていたらあるときドカーンが来るのだ。

まさに、わたしの夫がそれだった。

ドカーンは2020年3月13日金曜日に起こった。大腸癌ステージ4宣告だった。医者にかかったことなどなく元気だと思っていた夫の体は確実に睡眠負債に蝕まれていたのだ。

頑張って生きた我が夫は、なにより自分の睡眠を削って頑張ってきたので早くに逝ってしまったのだと思う。

わたしが何度も何度も口を酸っぱくしてしっかり寝ろ!と言っても、「夜型人間だからオマエのように簡単には寝られない」と、明け方まで書き物をしたりと、まさに夜から男であり、睡眠障害男だった。

確かに、締め切りに追われる仕事でもあり、社会人として責任を全うすべき立場としてそれは理解できるけど、頑張り体質過ぎて自ずから締切りのある仕事をどんどん受け入れてしまう傾向すらあったので、今となってみれば、「命を削って仕事を選んだ」ようにさえ思える。ほんと悔しい。

そんな経緯をもつわたしは、昔ためてしまった負債を少しでも返済したいので、しっかり睡眠を取るライフスタイルを心がけている。スマートウォッチで毎日の睡眠時間をモニターし睡眠の質も確かめている。

ところで、noteの世界にいると睡眠負債の溜まっている人多いなと感じる。

ちなみに、日本人は世界的に見ても睡眠時間が世界ワースト1位らしい。どうりで、幸福度も低いわけだ。

在米のわたしは日本とは昼夜逆の時差がある。毎日投稿を試みているnoterさんたちのラッシュ記事が滑り込みでアップされる時間がこちらは午前中で、日本の起きるころが夕方だ。

ご親切にnoteから通知が届くので記事アップのタイミングや反応から、日本に住んでいるとは思えない深夜の2時、3時、4時に🧡やらコメントが入ると「今読んでるんかい?いつ寝てるの?」と心配になってしまう。

睡眠負債によって、免疫細胞の働きは緩慢となる。誰もが体の中に持っている悪の細胞増殖の抑制が鈍って癌を進ませるそうで、睡眠負債を抱える人は良い睡眠をとれている人に比べて4〜6倍も癌リスクは高まるのだ。

余計なお世話ながら、夫を癌で失くしたわたしは、癌リスク高めるのはやめようよ!お互いに心身ともに健康で長生きしようと心配になってしまう。

コングラくれたり、バッチ配って励ましてくれたりのnoteは、わたしにとって読むのも書くのも楽しいけど、睡眠負債を負ってまですることではない。これからもゆったりと自分に向き合う時間として、ゆる〜り付き合っていきたいと思っている。

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